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葉隠れの蕾  作者: ぽんこつ


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いつもと同じで。いつもと違う。

久々の学校。

今は昼休み。

なんかまだ。

頭も心もおやすみ気分。

お昼を食べたせいか。

なんか眠い。

机に突っ伏して。

ぼんやりと。

水色の空を眺めている。

沢山の雲が。

ゆったりと形を変えながら。

西から東へと流れている。


今日は。

洋ちゃんと。

一緒に登校していない。

洋ちゃんの部活の朝練が理由。

今まで滅多になかった。

一人での登校。

厳密には。

小学生の子達がいるんだけど。

いつも。

一緒に座っている。

バスの座席が広く見えて。

バスに乗ってる時間も。

とても長く感じた。

でも。

西郷くんや。

みーちゃんとは。

いつも通りだったんだけど。


それと。

午前中の中休み。

みーちゃんに付き合ってもらって。

ダンス部の顧問の先生に。

入部届けを出してきた。

これで晴れて私も部員になった。

だけど。

驚いたことに。

ダンス部の部員。

3年生で部長の火上沙雪ひかみ さゆき先輩。

同じ3年生の井坂由奈先輩の二人。

2年生はいなくて。

1年生は私とみーちゃんだけ。

みーちゃんが言うには。

「ダンスは嫌いじゃないですけど。実質帰宅部のようだから入ったんです」

「でも、はーちゃんと話をして頑張ろうって想ってますよ」

「部室はないし、特に練習をしたりもないみたいですから。自由に活動できますね」

「顧問の先生も、他の部活とかけもちみたいですから」

「でも、先輩方は上手ですよダンス」

確か。

こんな感じだったと思う。

それで。

早速。

今日の放課後。

みーちゃんとダンスの練習をする。

週末の動画投稿まで。

あと4日。

ダンスのことを考えてると。

体がむずむずして。

心もうきうきしてくる。


「あっ、北見さん。ちょっといいかな?」

隣の席のから飛んできた。

外村くんの声に。

ムクッと。

体を起こす。

「ん? なあに? 外村くん」

「あ、あの髪切ったんだね」

「うん」

そっと髪を撫でる。

「あ、あれだね、似合ってるね」

「そう? ありがとう」

「でも、びっくりした。なんか、そのあったの?」

「なんかって、なに?」

「あ、いや、えーと……」

「ん? 私ねダンス部に入るから、友達のみーちゃん。瑞葉ちゃんと一緒に髪切ったんだ」

「ダンス部に?」

「うん」

「どうして?」

「ん? えーとね。将来、神舞かまいを踊りたいんだ。それから、瑞葉ちゃんが一緒にダンスやろうって、それに褒めてくれたんだ、か……」

「どうしたの?」

「ううん。何でもない」

そっと。

毛先をつまんだ。

なんでか。

想い出しちゃって。

日置くんが。

褒めてくれたことを。

「褒められるくらいだから、上手なんだね」

「え、まだまだだよ。でも、頑張りたいんだ」

「そっか……あのさ、三並と何かあったの?」

「ん? 何かって?」

「え、あ、いや……」

首の後ろをさすりながら。

首をひねる外村くん。

「ん?」

「いや、そうだ。僕も北見さんのダンス見たいな」

「あっ。それならね。まだ、秘密なんだけど、瑞葉ちゃんと一緒にYouTubeにダンスの動画あげるんだ」

「え……!? すごいね」

「へへ。まだ、誰にも言わないでね」

首をかしげる私を見て。

ポカーンと。

口を開けたままの外村くん。

「あ、ああ、うん。楽しみだな、動画あげたら教えてくれる?」

「もちろん」

「そうそう、北見さん。『渦潮』のカーヤちゃん。ガチャで出たんだよ」

「うわっ! 良かったね!」

外村くんはスマホの画面を見せてきた。

「しばらく、部活が忙しくなるから、あまり出来ないけど。カーヤちゃんの育成は頑張っとく」

「そっか。部活もゲームも頑張り屋さんだね」

「そうかな。そうだ、午後から体育もあるし、二人三脚も頑張ろうね」

「うん!」

私の声に。

外村くんは。

にこっと笑って。

白い歯を見せていた。

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

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