表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
葉隠れの蕾  作者: ぽんこつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/7

友達

ブルルル……

バスはエンジンを引き連れトンネルを抜けた。

畑の中を真っ直ぐ伸びる。

緩やかな坂道を下っていく。

「次は内海中学校、小学校前……」

車内にアナウンスが響いて。

洋ちゃんの手が離れていく。

ちぇっ。

住宅街に差し掛かり。

車も増えてきた。

バスがゆっくりと止まって。

立ち上がる。

小学生のみんなが運転手さんに、

「ありがとうございました」

と、元気な声を出す。

私たちもお礼を言って。

バスを降りた。


バス停から内海中学校までは歩いて5分くらい。

もう、手はつなげないの。

口を尖らせて。

洋ちゃんの隣をとぼとぼと歩く。

「おはよ! 三並に北見」

「ふわー、おはよう」

「おはよう西郷くん」

西郷くんは内海町に住んでいる。

私と洋ちゃんの大事な友達。

理由はね。

どうしてもその育った地域でグループができちゃうんだ。

内海町や瀬田町は人がたくさん住んでるから。

私たちのように小さな町の子はあぶれちゃうんだけど。

西郷くんは、小学校一年生の時。

そんな私たちに声をかけてくれて。

最初に仲良くなったんだ。

西郷くんのおかげで。

クラスのみんなとも打ち解けられた。

少し太り気味だけど、不思議な安心感がある。


私と洋ちゃん、西郷くんに、東園瑞葉とうぞの みずはちゃんの四人でよく遊んでいる。

瑞葉ちゃんも内海町の子なんだけど。

小学校四年生の時に夕凪島に引っ越して来たの。

一人ぼっちだったから、私が声をかけたんだ。

そしたら、ゲームとか趣味があって。

私にとって親友と呼べる存在。

ちなみに。

私の十倍かわいいんだ。

「昨日、惜しかったな、ボス倒せそうだったのに」

「え? 西郷くんとゲームしてたの?」

私は洋ちゃんの制服の袖を引っ張る。

「まあな」

「なんで、誘ってくれないの?」

「だから、今度なって言ったろ」

そんな私たちのやり取りをニヤニヤしながら見ている西郷くん。

「絶対に、絶対だよ。西郷くんも教えてよ」

「え? 俺?」

自分を指差して。

あたふたする西郷くん。

とんとんとん……

軽やかな靴音が近づいて。

「皆さんおはよう」

少し鼻にかかった声の瑞葉ちゃん。

「ふわー、おはよ」

「おはよう東園」

「おはようみーちゃん」

「おはようはーちゃん」

瑞葉ちゃんは私の腕をつんつんと指でつつく。

「今日は髪型気合い入ってるけどぉ」

「へへ。そう? みーちゃんもしてみたら? 絶対かわいいから」

「私? めんどくさいからぁ、いいかな」

「私がしてあげようか?」

「いいよぉ、はーちゃんと違って見せたい人がいるわけでもないし」

はーちゃんは、耳元で囁いて。

ちらりと洋ちゃんを見た。

「三並くん。かっこいいからねぇ」

「そう?」

「ふーん。まぁ、幼馴染みって厄介なのかもねぇ」

「ん? なにが?」

「ふふふ。はーちゃんって、夢見る少女みたいだねぇ」

ん?

立ち止まって。

腕を組む。

夢見る少女ってなんだろ?

「おい、なにやってんだよ」

洋ちゃんの声に呼び戻されて。

みんなの元に駆け寄った。

校舎の裏山が陽射しを浴びて。

気持ち良さそうに揺れていた。

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ