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転生して35年、その日暮らしのD級冒険者やってます。  作者: さとう
第三章

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第82話

 翌日。

 覚悟の決まった二人を連れ、俺たちは冒険者ギルドへ。

 ギルド内は、大討伐に参加する冒険者が多くいた。俺は二人を連れて空いてるカウンターへ向かう。空いていたのは……おっさん受付だ。

 俺は冒険者ライセンスをカウンターへ置いて言う。


「大討伐に参加する。俺はD級、後ろの二人はF級だ」

「……参加はいいけど、強制参加じゃない場合の固定報酬は低いぞ?」

「構わない。討伐数が多ければ、ドラゴン討伐に参加できるんだよな?」

「ああ。だが……D級とF級だろう?」

「問題ない。ちなみに、確定で参加する冒険者は?」


 話を聞くと、S級冒険者が十五名、騎士団の部隊長が十二名、大討伐後に追加で参加できる冒険者は三名……合計三十名でのエンシェントドラゴン討伐になるそうだ。


「タクニキ王国郊外は、とにかく魔獣で溢れている。レートの高い魔獣を大量に狩れば、ドラゴン討伐には参加しやすくなるだろうさ」

「確かにな。うし……じゃあ、行くわ」

「おう。気をつけてな」


 アキト、ティンファもライセンスを確認してもらい、ギルドを出た。

 俺は二人に確認する。


「よし。最低限の食材を持って、狩りに出るぞ」

「「はい!!」」

「ドラゴン討伐に参加したい!! って冒険者は少ないだろうけどいる。そいつらに負けないよう、とにかく魔獣と戦って戦って戦いまくる。いいか、自分の命を最優先にだ。アキトとティンファ、お前たち二人で協力すれば、レートBくらいの魔獣なら問題ないはずだ」

「よーし!! アキト、やろうね!!」

「ああ、先生の教えを忘れないように戦おう」


 アキトは冷静に、ティンファは熱く。

 この二人、やっぱりいい組み合わせだ。


「今回、俺も戦うが……お前たちの後ろじゃなく、近くで狩る」

「え、近く?」

「まあそうだ。お前とアキトはずっと二人で戦っていたしな、俺が入るとなると呼吸が乱れる」


 あと、俺が戦ってるところあんま見せたくないってのもあるけどね。

 町を出る前、買い物をし、装備を確認して出た。

 正門前で、俺は二人に言う。


「いいか、郊外にはとにかく魔獣がいる。俺もある程度サポートするが、メインはお前たち二人だ。これまでの教えを忘れずに戦うように」

「「はい!!」」

「じゃあ……行くぞ!!」

「「はい!!」」


 さて、大討伐……魔獣狩りの始まりだ。


 ◇◇◇◇◇


「よ、っと……はいおしまい」


 アキト、ティンファから二百メートルくらい離れた平地で、俺は討伐レートBのダークラビットを瞬殺した。

 ダークラビット。虎みたいなサイズの黒いうさぎで、その見た目とは裏腹に肉食、自分よりデカい魔獣に平気で喰らい付くどう猛さ……まあ別にいいか。を、討伐した。

 俺は手早く、討伐の証である牙、ツノを回収。

 こいつの肉は臭くて食えないので放置。大討伐で魔獣も多いので、放っておけば骨になる……まあ骨を食う魔獣もいるか。

 さて、あいつらどうなったかな。


「……げ、マジか」


 アキト、ティンファが戦っていたのは、ティラノサウルスみたいな魔獣……ファングダイナソーだ。

 討伐レートはA……こんなやつですら、ガガムド山脈を追われてこんな町の近くまで来るのか。


「ティンファ」

「わかってる。目だね」

「うん。足は任せて。タイミングは」

「大丈夫」


 最低限の会話だ。

 アキトは双剣を逆手に構え、体勢を低くする。

 ティンファは槍をクルクル回転させビシッと構える。

 すごいな、恐れも驕りもない。勝てると信じてる……いや、確信している。


「行くぞ!!」


 スキル『ダッシュ』でアキトが接近。狙いは……足。


『ゴアアアアアアアア!!』


 ティラノサウルスみたいなデカくれヤバイ魔獣に突っ込むなんて、今のA級冒険者でもそうそうできることじゃない。

 しかもアキト、スキルを細かく発動させること、さらに速度を調整することで緩急をつけている。

 それでも、ファングダイナソーはアキトを丸呑みできるほど大きな口がある。

 素早く動くアキトに狙いを定め、口を開けて狙いを定め……一気に喰らい付く。


「ッ!!」

「おっ……マジか」


 アキトは剣を振り、喰らい付かれる瞬間にファングダイナソーの舌を斬った。そしてギリギリ離脱……地面を転がる。

 ファングダイナソーは、アキトがいた地面に喰らい付く。だが、次の瞬間。


「スキル、『紫電突き』!!」


 ティンファの槍が、ファングダイナソーの目に突き刺さる。そしてそのまま捻るように回し、眼球から脳に入った槍が脳を破壊……ファングダイナソーは白目をむいて倒れた。


「はぁ、はぁ……あ、危なかった」

「アキト!! 大丈夫!?」

「あ、ああ……もう少しタイミングがずれていたら、足を食われていたよ」

「もう……無茶しすぎ。もうちょい早く離脱してもよかったのに」

「いや、ボクを食べたって本当に錯覚させたかったからね。それくらいギリギリまで引きつければ、ティンファの槍に意識が向かないと思ったんだ」

「……それでも、無茶しすぎ」

「……ごめん」


 いや、魔獣を倒したのはいいんだが……なんかいい雰囲気じゃね? ここで俺が声をかけるの無粋なような、馬に蹴られるような気がした。

 だが……それはそれとして思う。


「……やっぱもう、俺はいらないな」


 戦術、チームワーク、戦闘力……もう心配はない。

 この調子で、魔獣を狩り続けるとしましょうかね。

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