工藤和彦
4人の中で伸が果敢に言葉を打った。
「お前が部屋の者達を殺したのか?」
「あぁ・・・そうだ」
工藤和彦はすんなりと伸の問いかけに答えた。
「どうしてこんなことを・・・」
「お前達は同じ部屋に住んでいる相手の事をよく知りもしないで付き合っているな」
「どういうことだ?」
「小島徹、こいつはバイト先で売り上げをくすねている。西村彰・・・女性を暴行、レイプを何度も繰り返している。そして今俺の目の前にいる女・・・立花光」
「なに!?彼女もそこにいるのか?」
「この女は学校内で同級生をイジメている」
すると伸の携帯に着信が入る。
着信にでると電話越しから立花光の叫び声が聞こえる。
伸は歯を食いしばり、目をつぶった。
しばらくすると何も聞こえなくなり、工藤和彦から話しかけてくる。
「その部屋には秘密を持った者達が集まるみたいだな」
伸の携帯から聞こえる小さな工藤和彦の言葉に4人は反応する。
「私にそんな秘密ないわよ!」
「私も・・・」
「俺も・・・」
工藤和彦は笑って言った。
「お前達はお互いの真実を隠して生きている。俺はお前たちの秘密から生まれたんだ・・・」
「これは夢か・・・」
「いいや、現実だ。お前たちみたいなゴミはこの世界で生きる資格はない・・・自分の秘密を隠すために作られた部屋と共に生きろ」
そう言うと電話プツンっと切れた。
四人はそれぞれ互いを見つめ合った。
携帯で部屋を見ると、そこには工藤和彦の姿は無かった。
「私は本当に何も悪いことはしてない!信じて!」
「今はそんなことよりもこの工藤和彦についてだ・・・」
「一体何なのよ・・・」
3人が不安の状況の中、美由紀は三人にそっと告げた。
「ねぇ・・・私の携帯・・・もう電池がないみたい」
「携帯画面の電池マークは点滅している。
「大丈夫!僕の携帯と美由紀ちゃんは同じ会社だから」とカバンから充電器を取り出した。
「管理室へ行こう!」
武藤美由紀の携帯はピッピッと音が鳴り始める。
そして美由紀の携帯画面は真っ暗になった。
美由紀はその場で泣き崩れる。
伸はしゃがみ美由紀へ言った。
「大丈夫、部屋から出ても美由紀ちゃんはまだ生きている。僕たちが美由紀ちゃんを守るから安心して!」
四人は近くにあるホテルに行き、一部屋を借りた。
田中守は大きなベッドの上に横になりながら言った。
「あ~ぁ、こういう所は彼女が出来たら来たかったのに・・・まさかこんな状況で来るとは」
伸は美由紀を椅子に座らせた。
リサは横になっている守の隣に座り、守に言った。
「ねぇ、あんたは何したの?」
「はぁ?俺は何もしてね~よ!あんたこそ何したんだよ?」
伸は壁を叩き、眼鏡を外しながら言った。
「今は言い争ってる時じゃないだろ!」
伸は疲れた目を少しでも癒すために目と目の間を指でつまんだ。




