表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女を殺した魔法使い  作者: 夢乃舞家


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/39

第2話 沈黙の独房

聖女殺害から、三日が経っていた。


リゼットが入れられているのは、王城の最下層にある特別牢だった。並みの魔法使いなら魔力封じの鎖一本で十分だが、彼女には違う。壁一面に幾重にも魔法陣が刻まれ、扉には見張りが二人、常に交代で立たされている。


「本当に、大丈夫なのか。あの人が本気を出したらこの魔法陣でも耐えられないだろ」


若い見張りが、隣の同僚に小声で尋ねる。


「馬鹿、聞こえるぞ。……だが、お前の気持ちも分かる」


牢の奥、冷たい床に座ったまま、リゼットは二人のやり取りを黙って聞いていた。反論する気も、安心させてやる気もない。


差し入れられる食事には、ほとんど手をつけず、尋問官が何度訪れても、リゼットは変わらず無言を貫いていた。


「なぜ黙っている。何か理由があるはずだ」


尋問官の声には苛立ちが滲んでいた。リゼットはただ、床の一点を見つめ続ける。


セラフィナの重みが、まだ腕に残っている気がした。あの温もりは、もう二度と戻らない。


しかし、悲しみに浸っている暇はない。今の自分にできることはなんなのか。ずっとリゼットは考えていた。


何を言われても動じず、何を聞かれても話さない。リゼットがその姿勢を崩さずにいると、尋問官も諦めて帰っていった。


小さな窓から差し込むわずかな光が、牢の床に細い線を描いている。リゼットはその光をただ見つめ、日が暮れるのを待ち続けていた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

もし「面白かった」と思っていただけましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、とても励みになります。ブックマークや感想もお待ちしています。


それでは、また別の作品でお会いできますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ