第28話 退けた一撃
言い終わるより早く、モーリスの手から放たれた光が、リゼットとユリアンへ同時に襲いかかった。
すると、すぐに薄い光の膜が二人を包むように広がっていく。事前にかけておいた防御魔法がしっかりと効果を出していた。
「……ちっ。防御魔法をかけていたか」
モーリスの声に、初めて動揺の色が滲んだ。
「ユリアン、下がって」
リゼットは短く言うと、ユリアンの前に体を割り込ませた。
「おい、リゼット――」
「いいから!」
有無を言わせぬ声に、ユリアンは黙って後ろへ下がる。
リゼットはモーリスを見据えたまま、油断なく身構えた。
――この人が、魔王そのものなのか。それとも、ただ操られているだけなのか、見た目では判別できない。
先ほどの魔法で嫌な魔力がこの部屋に充満するほど満ちている所からして、魔王なのではという気にさせられる。しかし、保証はどこにもない。
もし本当に魔王本人なら、聖剣で終わらせることができるかもしれない。だが、もし違えば――対抗手段を失うことになってしまう。
聖剣は、一度使えば消える。失敗は許されない。もし相手を見誤れば、この国の危機となる。
軽々しく抜くわけにはいかなかった。
「あなたは、魔王……ですか?」
モーリスは口の端を吊り上げて笑っていた。
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それでは、また別の作品でお会いできますように。




