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第5節 旅立ちの準備と勇者様 1

早く戦闘シーンを書きたくウズウズしています。第5節です。

異世界転移からの1週間は魔術や剣術の稽古に励んでいた。


ただ、魔術師組にはあまり意味のあるものでもなかったのだがやらないわけにもいかず適当に流しながらこなしていた。


時矢は、魔法の訓練を中心に受けていたが職業のせいか教えてもらった魔法の殆どが初級の弱い魔法ばかりであまり期待されてないようだ。


愛花と黒桐は、特別に教会と呼ばれるこの世界の宗教団体によって魔法を教わっていた。どうやら彼女らの職業は教会と関わるものがあるらしく教会は2人を引き込もうとしていたが流石に断った。


武政は、剣術の訓練を中心に受けていてこの国の将軍のグラウスにも気に入られていた。時矢からしたらあまり目立ってほしくはなかったのだがまぁ仕方ないだろう。


さて、一番の問題の勇者と取り巻きーズの4人なのだがステータスに恵まれているからかクラスメイトの中では一番成長率が高いらしい。

中でも勇者である杉山の成長率は異常らしく兵士の中のエリートである近衛とも正面から殴り合えるくらいになったらしい。


こんな事からか、杉山と取り巻きーズは勇者様御一行や勇者パーティーと呼ばれるようになっていて、この5人とその他のクラスメイトに配られた装備も差が出ていたりした。


杉山は王から聖剣と呼ばれる国宝を受け取るなど明らかな差が見えていたのだが、ステータスの差からかクラスメイトたちは何も言うことができないようだ。



ともかく、1週間が過ぎるとクラスメイト全員で勇者パレードなるものに出る事になった。


なんでも必要なことらしく、歴代の勇者たちもやっていたことなので是非やらせてくれと王からの頼みで正式に聖剣の授与式もやりたいらしい。


(なんか臭いんだよなぁ〜。)


その話を聞いた時矢はまずそう思った。百歩譲ってパレードは理解できた。しかし、授与式をやる理由がイマイチ分からないのだ。


(もしかしたらだけど、勇者を私物化しようとしているのか?)


勇者を私物化したいなら筋は通る。だが、不確定要素が多いため追求はできないので仕方なく従うことにした。



「じゃあ行ってきます。」


パレードの準備のためほとんどのクラスメイトが出払っている中、時矢は黒いローブを着て王城から出る準備を終え黒桐の部屋にいた。


「あぁ、そのローブの魔術が破られることはないとは思うがフードは外さない方がいい。」


黒桐はそう時矢に注意した。


さて、何故こんな事になっているかと言うとパレード前日に時矢、ワンチャンパレード居なくてもばれない説が浮上したからだ。


まぁ仮にバレても大した事にはならなそうだったので実行したのだが。


パレードの準備で王城のガードは薄かったので簡単に抜け出せた時矢だが、何者かに尾行されている事に気付いた。


(ん?尾行か?でもローブで誰かは分からないはずだからただ怪しいってだけで追ってきているのか?)


時矢が着ているローブには様々な魔術が付与されているため顔は分からないのだ。


ただ、このまま尾行されても面倒なので時矢は路地に入って巻くことにした。


路地に入ると、瞬時に身体強化を施し建物の屋上へと跳躍した。


追っても流石に上にいるとは考えなかったのか、慌てるように路地を走って行った。


「よっ!っと」


時矢は小さく声を上げると地面に降り、周りに人がいなかったことを確認すると城下町の中心街へと歩いた。



「こういう情報収集ってやっぱり酒場が一番なのかな?」


時矢は、城下町のメインストリートを歩きながらそう呟いた。


パレードを抜け出した目的として、情報収集が含まれていたためおそらくテンプレであろう酒場を探していたのだ。


時矢は、酒場らしい建物を見つけると早速入った。



店内は大柄な男や、冒険者のような格好をした男で溢れておりそれなりにむさ苦しかった。


手頃なカウンター席を見つけるとそこに座り店員と思われる男に考えていた設定で話しかけた。


「やっぱり都会は活気が凄いんですね!」


「その興奮ぶりからお前さんはどっかの田舎からこの街にきたのか?」


時矢の声にそう男が反応した。計画通りなので話を続けた。


「東の地方から来たんです!なんでも異世界の勇者様のパレードをやると聞いて!」


テンションが上がっている演技をしながら男の問いにそう返した。万が一に時矢が異世界の勇者だとバレると面倒なのでキャラを作り演技をしているのだ。


そんなことも知らない男は苦笑いしながら話し始めた。


「悪いことは言わないからあんまり期待はしたない方がいいぞ。なんでも勇者たちは全員子どもらしい。それに魔王と戦えるくらいになりそうなのはほんの一部だけらしいからな。他は正直いらないなんて話も出てるらしいからな。」


ととんでもない爆弾を投下してきた。使えないはともかくいらないはヤバイだろ。


「えっそうなんですか....。アレ?でもそれならなんで送り返さないんですか?だって期待が薄いなら送り返せば良くないですか?」


爆弾に若干同様したが、時矢は気をとりなおし質問を繰り出した。


「さぁな。俺も別に詳しいことは知らないが、召喚された勇者が帰還した例が一つも無いらしいから送り返すこともできないんじゃ無いか?」


はい、破綻。王の魔王が帰還方法を持っているという話は完全に破綻した。まぁわかってはいたが完全に裏を取れたのでよしとする。


「そうなんですか....。あっお話ありがとうございました!せっかくですし何か食べようかな....オススメってありますか!」


時矢は演技を続けたまま酒場の料理を堪能してから帰ることに決めたのだった。



毎日誰かしらが見にきてくれているようでありがたいです!このモチベーションを維持できるように頑張ります!

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