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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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16/21

16.

 無事に焼きそばパンをゲットし、二人は人混みから抜け出した。

 昼休みの食堂や廊下は、腹を空かせた生徒たちでごった返している。


「ここで別れるか。俺は教室で食うよ。食堂は混んでるしな」


 奉太郎が淡々と告げ、踵を返そうとする。

 聖華は弾かれたように彼のブレザーの袖を掴んだ。


「ま、待って待って!」


 せっかく彼と合流できたのだ。

 このまま別々に昼食を摂るなど、絶対に嫌だった。


 一緒にご飯を食べたい。

 聖華の五十三万IQの頭脳が、フル回転で言い訳を弾き出し始める。

 えっとえとえとえと、と視線を彷徨わせ、ぴしゃーんと名案が閃いた。


「そうだっ!」


「急に大声を出すな。どうした」


「知り合いの子が文芸部なんだけど、そこの部室で食べさせてもらおう! あそこ、ほとんど活動してないし!」


「いや、俺は教室で」


「静かなところですよ! ちょー静かですよ!?」


 食い気味に身を乗り出し、ばるんばるんと豊かな胸を揺らして猛アピールする。

 見えない犬の耳がピンと立ち、尻尾がちぎれんばかりにパタパタと振られていた。

 奉太郎は呆れたように小さく息を吐く。


「君が十分にうるさいけど。まあ、静かならいいか」


「しゃーっ! じゃあ今すぐ連絡するね!」


 聖華はガッツポーズを決め、意気揚々とスマートフォンを取り出した。

 手早くメッセージを打ち込む聖華を見て、奉太郎がふと口を開く。


「君、友達……いや」


「ん? どうしたの?」


 何かを言いかけて途中でやめた奉太郎に、聖華は首を傾げた。

 奉太郎は少し気まずそうに視線を逸らす。

 その不自然な反応と、さっき彼が言いかけた言葉を頭の中で繋ぎ合わせ、聖華はハッと目を見開いた。


「もしかして……あたしに友達がいないと思ってた!?」


「…………言わないけど」


 無言の肯定だった。


「うーん、辛辣っ!」


 クラスの女子たちから総スカンを食らい、浮きまくっている聖華だ。

 彼がそんな風に誤解するのも無理はない。

 しかし、その嘘がつけない不器用な素直さも、聖華にとってはたまらない魅力だった。


(でも、そんな阿智くんもちょーすき!)


 聖華はぬへへへへとだらしない笑みを浮かべる。

 スマートフォンを胸に抱きしめ、喜びでクネクネと身悶えしてしまった。


「あ、連絡ついた! オッケーだって!」


 画面に届いた返信を見て、聖華はウキウキとした足取りで奉太郎の隣を歩き出す。

 大好きな彼との初めての二人きりのランチタイムに向けて、純情ギャルのテンションは最高潮に達していた。


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