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葉隠れの蕾  作者: ぽんこつ


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溶けだしたのは

長い……

キス。

離れそうで。

離れない。


木陰にいるはずなのに。

自分の熱さで。

溶けてしまいそう。


日置くんの息が。

顔にかかって。

私の息と混ざってる。


そっと。

消えたぬくもり。

目を開けると。


笑いながら。

私の鼻を鼻で。

ツンツンしてきて。

コツンと。

おでこに額をくっつけてきた。

近すぎて。

どこを見たらいいか。

分からなくて。

「葉月さん、大好きだよ」

言葉の息が。

あったかい。

日置くんの腕を掴んだ手に。

力が入る。

「……うん」


そっと。

おでこが離れる。


「僕ね。葉月さんに一目惚れしたんだ」

はぁ……

もう。

分かったよ……

あっ。

日置くんの。

大きな手が。

私の頭と髪を撫でる。

「ショートヘアもすごく似合う。二目惚れ、違うな、惚れ直した。かな」

ダメだ。

もう。

ヤバイ。

おかしくなっちゃう。


私は立てていた膝を寝かせて。

お尻を浮かせて。

日置くんに抱きついた。

呼吸が整わない。

ぎゅっと。

しがみついた。


何か言いたいのに。

声にならなくて。

日置くんの手が腰に回って。

さらに密着して。

二人の鼓動が。

激しく混ざってる。

「いつも、そばにいられないけど、毎日メッセージするから」

うなずく私。

「一週間に一回は電話で話そ」

うなずく私。

「オンライン通話もしたいね。お互いの顔見れる」

うんうん。

「一つだけ約束して欲しい。嘘。つかないようにしようねお互いに」

うん。

「だから、もし、葉月さんに好きな人が出来たとか、僕のこと嫌いになった……」

私は首を振る。

「ちゃんと聞いて」

「やだ!」

私は唇を日置くんの口に押し当てた。

聞きたくない。

そんなことは。

起きないもん。

嘘つかないもん。


日置くんの唇が。

私の唇に。

色んな方向から。

吸い付いてくる。

息が荒くなる。


キスしながら。

ゆっくりと。

シートの上に寝かされる。

そこで。

キスが終わって。

「大事なことだから、聞いて欲しかったのに」

ゆっくりと首を振る私。

「す、好きな人は、日置くん……だから」

覆い被さる。

日置くんの顔が。

みるみる綻んで。

笑顔になる。

「好きだよ。葉月さん」

「うん。私も……好きだよ、日置くん」


唇に降ってきたぬくもりに。

目を閉じる。

ピリッと。

何かが。

全身を駆け回る。

チュッ。

チュッ。

と。

音を立てながら。

私の唇に。

好きが。

刻まれていく。


体は熱くなる一方で。

顔からは火が出そう。

両手の力は抜けて。

足はすりあわせっぱなし。


心は溶けかかってる。


キスしたまま。

日置くんの。

指先が。

頬から。

首筋に。

触れるか。

触れないか。

そっと。

撫でてくと。


ぞくぞくが。

体を包んで。


鎖骨に触れられて。

ビクッとして。


日置くんの手が。

水着越しに。

私の小さな胸を包んで。

あっ……

何かが。

やって来て。


思わず日置くんに。

抱きついた。


「怖い……」

「僕としたことが……ごめんね。いきすぎた。本当にごめん」

首を振る私。

「ううん。私が変になっちゃいそうで……怖かったの。日置くんが嫌じゃないんだよ」

「葉月さん……」

日置くんの手に力が入って、私を優しく、強く抱きしめ返してくれた。

「葉月さん、あったかくて、柔らかいんだよ」

「日置くんもあったかいよ。筋肉なの硬いけど」

日置くんの瞳を。

つぶさに見る。

揺れながら見つめ返している瞳の中に。

私が映っていた。


クスッと。

笑うと。

日置くんも肩を揺すって笑い出した。

するりと抜けた。

生ぬるい風が。

木漏れ日をまき散らして。

光を瞬かせていく。

私は日置くんの手を取って。

私の胸に添えた。

え?

っていう顔をした日置くん。

「ドキドキしてるんだよ。私も。日置くんに会った時からずっと」

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

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