表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女を殺した魔法使い  作者: 夢乃舞家


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/39

第8話 誓いの面会

面会だ、と看守が無愛想に告げた。


リゼットは顔を上げなかった。これまでも、何人かが面会を申し込んできた。教会の関係者、物見高い貴族、あるいは彼女を糾弾したいだけの者。会う気はなかったが、今回は看守が強引に立たせる。


「今日だけは、断るなよ」


そう言われて連れて行かれた面会室で、待っていたのは意外な人物だった。


「――リゼット」


その声に、リゼットは思わず顔を上げた。


「ユリアン……」


幼い頃から共に育った、たった一人の幼馴染だった。手には騎士の紋章が刻まれている。


「無事で、良かった」


ユリアンは椅子に腰を下ろすと、まっすぐにリゼットを見つめた。


「どうやら噂が広がっているんだ。お前が、聖女様を手にかけたって」


リゼットは目を伏せる。何も答えられなかった。


「でも、俺は信じない。お前がそんなことをするはずがない。何か、理由があるはずだ」


「……」


「頼む。何か言ってくれ。お前を助けたいんだ」


それでも、リゼットの唇は動かなかった。長い沈黙の後、ユリアンは静かに息を吐いた。


「分かった。無理には聞かない」


一拍置いて、彼はまっすぐにリゼットの目を見た。


「代わりに、俺が証明する。お前の無実を、絶対に」


その言葉に、リゼットの胸の奥が微かに揺れた。長く感じたことのない感情だった。


「捜査官として、正式にこの事件を担当することになった。だから――もう少しだけ、待っていてくれ」


リゼットは何も言わなかった。だが、去っていくユリアンの背中を、初めてまっすぐに見送っていた。


一人になった面会室で、リゼットは小さく呟いた。


「ごめん、ユリアン……」


その声は、誰にも届かなかった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

もし「面白かった」と思っていただけましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、とても励みになります。ブックマークや感想もお待ちしています。


それでは、また別の作品でお会いできますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ