ご褒美
今日の給食は。
私の大好きなカレーライスとコーンスープ。
デザートはフルーツポンチ。
それと牛乳。
給食当番の私。
西郷くんと外村くんに。
ほんの気持ち。
カレーのルーを多くあげる。
その分、私を犠牲にして。
あまり好きじゃない体育の授業が。
外村くんのお陰で楽しかったから。
今じゃ次の体育の時間が楽しみになってる。
けど。
それは。
ゴールデンウィーク明け。
体育祭は五月二十日の日曜日。
本番さえも楽しみなんだ。
一生懸命走ったからか。
ペコペコなお腹は。
グー、グーと悲鳴をあげてる。
カレーのいい匂い。
私は手を合わせて。
「いただきます」
スプーンを手に取った。
カレーを一口。
うーん。
「おいしい」
肩をすくめて。
ほっぺが落ちる。
次々と口に運ぶ。
好きなものを食べてる。
この時間が幸せ。
体育の授業みたいに。
あっという間に食べちゃった。
最後に牛乳を飲んで。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
ん?
だぶった二人分の声。
外村くんの声につられて。
投げかけた視線。
こっちを見る外村くん。
「北見さんって、美味しそうにごはん食べるね」
「うぇっ。そ、そう。かな」
言われたことないから。
あたふたする。
食べてるとこ見られてたんだ。
ちくちくして。
むずむずして。
私はトレーを片付けようと立ち上がる。
「あ、俺が持ってくよ」
「ん? いいよ」
「カレーのルーのお礼に」
「え? 気づいたの?」
外村くんは笑って。
私のトレーを持っていってくれた。
私は席に腰かける。
今まであんまり喋ったことなかったけど。
外村くん優しいんだな。
両手で頬杖をついて。
何気なく外村くんの姿を追いかけていた。
背は洋ちゃんと同じくらい。
髪型は外村くんは刈り上げた短髪。
そっか。
外村くんも洋ちゃんと同じサッカー部。
あっ。
振り向いた外村くんと目が合った。
ピクッと瞼が震えたら。
しゅっと背筋が伸びていた。
外村くんはニコニコ席に戻って来た。
「どうしたの?」
「あ、うん、ありがとう」
「いいよ。お礼なんて。お互い様だから」
小さくうなずいた私。
「あのさ、良かったら放課後、二人三脚の練習しない?」
「え?」
「ほら、ゴールデンウィーク入っちゃうし、ああでも無理ならいいんだ」
どうしよう。
でも。
楽しかったし。
「うん。いいよ」
「ほんとに?」
ばっと。
顔を突き出した外村くん。
ちょっぴりおかしくて。
「うん。どこでするの?」
「潮騒公園でどうかな。コンビニでおやつ買ってかない?」
「あ! いいかも。私チョコとポテト買う」
「いいね。おすすめのパンがあるんだ」
「うわ。楽しみ」
両手を頬にそえて微笑む私。
目を見開いて見ていた外村くん。
「ん? どしたの?」
「あっ、いや……」
顔の前で手を振って。
視線を逸らした外村くん。
私が身を乗り出して。
覗き込むと。
首の後ろに手をやって。
苦笑いしていた。
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