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第3節 怪しすぎるテンプレ展開 2

だらだら書いてしまうと微妙に長引いてしまいそうだったので、簡潔になるようにまとめましたが....

ジーナに誘導されるがまま建物の外に出たクラスメイトたちは、目の前にあるテレビなどしか見たことのないような立派なお城に目を見開いていた。


「鎧といい、お城といいこの世界の年代は現世で言う中世ヨーロッパなのかな?」


時矢はお城を見るや否やそう呟いた。


「確かにね。ただそれだとあんな大規模な転移魔方陣が何故使えるのかが疑問になるのよね。」


時矢の呟きに愛花が答えるようにいった。


現世での中世ヨーロッパあたりの時代にももちろん魔術は存在したがその頃の魔術は現在確立されている魔術よりは大雑把で細かいことはできなかったはずだ。


だがこの世界はちがった。


確かに、建設技術や鎧の技術は中世ヨーロッパあたりの時代レベルのものだが、魔術に関しては別だった。

外に出るまでに通ってきた扉は魔術で自動開閉する扉だったと明らかに現世との違いが垣間見えた。


「その問題を異世界だから、と片付けたとしてもあの扉に使われていた術式ってなんか雑じゃ無かったか?」


武政は2人の会話を聞いて思い出したのか先ほどの扉の術式について触れてきた。


「うん。自動開閉の扉を作るにしては術式が雑だった。別にあれくらいならルーン魔術レベルの魔術で大丈夫だと思う。」


武政の疑問に時矢はそう答えた。


ルーン魔術とは、特殊な文字を魔力を込めることで様々な力を引き出すことのできる魔術だ。

必要な魔力が少ないため使い勝手が良く、魔道具に付与するのも簡単なため時矢が得意とする魔術の一つである。


「まぁなんにせよ情報が少なすぎて考察しかできないわね。ほら、話しているうちに着いた見たいよ。」


愛花がそう言うと時矢は視線を前に戻した。


「ここが王城への入り口になる正門です。ここからさらに皆さんには謁見の間へと向かって頂きます。そこでこの国の王から説明があると思います。」


全員に聞こえるようにジーナは告げると正門にいた兵士に向かって合図を送った。


すると、正門がゴゴゴ!と音を立てて開き始めた。


魔術を知らないクラスメイトたちは目を見開いてその様子を凝視していたが、魔術師組の4人はそこまで驚かなかった。


正門を通過すると王城の建物の中へと入っていった。

どうやら王城の中は様々な結界が張り巡らされているらしくそこらじゅうから魔力の反応がした。


ジーナに誘導されて進むと豪勢て大きな扉の前で止まった。


「陛下、異世界の勇者様がたをお連れしました。」


ジーナがそう言うと扉は開き始めた。



扉が開ききると、時矢にとっては大方予想できていた光景が広がっていた。


一番奥に玉座と思われる装飾された豪華ないす。

それの両サイドには兵士や貴族のような格好をした人たちの姿。


それを見たクラスメイトたちはボケーっとしていたが、ジーナが小さく声をかけると前へと歩みだした。


「改めてまして陛下、この方々が異世界よりお越しくださった勇者様がたです。」


ジーナは玉座に座っていた男に告げた。


(あれがこの国の王なのか?案外若そうだな。)


それが王を見た時矢の感想だった。


そんな時矢の思考を遮るかのように王はジーナと話し始めた。


「ほぅ、流石はジーナだな。ついに成功させたか。ジーナ勇者にはなぜ召喚したのかなどの説明はしたのか?」


「いいえ。直接陛下から説明なされた方が良いかと思いまして。」


「そうか。では早速自己紹介と説明をするか。」


そう言うと王はクラスメイトたちに向き合った。


「異世界より来訪した勇者たちよ私はこの国の王をやっているヴォルグだ。異世界人には身分の決まりは無かったハズだから好きに呼んでくれて構わない。」


そう言うとヴォルグと名乗った王は言葉を続けた。


「さて、本題に入るか。何故勇者たちをこの世界に召喚したかと言うと魔王を討伐してほしいからだ。」


王は真面目な顔でそう述べたが、


(((でっ出た〜!テンプレ展開〜!)))


クラスメイトたちは心の中でこれとないほどハモるように叫んでいた。


王はそれに気づくことはなく言葉を続けた。


「この世界は魔王による侵攻を受けていてな、このままでは打つ手が無くなりそうだったため、勇者の召喚に至った訳だ。」


王の話を要約するとこの世界が詰みかけたから異世界の助けを借りようとして異世界転移をやったという事だろうか。


時矢が、そう頭の中でまとめていると


「王様少しよろしいでしょうか?」


と黒桐が口をひらいた。


「子供が多いと思ったが大人も混ざっていたか。質問があるなら答えるぞ。」


王はそう返した。


「ならお言葉に甘えて。率直に言わせていただくと、私たちには魔王討伐を行う理由がありません。そちらの世界の事情を無責任にも押し付けているようにしか思えないのですが?」


黒桐は謁見の間全体に声が聞こえるようにそう言い放った。


それを聞いた貴族たちは侮辱されたからか、かなり怒っているようだったが王は違った。


「確かに無責任かもしれない。だが最初からこの手段をとった訳ではない。この世界が持てる力を使ってでも魔王を倒す事ができなかった。しかし、むざむざと負けを認める事はできない。だから異世界の勇者を召喚する事に至った訳だ。」


黒桐の問いにそう答えた王だが、黒桐は口を止めなかった。


「結局それは私たちが魔王を討伐する理由になりませんよね?それでも貴方方は私たちを召喚するに至った。という事は大方魔王を倒さないと元の世界に帰れないというところですよね?」


黒桐の発言に少し驚いた表情をした王だったが顔を戻して話し始めた。


「ほぅあなたは察しがいいようだな。そうだ、私たちには勇者たちを元の世界に返す魔術を持っていない。おそらく持っているとしたら魔王くらいだろう。」


王がそう述べるとクラスメイトたちは騒ぎ始めた。


それもそうだろう。結局のところ魔王を倒さないと元の世界に帰れないぞっと脅されているようなものだから。


「王様、私たちは魔王を討伐する力はありませんし、私たちの世界には魔法がありません。そんな私たちを頼るのは無理があると思います。」


今まで無言を貫いていた愛花だが、王の言葉にイラついたのだろう。

大きな声で反論を始めた。


だがそれを聞いた王は表情を変えずに返した。


「戦う力に関しては大丈夫だ。勇者は召喚された時点でこの世界に馴染むように再構築される。だから、練習すれば魔法は使えるようになる。」


(再構築?自分の体は調べてみたが特に変わった様子は無かったはずだけど.....。)


王の言葉を聞いてもう一度自分の状態を確認した時矢だが、やはり結果は同じだった。


愛花や武政も同じ事をしたのか頭にハテナを浮かべていた。


王が嘘をついているのかと愛花が王を追求しようとすると突然、


「なるほど。これが再構築の結果って訳か。」


杉山から魔力の反応を感じるとともにそんなセリフが聞こえた。


(なっ⁉︎魔力放出だと!まさか本当に再構築が起きているのか!)


時矢は柄にもなくその光景に驚きを隠せなかった。


愛花や武政。そして黒桐さえも驚きで思考を停止していた。


(そうか。僕たち4人は元々魔術が使えたから再構築が起こらなかったのか。)


時矢は落ち着くとその結論に至った。


そんな中、杉山を見た貴族たちは、


「素晴らしい!流石は勇者様だ!」


と口々に言っていたが、時矢からしたら魔力が多いだけでそこまで特別に見えなかった。


その様子を見た王は、


「このように他の勇者たちも個人差はあるようだが力を得ている筈だ。これなら魔王を討伐する事も可能だと思うが?」


と愛花を見ながらそう言い放った。


そして当人の愛花は苦虫を噛み潰したような顔をしていたのは言うまでもない。


そんなやり取りの中、杉山がクラスメイトたちに語りかけるように話し始めた。


「みんな聞いてくれ!俺は魔王を討伐しようと思う。確かに無理やり連れて来られたかもしれないがそれは悪意があった訳ではないだろ?この世界の人々が困っているなら俺は助けようと思う。」


と演説を始めたのだ。そして、それを聞いたクラスメイトたちは


「確かに杉山の言うとうりだ!この世界の人々を見殺しにはできない!」


などと臭いセリフを次々と言い始めたのだ。


その結果、魔王討伐を行う事になった。



因みに魔術師組は乗る気ではない。


そもそも、王の話を信じている訳がなく、むしろ怪しんでいるのだがクラスメイトをほっとく訳にはいかず仕方なく黙ってついていく事にしたのだ。


こうして魔王討伐を行う事になったクラスメイトたちは謁見の間を後にし自分たちに与えられた力を知るため。

そして今後の計画を立てるため場所を移した。

次回から細かい設定がどんどん出す予定なのでお願いします....。

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