やって来たのは
お風呂に入って。
さっぱりして。
ベッドの上でゴロゴロしている。
なんか疲れたのか。
どこか煮えきれない気持ちがずっとある。
原因は洋ちゃん。
バスを降りてからの帰り道。
洋ちゃんは。
手はつないでくれたけど。
何を聞いても。
話しても。
返事はどこか上の空だった。
結局。
用事はなんだったか。
教えてくれないし。
愛犬の柴犬のノンちゃんは。
そんな私の気分を察してか。
家に帰ってから。
ずっと私のそばにまとわりついている。
ノンちゃんの背中を撫でながら。
洋ちゃんにメッセージを送る。
「ねえねえ、これからゲームしよ」
スマホを脇に置いて。
ノンちゃんとじゃれ合う。
ピコン。
ん!?
私が飛び起きると。
ノンちゃんも。
しゅっと立ち上がる。
洋ちゃんにしては早い返信。
スマホを手に取ると。
あっ……
外村くんだ。
『こんばんは、初メッセージ。今日は、楽しかったありがとう』
「こちらこそ。楽しかったよ」
『さっきね「渦潮」ダウンロードしたんだ』
「そうなんだ。すぐにマルチは出来ないと思うけど。出来るようになったら一緒に遊ぼう!」
『うん。その時はよろしく! なんかキャラがいっぱいいてどれがいいんだろ?』
「うーん。私は強いキャラより自分が好きなキャラを使ってるんだ。月の女神カーヤちゃんが推しだよ」
『青髪の子だよね? 確かにかわいいね。北見さんに似てるかも』
ええ!?
そうかな?
カーヤちゃんに似てる?
私が?
二重で。
目がくりっとしてて。
高めのツインテール。
その毛先がくるくるに巻かれてて。
スタイルも抜群。
全然カーヤちゃんのがかわいい。
あっ。
閃いて。
一人で画面に向かってにやける。
「うそだ。カーヤちゃんのがかわいい。外村くん、海賊王のキャプテンアザムンに似てる。私の次の推し」
うん。
こっちの方が似てる。
『それって短髪だからじゃない? そんなにかっこよくないし』
「似てるよー! 外村くん、赤髪にしたらそっくりだよ。それに、やさしいとこも似てるかも」
『そうかな? じゃあ髪染めてみようか』
「見てみたーい! でも、先生に怒られるからダメだよ」
『しないしない。じゃあアザムンとカーヤ使ってみようかな』
「うんうん。初心者にも使いやすいと思うよ」
『なるほどね……』
なんだかんだ。
気づいたら一時間が過ぎていた。
『ごめんね、遅くまで。時間経つの早かった』
「ううん。全然大丈夫。早くレベル上げてマルチやろうね」
『うん。頑張るよ。じゃあおやすみ』
「おやすみなさい」
スマホを置いて。
「んー!」
両手を挙げて。
伸びをした。
あれ?
いつのまにか。
ノンちゃんはいなくなっていた。
「ふわー」
あくびが出て。
目をこする。
洋ちゃんからの返信もないし。
もう、今日は寝ようかな……
お読み下さりありがとうございます。
感謝しております。




