北西
過去の回想シーンからです。
肩より下まである黒髪をイジりながらイザヤはとある一室にいた。
ここは『北』の頭首だけが住むことを許される北の聖地である。今日からここで自分は過ごすことを命令された。ベッドや椅子はどれもこの世界では高価な物なのだが、どれも簡素な作りで数も全くもって少なかったのはイザヤを驚かせた。
「部屋に無駄な物は置きたくない主義なんだ。」
まだ染めるのを諦めてなかった北の頭首は茶髪の前髪をかきあげた。
「へぇ、この無駄のない空間に俺を入れることこそ無駄だと思うケドなぁ。…いつ襲われるかわからないだろう?」イザヤはいやらしい笑みでニヤニヤした。
「ハッ、猫一匹拾ったぐらいじゃ何も変わらんよ。…ワシの相手になりたいんなら一度死んで、輪廻転生して女になってから来るんだな。」
「…はーい。」イザヤはくだらなそうな顔つきでやる気のない返事をした。
(コイツの中では何かが壊れている。)北はそんな彼を見てひとりでに思った。
人懐っこいくせに人を簡単に捨てれる。
人を簡単に翻弄させるくせに人を簡単に騙す。
愚か者は彼の美しさに目を奪われ、騙された事実にさえ身がくらんで見えなくなる。
人を魅せはするが心を見せはしない。誰とでもどこか距離を保ち、その貼り付けた笑みの裏を知るものはいない。
そのくせ誰よりも人に愛されたいくせに誰よりも人に嫌われ殴られることに何よりの喜びを感じている。
この世界は騙し殺して奪い合うのが筋なのだが、これほどまでにその筋を通す人間がどこにいるのだろう。ただそれを彼がこれまでに使ったのは全て自らの欲求のみ。
(もったいない奴だ…)
北はこの奇妙な同居生活の中で一度も彼のそれを伸ばそうと思ったことはなかった。
なぜなら彼は人としてどこか欠落しているからだ。そんな彼が『頭首』を務めたのならどうなる?国は荒れ果て盗みや殺しはもちろん、国が屍で覆われる事だろう。
(いや、これは建前だ。)
本心を言えば北は頭首としての権威を脅かされるのを恐れていたのかもしれない。彼が才能を開花させ、頭首として陣地を治め、いつか衰えた北の前に立ちはだかる。そんなシチュエーションは彼としてはあって欲しくないのだ。
(…これが自分の息子なら頭首にならさせただろうか。)
傷だらけで包帯まみれの虚無なイザヤを横目に、西はふと思った。
* *
「それが今やこうですからね。立派に育ったもんですよ。」
黒髪を肩より上に伸ばしたイザヤは西の頭首として着々と前に進んでいる。
「お前のあの悪癖がなければ、な。」
「その通りです。育て方が悪い、全く…親の顔が見てみたい。」ちらりと北を一瞥する。
「その親もこんなに息子がひん曲がるとは思ってなかっただろうに。」
軽口をたたき合う二人には長年かけてできた打ち解けた空気がフワリと流れた。
「あ~そうそう、本題に入らせて貰いますね。デモを起こした動機は西に対するいつもの不満で他に深い意味はないようです。」
「あの事件との繋がりは?」
「まだ分かっていません。」
「そうか、ところでお前はあの火事の中どうやってデモ犯を捕まえたんだ?」
「まぁ、ちょっと協力者がいてそいつにチョイチョイっと…ね。」
「…そうか。」
彼が報連相がまともに出来ないのは百も承知なので深くまで追求しない。むしろこうして自ら話したのが奇跡のようなものだ。
「本当は地下会議の後に貴方と話したかったんですケド、大切な用事が入ってしまって…スイマセンね。」
「はっ、よく言うわ。東とヨロシクヤッとったくせによ。」
「…嫉妬ですか?」
「話を戻すが、頭首としてこれ以上死人を出すわけにはいかんのだ。」
そのデモ犯の頭があの事件との繋がりがあるのなら何か手がかりになる確証を手に入れなければ。
「…アンタだろ?」
イザヤは軽く自分を指さして言った。
「あ?何がだ?」
「アンタが“ノヴァ”って奴を匿っているんだろ?」
「………誰だ?」
目を蛙のように大きくしてその噛みやすそうな名前に北は怪訝そうに首を傾げた。
イザヤは全てを見透かすような視線で自分を見る。
「デモ犯人が言ったんだよな、アンタの所に『ノヴァ』って男がいるって。そいつ曰く、この放火事件と何か関わりがあるって言っていたんだ。」
「………は。」
「もし、そいつがアンタの所にいるのなら」「待て、イザヤ。…お前は本当に何を言っているんだ?」
「…え?」
「誰だそいつ。俺の所にいると言うことは下っ端か?でもそんな名は聞いた事がない。…スパイか?ソイツはどんな特徴だ。言え!」
北のその言動にイザヤは手で顎を触り、深く考える仕草をする。やがて大きなため息をついた。
「………いや、もう良いですよ。どうせ違うとは思ってたましたけど一応、鎌かけて疑ってみただけです。すいません。」
「はぁ?それも、“あの事件”に関連している事か?」
「えぇ。あんまりにも見つからないからもしや国のトップが犯人なんじゃね?って無駄足掻きしているところです。」
「ふむ…それはなかなかいい線をついているように見えるのじゃが。」
「……ずっと思っていたんですけど、この事件。犯人なんていないんじゃないですか?」
「どういう意味だ?」
突然、全てを覆すようなことを言い出すイザヤに北は顔をしかめる。
「例えば、皆自殺志願者だったとか?」
「その中にワシの中側近もいたんだぞ?アホな事いうな。」
「まぁただの世間話程度に聞いて下さいよ。貴方の中側近の二人、あいつら組織の金を横領して遊んでいたんです。娼婦の店で楽しそうにしているのを部下が見ました。横領といったって毎回大した金じゃなかったですけどね。元々ギャングって名前だけの所は少なからずあるでしょう?だって頭が筋肉でできた男ばかり集めた集団なんですから。」
「ハッハッハッ!…つまりワシを頭が筋肉でできた男だらけの集団の長といいたいのか。ん?」北は笑みを崩さずに言った。目は笑っていない。
「いやいや、尊敬なる北の頭首様は別でおられますヨ。」
イザヤは冗談交じりに言っているが本音は心底そう思っていた。ギャングというものは人から金と命をぶんどり生計を立てるのが一般であるが、毎日戦い狂う日々に懲りたこの北の頭首は全頭首を総入れ替えして条約を結ばせたのだ。
“互いの陣地を攻め入ってはならない”と。
全てが丸く、そして平和に終わったように見えるが実際問題では国は荒れ果て、長の言うことを聞かないギャングはまだまだいるし、盗みを抜いても、一日五十を超える犯罪や殺人が今でも繰り広げられている。
それでも大分減ったのは目の前にいる老人が動かしたのだからすごいと言わざる得ない。
「…それは良いとして、その二人はそれをうっかり側近に見つかってしまった。金で交渉しようともアンタに忠実な側近はもちのロンでそんな汚物は受け取らない。このまま待っていてもアンタの側近に殺されてしまうと思った二人は夜逃げしようと決意した。しかし不運にも自分達の家は空き巣をされて金目の物は全て盗まれてしまった。荒らされた部屋に住んでいた二人は互いに銃を構え儚く散りましたとさ。
…それから月日が経ち、東の頭首の中側近である“スレッド”という男もまた愚かで、近所の女や彼の通っていたサケヤに話を聞いてみれば、給料が出ればギャンブルに当てて女房に見限られたバカだったそうです。ソイツは金が尽きて金を借金しまくった挙げ句、取り返しがつかなくなりました。明日の食事すらままならなくなり、ようやく自分の犯した失態を恥じた時、金が無い散らかした部屋で、ひとり寂しく命を絶ちました。
そうそう最後にスレッドが部屋を散らかしたと言ったのは、きっと噂で聞いた『北の中側近』の死亡の仕方を真似たからかもしれません。どうせ死ぬならまるで自分が被害者のようにしてやろうという男のひねくれさです。後の四人も同じように小さい物から大きい失敗を起こしています。……どれも自殺と見ても不思議ではないでしょう。」
「…ではその理屈が本当だとして、なぜ西だけは死者が出なかった?お前の所ならバンバン死人がでても、恨まれてもおかしくないだろう?」
「アハハッ、ひどーい言いようですね。でもそれは単純明快です。俺の国が他よりちょっとは娯楽はあるからです。娼婦店は至る所にあるし、金なくてもその辺の女を犯すし、最悪、俺が相手になるし(笑)」
手を顎に当てて下を向いた北はポツリと呟いた。
「なら…犯人は」
「いません、そんなものは。」
そう断言したイザヤは上品に立ち上がり、北の前までくるとテーブルに片手をついた。
「これが、事件の全てです。」
「………。」
今度は北がしばらく考える。
やがて顔を上げると「アホか。」と言って、テーブルに乗せているイザヤの肩を押した。
ぐらついた体勢をギリギリで立ち直したイザヤはプクッと頬を膨らました。
「俺、怪我人ですよ?バランス崩して悪化したらどうするんですか?」
「そんなクソ推理するからだ。考えてみろ。お前の言う東の中側近は首元を二回目斬られたんだぞ?自分で死ぬにはもっと良い方法がたくさんある。だからそれは成り立たない事は確実。お前はただ単に考えるのが面倒になったからあり得そうな推理を適当に立てて吐いただけだろう?」
「…そんなコトナイですヨ~。」
横に視線をそらせながらイザヤは言った。
探すのが面倒くさいのは事実だ。
「何年お前と一緒にいると思ってるんだ。そんな事ぐらい分かるわ。」北がスレッドの殺害内容を知らなければ騙されていた事だろう。
「ったく、適当な事ばかり言いやがって。」
「アハハ。可愛い冗談じゃないですか。」
「質と質が悪い!
…ただ、犯人が見つからない今、もう一度生きている部下のアリバイを調べた方がいいかも知れんな。…そういえばお前の所に来た、あの金髪の医者はどうなんだ?」
「え?…あぁ、ヒョウですか?アイツは駄目ですよ。だってアイツは…俺に惚れてますからね。」
「そうなのか?」
「フフッ、はい。俺に忠誠を誓って、時計なんてプレゼントしてくれましたもん。」
「時計………地上のか?」
「はい、奴は上から来たそうです。そんでもって地上に帰りたいと抜かすんアホなんですよ。」
北は目を広げ、腕を組むとポツリと蛙のようにくぐもった唸るような声で呟いた。
「ソイツは…お前に惚れているんじゃなくて、お前を利用して上に戻る為に近くにいるんじゃないのか?」
「そうですよ。」
何でもないように言うイザヤにまたしても北は顔をしかめる。
「バカですよねぇ、『出られるハズ』ないのに。」
地上の穴は天井に一つだけだ。ただそれも、空高くにある。脱出なんて不可能だ。
「いや、…俺も昔はそんな事をやっとったわ。」
「へぇ、そんな無茶したことをあったんですね。貴方にも。」
「そりゃあここにいる奴は誰だってそう思った事は一度はあるだろう?それを成功させた者はいないがな。」
「フフッ。無駄だと気づくまで、存分に利用してやりますヨ。」
そう言って二人は静かに笑った。
* *
「しつけーな!もうねぇって言ってんだろう!?」路地裏に声が反響した。
カズは上の世界について隙あらば尋ねて、ついてくるヒョウにウンザリしていた。
「いや、まだ地上の経済と罪と入れ墨と宗教についてしか聞いてないですよ。あとカズさんの万引き話しか。」
「十分過ぎるわっ!!他に何があるんだよ!!」
ヒョウは少し考えた後、
「…地上に出る方法を」「それを俺が分かったらこんな苦労しねぇっての!!!」
顔に青筋を立てて怒鳴るカズにヒョウは困っていた。そんなに腹が立てる事だろうか。
「くだらねぇ事に俺の人生の時間を使うんじゃねぇ!!お前もそんな暇があるんなら少しでも犯人を探すのに費やせっ!!」
「俺は探偵じゃないです。医者です。」
「うるせぇ!俺が言った答えには『はい』か『イエス』か『喜んで』だけで答えろ!」
「……。」
ヒョウはカズの言葉を聞いて、何を思ったのか、顔を下に俯いた。カズはまだまだ言い足りず毒矢を吐こうとしたが、俯いたままのヒョウの様子を見てやめた。
あんまりにも長いこと下を向いているので段々カズは不安に駆られ、挙動不審になっていった。
「お、あ…っと、別に全て肯定しろとは、言ってねぇし。まぁ、今のは俺も少し言い過ぎたしヨ。……だから、その」「そういえばまだ地上の医療の話はして貰ってませんでした。」
突然顔を上げたヒョウにカズは堪忍袋の緒がプツンと切れた。
「もうオメエ黙れっっ!おれは!!忙しいんだ!!!」そう言ってスタスタ行ってしまう。そして仕方なくお口をチャックし、カズの後ろを歩いていく。
「ついてくんなっ!!!」
* *
イザヤはガチャリと扉を開けた先には金髪の男が椅子に腰掛け本を読んでいた。
「おかえり。」ヒョウは無表情な顔を少し上げて、無愛想に言った。
「ん。」
イザヤは意外そうに眉を上げた。てっきり『あのあと』から無視されるか距離を取られるかぐらいするかと思ったのだが、ヒョウはいつも通りの反応だった。
一人用のソファに腰掛けやっと息をついた。
「ふう~………アンタ、今日何してた?」
「特に、何も。」
嘘をついている様子もなければ何かを隠している様子もない。イザヤは「あっそ。」と興味なさげに呟くと目を閉じる。
『もし、お前が駄目ならば、言え。後はワシがなんとかする。ワシにも少しは責任があるからな。』
北が帰り際、イザヤに言った言葉だ。
(何とかって何だよ。)
あの時言いたかった言葉を今、はきだした。
少しダルい体は泥を詰め込んだかのように重かった。
おもむろに息をゆっくり吸い込み、そしてはいた。
(…そんなに言うならやってやるよ。)
自分の存在意義を証明するために、イザヤは動くのだ。
命令された事はあんなに嫌がっていたクセに、やるなと言われるとそれをやろうとする。なんという、天邪鬼っぷりだろか。
その誓った刹那、フワリと体が温かくなったことに驚き、目を開けた。体の上には掛け布団が掛けられていて視線を上げるとヒョウがいた。
「あ、…悪い。起きてたのか。」
ヒョウは面を食らった表情でイザヤに謝った。
「起きてちゃ…悪いか?」イザヤは不機嫌から嫌味な返しをした。用は八つ当たりである。
「うん。あ、いや悪くわない…かな?」
ヒョウは言葉を詰まらせ、ほんの一瞬だけベットをチラリと見た。ハハーンとイザヤは悟った。
「俺が寝てればアンタがベットを使えるって?」
「……いや、そういうわけじゃない。えっと…その、つまりは」
「あーあーイイヨ。好きなだけ使いなさいヨ。俺はここでゆるりとしてるからよ。」あまりの嘘の下手さにイザヤは怒りを忘れて笑いを堪えた。
「……あぁ。」
素直にベットに入るヒョウ。しかし手に取ったのは枕ではなく本だった。
「…………。」
「…おい。寝ねぇの?」
「………君が寝たら寝る。」
「なんだそりゃ…」少し思考を巡らせてみればすぐに理由が分かった。
「…あぁ。俺が怖いのね?」
ニヤリと先ほどとは違う種類の笑みを浮かべる。
「……。」ヒョウはいっそつまらないと思えてくるほどの無表情でノーリアクションで本を読む。けれど、沈黙は肯定だ。
「あれからどうした?俺をオカズにでもした?いやぁ、あの時のヒョウちゃん、びっくりするほどエロかったもんねぇ。」
ここぞと言わんばかりに次々と悪趣味な言葉の矢を放つイザヤにヒョウは本のページをめくる手がピタリと止まった。そしてこちらにゆっくりと振り返った。
「俺には君が不思議だよ。」怒ることも声を荒げることなく、静かにヒョウは言った。
「……あ?」
「俺みたいなのを側に置いてさ。」
どうやら彼はイザヤの部屋にヒョウを配置した事が気がかりになっているようだ。
本来なら頭首の部屋で一晩中共にするのは囲った女と側近だけだ。医者であろうとなかろうと、病人でもない頭首の側にいることは本来なら異例である。
それと同時に自分の性癖…フェチの事も踏まえて言っているのだろう。イザヤとしては全然構わないのだが。
「そんな変なことを気にしてたのか。」
「…変、かな?俺が君の立場なら、絶対に無理だ。誰にいつ裏切られるか分からないから近くに人なんかおけない。君がこんなにも俺に無防備なのか逆に怖いくらいだ。……だって、この世界はいつ死んでもおかしくないだろ。」
「死にたくないか?」
その問いにヒョウはコクリと頷く。
「地上に出るまでは。」
「そうか、“生きたい”ねぇ…。」
「君はそういうのは感じないのか?その…『されてる』とき。」
イザヤはソファに深く腰掛け直し、うーん、と考えるように上を向いた。
「ねーな。当の昔に麻痺しちまったよ。」
「……。」
「『怖い』よりも『楽しい』。『痛い』よりも『気持ちいい』んだ。そう感じれる俺にはきっと、これ以上に怖いものなんてねぇんじゃねーの?」
「……そうか。」
「あと俺はな、敵こそ裏切られるの覚悟で側に置いているんだ。裏切られるのが怖いから側に置かないんじゃ、何にも出来ねーよ。今日の味方は明日の敵、明日の敵は今日の味方ってな。そうギリギリの信頼関係を築いてきて初めて明日が始まるのさ。」
「それじゃあ…きっと生きにくいだろうに。」
それを聞いたイザヤはニコリと笑って言った。
「スリリングで楽しいじゃねーか。…でもアンタには刺激が強すぎるんだろうな。」
「そんなんじゃきっといつか潰れるよ。色んなドロドロした物が吐き出せなくて。」
本音を言い合えないのなら、心から信頼してないのなら。
「んなこたねーよ。味方じゃなくても愚痴くらい出せる。信用はしてるが当てにはしてない。それだけだ。」
「……そうか。」
ヒョウの不満げな顔が出ていたのだろう。イザヤは呆れた顔で言った。
「アンタほどここの世界に向いてない奴はいないよ。」
“きっとアンタには分かるまい”
そう言われているような気がした。いや、言われているのだろう。
(そうだな。…俺には分からない。)
なぜ、そんなに人を殺すのか
なぜ、そんなに人を騙すのか
なぜ、そんなに人に殴られることを望むのか…。
ヒョウには分からなかった。
「ま、とにもかくにも今日はもう寝ろ。明日もすべきことが山積みだ。」
「……あぁ。」
ヒョウが本を閉じるのを見て、イザヤは立ち上がり、ドアに向かって歩き出した。




