一緒なら
何回か神舞を踊って。
一番上手く舞えた動画を。
送ってもらった。
みーちゃんの隣に。
ぺたんと座って。
動画を見返してみる。
ほぼ。
初めてに近い踊りにしては。
まあまあかな。
洋ちゃんに。
メッセージ送りたいけど。
もう22時を回っていたから。
明日送ることにした。
「はぁ、汗かいちゃった」
パタパタと。
パジャマの襟元に空気を送り込む。
「はーちゃん。三並くんの言う通り、運動苦手だと思い込んでるだけかもしれませんよぉ」
「そう? なのかな?」
「かなり様になってました」
「へへ。ありがとう」
外村くんと。
二人三脚した時もそうだけど。
神舞を踊ってかいた汗は。
どこか気持ちいい。
「はーちゃん。あのですね」
「なあに、みーちゃん」
「私、髪を切ろうと思ってるんです」
「え? そうなの?」
みーちゃんは。
肩まである髪の毛先を。
指に巻きつけた。
「ダンス部だからショートにしようかなって」
「え? ダンス部って、髪短い方がいいの?」
「そういう訳じゃないですよ。先輩方、長いままの人もいますし」
「じゃあ、どうして?」
「めんどくさいじゃないですか。結んだり、まとめたりするの」
「ふーん。じゃあ私も切ろうかな」
「え? はーちゃん、すごく似合ってますよ、今の長さ」
「ありがとう。でも私、ずっとこの長さだし、みーちゃんと一緒なら短いのもいいかな」
「本当ですか? はーちゃんもしてくれたら嬉しいですけど」
「みーちゃん、どのくらいにするの?」
ほっぺを上げて。
肩をすくめたみーちゃん。
「私はですね……」
ぱぱっと。
スマホを操作して。
くいっと。
腕を伸ばして。
画面を見せてきた。
「こんな感じにしたいなって」
うわ。
マッシュウルフ。
「絶対かわいい! みーちゃん似合うよ!」
「ありがとう。はーちゃんはどうしますか?」
「えー。そうだな」
ショートヘア。
かわいい。
で、検索してみる。
画面をスクロールして……
あっ。
こんな感じがいいかな。
首をかしげて。
みーちゃんに画面を見せる。
「え? ショートボブ? 思い切りますね。でも、はーちゃん。それいいです。めっちゃくちゃ、かわいい感じになると思う」
「そうかな」
私は体をひねって。
後ろにある立ち鏡に向かって。
両手で後ろ髪を。
きゅっと持ち上げて。
短くなった感じをイメージしてみる。
顔がすっきりして見える。
気がする。
「フフフ。そうしたら、明日切りませんか?」
「明日!?」
急展開に。
くるりと向き直る。
「はい。思い立ったが吉日って。おばあちゃんが言ってましたから」
「でもさ、美容院。予約してないよ」
「そこは、大丈夫ですよ。今から西郷くんにお願いしてみましょう」
「そっか。そうだね」
「じゃあ、私がメッセージ送りますね」
西郷くんの家は。
美容院!
上手に髪を編めるようになったけど。
ダンス部に入ると決めたこと。
将来、神舞を踊るという目標。
そして。
洋ちゃんを。
驚かしたくて。
ふふふ。
どんなリアクションするのかな。
洋ちゃん。
スマホの画面に映る。
ショートボブのお姉さんみたいに。
素敵になれるかな。
お読み下さりありがとうございます。
感謝しております。




