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第5節 旅立ちの準備と勇者様 2

投稿ペースが落ち始めてしまったので元に戻せるよう頑張ります....。

「ああいうお店の料理も案外美味しいんだなぁ。」


王城へと続く道を歩きならがら時矢はそう呟いた。


情報をしっかりと仕入れた時矢は、あの後オススメメニューであるジャンボステーキをたっぷり堪能し酒場を後にし少し買い物をしながら王城へ向かっていた。


ちなみにだが、ステーキや買い物した時に使ったお金は時矢がこの世界で稼いだものだ。


というのも、せっかくなので占いのスキルを使ってみたかった時矢は王城の侍女や兵士相手に適当なお金で占いを始めた所、バカ受けしたためそれなりに稼いでいた。


気がつくと、時矢は王城の近くまで迫っていた。


どうやら聖剣の授与式は始まったばかりらしく見覚えのある面々がでていた。


正直、時矢は授与式なんて興味が無かったので自室に帰ろうとすると行きにも感じた反応を後ろから感じたのでその方向に注意を傾けてみた。


(またこいつか....。顔を確認しとくべきだな。)


そう思った時矢は、その追っ手のいる方向に早歩きを始めた。


どうやら追っ手は一瞬ぎょっとしていたが、後ろから追跡する事を選んだようでその場に留まった。


時矢は追っ手の目の前までくると、思いっきり追っ手の方に倒れるように転んだ。


尾行対象が目の前まで来たと思ったらいきなり目の前で転ぶとか恐らく新しいホラー以外の何物でも無かったのだろう。ふぇっ!っと小さい悲鳴をあげたと思ったら時矢に巻き込まれる形で転んだ。


時矢は、ローブのフードを抑えたので取れることは無かったが追っ手は違った。


(ん?こいつは見覚えのある気がするな....。)


茶色のローブのフードから顔を出したのは王城で何度か見たことのある青年だった。


(あっ思い出した!たしか、近衛騎士団の団長だかなんだかだ!)


時矢は少し悩んだが、顔を思い出すことができた。


彼の名前はレオン。17歳ながらこの国の騎士にして3本指に入るほどの実力者。時矢が彼を覚えていたのは剣士組の訓練を何度か覗いた時に顔を見ていたからだった。


以外な人物に驚きながら、時矢は再び演技のスイッチをオンにし彼に話しかけた。


「ごめんなさい!大丈夫ですか?」


尾行対象にぶつかられた挙句、話しかけられるというカオスな状態に混乱しているのか言葉にならない言葉を話していたため何を言っているのか分からなかったので落ち着くまで待った。



「ごっごめんな突然だったから驚いてしまって....。」


レオンはまだ若干動揺しているが、警戒するように時矢を見ていた。


さて、時矢は何故レオンに尾行されているのかを探る必要があるのだが顔を見られた時点で面倒な事になりそうなので悩んでいた。


(うーん。普段なら尋問して終わりなんだけどなぁ。)


距離があるとはいえ、ここは王城の近くだ。下手に魔術を使えば一瞬で場所を感知されるだろう。となれば手段は一つ


(盗聴用の魔道具をこの人に仕込むしかないな!)


顔には出ないようにしているが、心の中ではとても楽しげだ。

ちなみになんで盗聴用の魔道具があるのかというのは察して欲しい。


「では改めまして、すみません。」


時矢は作戦をまとめると、レオンに謝った。


「いや、わざと当たってきたわけではないから大丈夫だよ。」


レオンはそう言いながら笑っているようだが警戒されている事には変わらないようだ。


「いえ、それでもお詫びしないと気が済みませんので受け取って頂けませんか。」


時矢はそう言いながらお金の入った袋をだした。


レオンはその様子に驚いているようだ。まぁぶつかったくらいでお金を渡してくるのはレアケースだろう。


「流石にこんなことでお金は受け取れないよ。」


恐らく内心大混乱なのだろう、必死に平常心を保っているのだろうか顔が少し引きつっていた。


「でも申し訳ないですし....。」


だが、ここで引き下がっては作戦が失敗してしまうので時矢は押し付けるように袋を握らせた。


「いやいや、大丈夫だから....。」


レオンはそう言いながら袋を押し付けるように時矢に握らせた。




あれから10分ほどあのやり取りがループし最終に時矢がもう一度謝ることで決着がついた。


時矢は先ほどまでいた場所からは少し離れたところで黒い笑みを浮かべていた。


(ふふふ、誰もがあの袋を疑っただろう!だが本命は別にあったのだ!)


まるで推理小説の登場人物のような事を心の中で語っていた。


(お金を受け取らないことは最初から分かっていたわけだからあの茶番の時に体に仕込んでいたのだ!)


実は、お金を渡そうと近づいた時に隙をついて盗聴用の魔道具を貼り付けていたのだ。ちなみに魔道具にはもれなく探知妨害の魔術と不可視の魔術を施しといたので、見つかる可能性はかなり低い。


「さーて仕事終わったし帰りますかねー。」


満足気にそう呟くと、王城の自分の部屋へと向かい始めた。

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