第9話:唇を噛んで耐える。屈辱は快感に、快感は才能に
九条エリカの嘲笑によって、かつてないほど精神的に追い詰められた凛華。
彼女が阿久津君に求めたのは、プライドを完全に踏みにじるほどの、過酷なまでの「共鳴」でした。
音楽室の重い扉を閉めた瞬間、凛華は阿久津の胸に縋り付いた。
その指先は目に見えて震え、呼吸は浅く乱れている。先ほどまでの女王の面影はどこにもない。
「阿久津君……お願い、今すぐ私を……私を立て直して。あの女に……九条エリカに、あんな風に言われて……っ!」
屈辱に顔を歪ませ、凛華は阿久津の手を自分の胸元へと導いた。
薄いブラウス越しに、激しく高鳴る心臓の鼓動が伝わってくる。阿久津の指先が触れるたび、彼女の身体はビクンと小さく跳ねた。
「……いいわよ、もう。あなたが私を見て、何を想像しても、何をしても。今の私は……あなたの『興奮』を流し込まれないと、指一本動かせないんだから」
彼女は唇を強く噛み締め、溢れそうになる声を必死に耐えた。
だが、阿久津の脳内に「高嶺の花である彼女を屈服させている」という背徳的な充足感が芽生えた瞬間、共鳴パスを通じて莫大な魔力が凛華の深部を貫いた。
「っ、ぁああ……っ! あ、ついの……中が、あなたの熱で……いっぱいに、なる……っ!」
耐えきれず、凛華の喉から悦びに満ちた悲鳴が漏れる。
屈辱を感じれば感じるほど、身体に流れ込む魔力はより濃厚に、より鋭利になっていく。彼女の瞳は次第に焦点を失い、恍惚とした光を帯びていった。
「見て……阿久津君。私……あなたの力で、こんなに……っ」
凛華の指先が、鍵盤を撫でる。
先ほどまでの震えは嘘のように消え、そこには暴力的なまでの覇気が宿っていた。
屈辱を快感へ。快感を才能へと変換する、禁断の錬金術。
凛華は自ら望んで、阿久津の情動という名の檻に、深く、深く閉じ込められていく。
最後までありがとうございました。
屈辱に耐えながらも、そこから得られる力に依存していく凛華。
彼女にとって、阿久津君という存在はすでに、切っても切り離せない「生命線」となっています。
続きを期待してくださる方は、ぜひ評価やブックマークをお願いします!




