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転生して35年、その日暮らしのD級冒険者やってます。  作者: さとう
第二章

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第44話

 町に到着。ギルドの馬車ということですんなり入れた。

 俺はレグナフィリアに言う。


「さて、俺はここでいいよ。町を歩きつつ、グレースの別荘に行くからさ」

「場所、わかるの? 送っていくわよ?」

「地図もあるしな。それに、ずっと馬車だったし歩きたいんだ」

「そう……じゃあ、わかったわ」


 馬車が止まる。

 俺は荷物を手に馬車から降りた。


「じゃあ。近いうちにな」

「師匠、遊びに行きますね!!」

「また会おうぜ!!」


 窓を開け、アルテミウスと昼寝から起きたエリオが身を乗り出した。

 俺は軽く手を振る。するとエルレインが別の窓を開けて言う。


「じゃあアルノー、またね。あたしたちとの時間、ちゃんと取ってよね」

「はいはい。いい酒場見つけたら一緒に行こうぜ」

「うん!!」


 馬車は走り去った。

 俺は軽く伸びをして、周囲を見渡す。


「えーと、ここは南区だっけ。グレースの別荘は西区……街はけっこうデカそうだし、町並みを見つつ行きますか」


 周囲にある建物はレンガ積みが多く、コケが生えてたり蔦で覆われている建物もある。それに横長の家もあれば、塔みたいな建物もあり見てて飽きない。

 木造りの古めかしい家もあるし、驚いたのは町中に川が流れており、渡し船みたいなのがたくさん流れていた。

 

「そういや、ここは陸路より水路のが発達してるんだっけ……って、おおお」


 橋の下を見ると、なんと居酒屋みたいなのが並んでいた。さらに屋形船みたいなのがゆっくり動いており、そのまま船の上が居酒屋っぽくなっているのも見えた。

 しかも、香ばしい匂い……これ、焼き魚だ。


「うおお、一杯やってから行こうかな……これは腹にくる」


 ていうか、今の時間はお昼を少し回ったところ。まだ昼飯を食ってない。

 飯を食いつつ、軽く飲んでから別荘へ向かおうか本気で悩んで。


「いやでも、荷物邪魔だしな……酔っ払って潰れるつもりはないけど、油断して荷物盗まれる可能性もないこともないし……うし、我慢我慢。荷物置いて、身軽にしてから散策するぞ」


 荷物盗まれるとかテンション下がるしな。

 俺は、近くにあった観光案内所に入り、町のマップを手に入れた。

 地図を見ると、実にわかりやすい。

 

「なるほど、でかい十字路がメインになってるのか」


 看板もいくつか設置されているし、迷うことはないだろう。

 細かい道もあるけど……まあこの歳で迷子もない。


「よし、さっさと荷物置きに行くか」


 俺は地図を片手に、居酒屋の誘惑に耐えながらグレースの別荘へ向かうのだった。


 ◇◇◇◇◇


 西区へ、そして地図に従ってグレースの別荘に到着した。


「おいおい……これかよ」


 驚いた。

 普通に豪邸だ。二階建て、庭付きの一軒家。正門を開け、正面玄関のドアを鍵で開ける。

 

「ほわぁ……」


 塵一つない、綺麗な玄関だった。

 広いし、何故かいい匂い……そういや管理されてるんだっけ。

 土足でいいみたいなのでそのまま家の中へ。


「すっげえ……」


 リビング、キッチン、トイレに風呂……二階は客間。ベッドメイクもされているし、クローゼットには替えのシーツや毛布なんかも入っている。

 キッチンには何もない。鍋や包丁などの調理器具はあるが、食材はゼロ……調味料すらない。まあ買いに行けばいい。

 嬉しいのは、でかい風呂があったこと。


「魔道具でお湯を出すのか。こりゃ本当にすごいな」


 ちなみにこの世界、下水や配管などの設備はしっかりしている。浄水場みたいなのもあるので、マルセリア王国の王族はもしかしたら地球からの転生者で、汚水処理しないと疫病が流行するって考えた……いや、考えすぎか。

 家の中を見て回り、俺は両手を合わせた。


「グレース、感謝するぜ。いやー、持つべきものは美女の同期だぜ!!」


 バカンスの拠点は最高だ。グレース、本当にありがとう!! 

 荷物を起き、装備を全て外し、ラフなシャツとズボンを履いてサンダルを履く。財布をポケットに突っ込み、完全な休日モードで俺は別荘を出た。


「さーて、メシ食って、ついでに軽くいっぱい引っかけますかね」


 こうして、俺のバカンスは始まった。

 いっぱい観光して、美味いメシと酒、楽しいアクティビティを満喫するぜ!!

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