激闘の一
犯人は動き出す。
その力を持って。
爆音と共に暗闇と人影が建物に入ってくる。
突然の乱入者に男達は驚愕の顔をした。
「ッ!!」
男たちは誰一人声を上げなかった。
全員、目をうばられていたからだ。
乱入者の姿に。
背は小さく黒い布をかぶって正体を隠している。
「食べていいわ。レイブン」
歌うような高い声で聖術を使用する。
レイブンと呼ばれたに闇が、喜ぶよう跳ねた。
闇は鋭い爪のような形を取り、触れるもの全てをそぎ落としていく。
「聖術か!?これがか!?」
マフィアの男がやっとのことで声を上げた。
聖なるものとは言い難いと感じたその気持ちを声に出して叫んだ。
叫んだ男は次の瞬間には爪に床ごと切り裂かれていた。
「ぐぅ・・・」
顔を歪ませて倒れこむ。
1人目の犠牲者が出た時点で、周りの男達も我に返った。
「くっ!逃げるぞ!!」
取引の先頭に立っていた男が部下に逃走を指示。
しかし部下の1人が意見する。
「金が!!・・がぁっ!!」
それがその部下の最後の言葉だった。
体が二つに引き裂かれ、上半身だけ床に落ちる。
「クソ!!反対派の刺客か!?いいから逃げるぞ!!取引はまた今度だ!!」
そこにいた全員は悲鳴と恐怖に襲われた。
「やっと会えた」
しかしまた一つ乱入者の声。
声はこちらも高い少女の声。
「!?」
闇を振るう聖術師の目の前にもう1人の黒い布をかぶった人物が現れる。
姿を隠したまま出てくるのはマリーだ。
2つの影は至近距離で相対する。
マリーはは闇を振るう少女の目の前に立った。
「話を聞かせてもらう。だから静かにして。サイレントコール!!」
周囲の生存者達を含む全員の視界が失われる。
音だけは響く。
鋭い金属音。
少しの暗闇の静寂の後に男達は2つの影達を見る。
「バカの一つ覚え?そんなのが2回も通じると思ってるの?」
嘲笑を含む言葉を吐くのは闇を操る影。
手には大きな鎌を持っていた。
対するマリーはナイフで大鎌の刃を防ぐ。
「貴女の聖術は大体分かった。だからもうお開き」
そういって闇の激流が出現する。
「!?」
激流がマリーニに殺到し飲み込んだ。
全てをそぎ落とす激流はマリーの体を切り刻んでいく。
その時世界は一変する。
「!?」
闇の激流は瞬時に溶けた。
「そこまでだ!!2人とも!!」
割ってはいるのはロバート。
ロバートはドローワールドを展開し、範囲内の全てを溶かす。
まずロバートが優先的にしたことは。
「そいつを放せ」
マリーに殺到する闇を溶かすこと。
溶かした闇に向かってロバートが接近する。
1つ目の影は闇を溶かされたこと影は驚いてロバートと距離を開けるように後方にジャンプ。
「ギルドまで出てきてるの?面倒ね」
「派手にやりやがって。おい大丈夫か?」
ロバートが声をかけた先にあったのはナイフを持った影。
黒い布はビリビリに破かれて、顔があらわになる。
少女だった。
金髪の髪と白い肌をした若い少女。
少女は襲われている最中に閉じていた目を開いた。
そして目を伏せた。
「もう正体がバレたか」
諦めるように少女は呟く。
ロバートはそれに対して何も言わない。
ロバートは考えていたからだ。
この少女はおそらく最初の事件のときに見た少女だ。
だが、その少女は取引をしている男に構わずそれを虐殺している影に向かっていった。
ロバートは頭を振った。
今はそんなこと考えている暇はない。
問題はどうやってこの2人を拘束しておくかだ。
すると少女は口を開く。
「私はもう逃げません。信じてとは言う資格もないですが、あっちの女に気を向けてください。来ます!!」
少女が言い終わる直後に闇の爪が来た。
闇の鋭い爪がロバートを食い殺そうと伸びてきた。
対してロバートはその爪を全て溶かす。
1つ、2つ、3つと迎撃する。
「やっかいな聖術ね。レイブン行きなさい」
黒衣の影の後ろから大量の闇がまた生まれた。
その闇は全てを食う散らかしながらロバートへ激走する。
「くっ!!」
ロバートはドローワールドに力を注ぐ。
力任せに全てを溶かす。
大方は溶かし終えたが、溶かしきれない闇がロバートの皮膚を切り裂いた。
「ぐっ!!」
そのロバートに黒衣の影が接近する。
「二兎追うものはってね。その子を助けるか、私だけに注目するかどっちかにしたら?」
影がロバートの背後で大きな鎌を振り被っていた言った。
だが、その声はロバートには届かない。
瞬間。
黒衣の影の後ろに金髪の少女が立った。
「私が奪えるのは視力だけじゃない。聴覚だって奪えるの。気付かなかったでしょ?目を奪われることばかり気にして」
黒衣の影の後ろに回りこんだ金髪の少女がナイフを背中に刺す。
そして音のない世界が終わる。
その感触に少女が驚く。
水を切ったかのような手ごたえだった。
黒衣の影は笑い声をだす。
「ふふっ。そんなの想定済みよ」
声は下から聞こえた。
今度の攻撃は下から闇の針をだし、串刺しにするものだとロバートと少女は悟った。
床を突き破って、闇の針が突き出してくる。
ロバートと少女をまとめて刺そうとしている。
少女は今ナイフを突き刺した相手が偽者だということ確信した。
黒い布はこういうときのためのものか!?
本物は声がした方にいる。
その声を聴いてロバートはやっと意識が自体に追いついた。
闇の対処をしている途中で聴覚を奪われたため、その後どうなっていたかは認識の外だった。
少女は少女でサイレントコールを使用したばかりで、疲労のため反応が遅れた。
そんな2人に闇の針が迫る。
ちょっと複雑っていうか、まぁ下手なのは勘弁してくだしあ




