第21話 深まる信頼
「大丈夫か?」
隣を歩いていたユリアンが、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「……ちょっと、立ち眩みがして」
見上げた空は、記憶にあるよりずっと広く感じられた。
「無理もない。しばらくは外の光に慣れないだろうな」
ユリアンはそう言って、歩く速度を緩めた。
案内された先は、王都の外れにある小さな家だった。
「監督者としての住居、ということになっている。手続き上はな」
「思ったより、ちゃんとしてる」
「馬鹿にするなよ。俺なりにいろいろ考えて手配したんだ」
軽口を叩き合いながら、リゼットは扉をくぐった。質素だが、清潔に整えられた部屋だった。テーブルの上には、着替えらしき包みと、焼きたてのパンが置かれている。
「差し入れってことにしといてくれ。今の状況でパン屋には悪いが即金で支払えなくてな。何を買うにも手続きがいるんだよ。まったく面倒なことだ。」
「……ありがとう」
礼を言うと、ユリアンは照れくさそうに頭を掻いた。
「礼はいい。それより、少しは眠れよ。牢の中じゃ、ろくに眠れなかっただろう」
「うん」
短いやり取りの中に、これまで積み重ねてきた時間の分だけの温かさがあった。牢の中では気づけなかった、彼の優しさの輪郭が、こうして外に出て初めて、はっきりと見える気がした。
リゼットは椅子に腰を下ろし、ようやく人心地がついた。
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それでは、また別の作品でお会いできますように。




