第20話 釈放
「リゼット、聞いてくれ」
面会室に飛び込んでくるなり、ユリアンは息を切らしていた。
「釈放が決まった」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
「……本当に?」
「本当だ。正式な赦免じゃない。あくまで条件付きの……その、俺の監督下に置くという形での釈放だ。だが、牢を出られることに変わりはない」
ユリアンは早口でまくし立てた。
「噂のせいで、教会も王家も、この件をこれ以上長引かせたくないらしい。判決も出せない、赦免もできない、ただ投獄し続けるだけの状態が、外聞が悪いと判断したんだろう。渡りに船だと思って、俺が正式に上に掛け合った」
「……そう」
「今日中に、手続きが済む。もう少しの辛抱だ」
リゼットは、しばらく言葉が出なかった。
長かった。ここに来てから、いくつもの月日が流れた気がする。
「ありがとう、ユリアン」
ようやく絞り出した声は、自分でも驚くほど掠れていた。
ユリアンは笑って、椅子から立ち上がった。
「礼なら、外に出てから聞くよ。……準備しておいてくれ。もうすぐだ」
そう言い残し、足早に部屋を出ていった。
一人残された独房で、リゼットは自分の手のひらを見つめた。
これでようやく、外に出て動ける。
魔王を探すための本当の戦いは、まだこれからだから。
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それでは、また別の作品でお会いできますように。




