第22話:隔離された阿久津。震えが止まらない指先
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阿久津君を奪われ、全てを失った凛華。
「供給」を断たれた彼女が直面する、凄絶な禁断症状と絶望をご覧ください。
阿久津が『特別管理対象』として連れ去られてから、三日が過ぎた。
凛華は無機質な練習室の隅で、死人のような顔をして自身の指先を見つめていた。
「……っ、ああ……っ」
鍵盤に触れようとするだけで、指先が激しく痙攣する。
阿久津という供給源を断たれた彼女の魔力回路は、干上がった大地のようにひび割れ、鋭い痛みを全身に撒き散らしていた。
だが、肉体の痛み以上に彼女を追い詰めているのは、共鳴パスの向こう側から伝わってくる、阿久津の『断絶』だった。
「どこなの……阿久津君。私を、置いていかないで……っ!」
彼女は狂ったように何度もメッセージを送るが、返信はない。
阿久津の感情が流れ込んでこない世界。それは、色彩を失った地獄と同じだった。
彼の温もり、彼の興奮、彼の優しい眼差し――そのすべてが、彼女の才能と精神を形作る「パーツ」になっていたのだ。
凛華は震える手で、自身の首筋を強く掻きむしった。
阿久津がいつも触れていた場所。そこが今、焼けるように熱く、そして絶望的に冷たい。
「あ、あああああ……っ!!」
感情のダムが決壊し、凛華はピアノの下で丸まり、激しい嗚咽を漏らした。
学園の女王としてのプライドも、氷の女王としての威厳も、もうどこにもない。
阿久津がいなければ、自分は一音すら奏でられない無能な抜け殻。
その事実を突きつけられた彼女の魔力は、自身の肉体を内側から削る毒となって暴走を始めていた。
視界が涙で歪む中、彼女の脳裏に浮かぶのは、自分を管理しようとする一ノ瀬の冷笑だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
阿久津君がいないだけで、凛華の世界はここまで崩れてしまう。
絆の深さが、そのまま「依存」の深さとなって彼女を苛みます。
この窮地、凛華はどう動くのか……続きが気になる方はぜひ評価やブックマークをお願いします!




