第26話:コンクール当日。かつてない重圧と興奮
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一度は恥辱に沈んだ凛華が、阿久津君を連れて再び戦いの場へと戻ります。
「依存」を「誇り」に変えた、彼女の再起の姿をご覧ください。
学園選抜コンクール、後半戦。
醜態を晒し、一度は逃げ出した佐藤凛華が再び講堂の扉を蹴り開けた時、会場は怒号に近いざわめきに包まれた。
「……な、何をしに戻ってきたのよ! 佐藤さん!」
舞台袖で勝ち誇っていた九条エリカが、驚愕に顔を歪める。
だが、凛華は彼女を視界に入れることすらしない。その隣には、しっかりと手を繋いだ阿久津が並んでいたからだ。
「阿久津君……いいわね? 私を、しっかり見ていて」
「ああ。全部出し切ってこい、凛華」
名前を呼ばれ、阿久津の温かな魔力が指先から流れ込む。
一ノ瀬の妨害も、観客の嘲笑も、今の彼女にとってはただの「スパイス」に過ぎない。
阿久津を一度失い、そして奪還したことで得た狂おしいほどの『興奮』。それが今、かつてない重圧を最高の『快楽』へと変換していた。
凛華は、汚れたドレスのまま、堂々とピアノの前に座った。
阿久津が舞台袖に立ち、彼女へと真っ直ぐに意識を向ける。その瞬間、共鳴パスを通じて、これまでで最も鋭く、最も重厚な「独占の意志」が凛華の脳髄を貫いた。
「っ、ぁ……! きた……っ、これよ……っ!!」
背中を駆け抜ける凄絶な戦慄。
阿久津の情動が流れ込むたびに、彼女の魔力回路は悲鳴を上げながらも、黄金色の輝きを放って拡張されていく。
会場全体が、彼女の放つ圧倒的な「圧」に圧し潰され、一瞬にして静まり返った。
(見てなさい。阿久津君が愛した私の音を。あなたたち凡俗の耳に、刻み込んであげるわ……っ)
凛華が鍵盤に指を沈める。
それは、失墜した女王が再び王座へと駆け上がるための、宣戦布告の音だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
阿久津君という唯一無二の供給源を取り戻し、凛華の才能は今、真の覚醒を迎えようとしています。
会場を沈黙させるほどの彼女の旋律……その爆発的なカタルシスに、ぜひご期待ください。




