第82話:一ノ瀬の再臨。今度は「四人同時」に奪いに来る
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二人の、そして四人の甘美な時間は、一ノ瀬の再臨によって無慈悲に引き裂かれます。
「管理」という名の下に行われる、最愛の彼女たちとの強制的な別離。その絶望の幕開けをご覧ください。
保健室に満ちていた、聖奈先生との濃厚な残熱。それが一瞬にして氷点下まで凍りついた。
無造作に開け放たれた扉の向こうに立っていたのは、特待生筆頭・一ノ瀬と、武装した学園監査局の集団だった。
「……また君か。阿久津。よほど自分の身の程を知らないと見える」
一ノ瀬の冷徹な声が、密室の静寂を切り裂く。
その背後には、異変を察知して駆けつけた凛華、結衣、志乃の三人が、監査局の隊員たちによって強引に拘束されていた。
「阿久津君! 逃げて、こいつら……っ!」
「離しなさい! 私は、彼がいないと……っ!」
凛華の氷が、結衣の熱量が、特殊な魔力中和装置によって無力化され、彼女たちは無様に膝をつかされている。阿久津という「供給源」を断たれたことによる禁断症状が、彼女たちの顔を苦痛に歪ませていた。
「阿久津。君一人の『歪んだ情動』によって、学園の最高戦力が四人も汚染されている事実は、もはや見過ごせないレベルに達した」
一ノ瀬が一歩踏み込む。彼の背後から、魔力を強制的に剥奪する巨大な術式が展開され、保健室を包囲していく。
「凛華も、結衣も、志乃も。そして――聖母を演じていた高橋先生。君たち全員、今日この瞬間をもって『再教育施設』へ移送する。阿久津という毒を完全に抜き、正しい管理下に置くためにね」
その言葉は、四人のヒロインにとって死刑宣告に等しかった。
阿久津に依存し、彼の熱でしか存在意義を保てない彼女たちから、彼を奪う。それは彼女たちの魂を根底から破壊する行為に他ならない。
「……拒否は認めない。阿久津。君は、自分の愛欲が彼女たちをどれほど醜い依存体に作り替えたか、その目でしっかり焼き付けるがいい」
四人のヒロインが同時に引き離されようとする、かつてない絶望の瞬間。
阿久津の内に溜まった激しい怒りと、彼女たちを救いたいという猛烈な支配欲が、臨界点を突破して逆流し始めた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
四人のヒロイン全員が同時に狙われるという、最大の危機。
阿久津君への依存を「汚染」と断じる一ノ瀬に対し、今の彼に何ができるのか。
四つ巴の絆が試される第3章の佳境、ぜひご期待ください!




