分からないけど
うう。
サッカー部のマネージャーは。
無理かな。
洋ちゃんとも。
一緒にいれるけど。
サッカー詳しくないし。
それに。
ダンス部で頑張りたい。
「みーちゃん、どうしよう。でも、試合観戦は、洋ちゃんも外村くんもサッカー部だし、大丈夫か」
「ふーん」
みーちゃんは。
ほっぺに人差し指を。
つんつんと当てて。
首を左右に倒している。
「ん? なに、みーちゃん?」
「えーとですねぇ。たぶん断った方がいいかな」
「え? どして?」
「出来れば、三並くんの方にも断りを入れた方がいいですよ」
「えー!? なんで?」
「はーちゃん」
みーちゃんは。
すっと。
背筋を伸ばした。
「なあに?」
「あまり、とやかく言うことじゃないんですけど」
「うん」
「私は今のままの、はーちゃんのこと大好きですよ」
私の手の上に。
みーちゃんの柔らかい手が重なる。
「ん?」
みーちゃんは。
首をかしげて。
にこりと笑う。
「島に引っ越して来て、はーちゃんが声かけてくれて。はーちゃんとも友達になれましたし、三並くんや西郷くんとも仲良くしてもらってます」
「うん」
「だから、はーちゃんらしさを失くしてほしくないですし、難しいところなんですけど……」
「うん」
みーちゃんは。
少し顔を近づける。
「はーちゃんは、女の子です」
「ふふふ。なあに? 当たり前でしょ?」
「三並くんや外村くんは男の子です」
「うん。それも当たり前でしょ?」
みーちゃんはにこりと笑う。
「ですよね。そこがはーちゃんの素敵な部分ですものね」
すーっと。
息を吸ったみーちゃん。
「ん?」
「はーちゃん、ごめんね。ただ、試合観戦の件は、二人に断った方がいいと思います。はーちゃんのためにも三並くんのためにも」
「ん? どうしてみーちゃんが謝るの? 分かったけど。理由を教えてよ」
「うーん。そうですねぇ。はーちゃん自身が気づくのが一番なんですよ」
重ねた私の手を。
ぎゅっと握りしめたみーちゃん。
「?」
「そうだ。これから神舞踊ってみませんか?」
「え?」
「私が動画撮ってあげますから。三並くんに送ってあげましょう。応援に行けない代わりに」
「え? ああ、うん。いいけど……じゃあ、とりあえず外村くんに断っとく」
「そうですね。それがいいと思いますよ」
微笑むみーちゃん。
意味が分からないけど。
とっても。
私のことを。
気にかけてくれてるのは分かる。
私は外村くんに。
手早くメッセージを打ち込む。
「ごめんね、試合の件だけど、用があって無理だと思う」
「それから、マネージャーもダンス部に入るから。ごめんね」
よし。
「送りましたか?」
つまんだクッキーを。
ぱくりと食べるみーちゃん。
「うん」
私もクッキーをもぐもぐ。
「じゃあ。食べ終わったら、神舞撮影会しましょうね」
「うん。ちょっと練習して一番上手く出来たの送りたい」
「フフフ。分かりました」
みーちゃんは。
肩を揺すって笑い出す。
「どしたの?」
「はーちゃん。さっきと打って変わって。元気だなって」
「ん? 元気だよずっと」
「はーちゃんの元気の源ってなんですかね?」
「んん?」
みーちゃんは。
首をかしげる私を。
横目で見ながら。
ごくごくと。
コップのオレンジジュースを飲み干した。
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