第38話 裁定の日
数日後、リゼットは再び、あの異端審問の間に立っていた。
証言台に立つリゼットの隣には、ユリアンの姿があった。
「では、証言に基づき裁定を下す」
判事の重々しい声が、静まり返った広間に響く。
「聖女セラフィナ様の死は、魔王による支配の完成を防ぐための、彼女自身の意思による最期であったと認める。リゼット・アーレンスによる行為は、聖女の懇願に応じたものであり、殺害の罪には問わない」
どよめきが広間を満たした。
「また、事件を隠蔽し、聖剣の所在を探るために被告を利用しようとした教会上層部の一部について、追って厳正な調査を行う」
その言葉に視線を巡らせると、両脇を騎士に挟まれた席で項垂れるモーリスの姿があった。
魔王に操られていたとはいえ、お咎めなしにできるような優しい案件でもなく、リゼットを利用しようとしていた責任は問われることになった。
裁定が読み上げられ、広間がざわめきに包まれる中、リゼットはようやく、詰めていた息を吐いた。
長かった。
ずっと、この日を待っていた気がする。
隣に立つユリアンが、そっと肩に触れてきた。
「終わったな」
「うん」
短く答えると、リゼットは初めて、心の底から安堵の笑みを浮かべた。
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それでは、また別の作品でお会いできますように。




