表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/26

5日目その9 天使のボスの目的

カンニング様 が倒れたので、私は彼を保険室まで運んだ。

カンニング様をベットの上に寝かせる。

「満足そうな顔をして寝ますね、本当」

まあ、あんなに頑張ったんだ。ゆっくりさせないと。

それにしても、いつもよりカンニング様、頑張っていたな。でも、その頑張る姿はもう見れないかもしれない。やっぱり、カンニング様に伝えよう。百金の副作用について。

扉がノックされたのは、そう決心した時だった。

「はーい」

カンニング様のことを心配していたようきかな。私は席を外し、扉に近づく。

しかし、私が扉を開ける前に、あっち側から扉は開けられた。

部屋に入ってきたのは、天使のボス(仮)のユメだった。

「やっと見つけた、私の数」


俺は夢を見た。

視線の先に、小一ぐらいの男の子と女の子

がじゃんけんをしていた。

『さいしょはぐーじゃんけんぽん』

女の子はパー、男の子はわごむてっぽうの時の手を出した。

「なに、その手」

「これは、ジューだ。ハハから教えてもらったんだ。無敵の手だ!」

「なに、それ~」

女の子はほを膨らませる。

男の子はそれを見てにやっと笑った。

男の子の数は、15。

女の子の数は100だった。

女の子の方が価値が高いが、

頑張りしだいでそれは変えられると最近学んだ。

「もう一回戦ちよ」

「いいえ」

女の子は諦めが悪いのか男の子に挑もうとする。

でも、男の子は顔を横に振った。

「なんで」

「今度はテストの点で勝負だ。次の足し算引き算で」


+・ー・・・あ、算数のことか。

「君をぼこぼこにしてあげる」

自信があるのか女の子は意気ようようとしていた。

算数の授業、テスト中。

女の子は保然としていた。

女の子の目線の先にはさっきの男の子が堂々と

人のテストをカンニングしていた。

女の子はそんな男の子を見て何も言わなかった。

結果、女の子の点数は80点、

男の子の点数は100点だった。

「すごいじゃん!」「100点かよ、まじか!」「天才じゃん!」

他の子たちが男の子を囲みワイワイとほめる。

男の子は照れくさそうに笑う。

女の子は悔しいのか、歯で口びるを強くかんでいた。


場面が、夕方から夜に変わる。

女の子が男の子の家族の一人を射殺していた。


数日後の女の子は、部屋の中で現実から逃げる

ようにうずくまっていた。

俺は見てしまった。

女の子の数が100から、0に変わっていた。

「取り戻したい。私の数」

俺は頭を手でおさえながら、起き上がる。

「ごめんレイ。俺のせいだった」

夢のことを思い出す。

男の子の正体は、小さい頃の俺だ。

そして、女の子の正体は、小さい頃のユメ。

これで、すべてつながった。

この戦争が起こるきっかけとなったのは、

父が争いから逃げたからではなく、俺のずるのせいだった。

そして、母が殺された理由も。

俺は周りを見る。

すると、ベットの上に手紙があることに気付いた。

「なんだ」

手紙にはこんなことが書かれていた。


カンニング君へ


あの丘で待っています

      

ユメより


学校走に勝ったほうびとして、自分が天使のボス

だと自首してくれるのか。それとも、わなか。どっちにしろ、真実を知った俺にとっては絶好のチャンスだ。

「先輩、大丈夫ですか!」

突如、保健室の扉が開かれる。そこには焦っているようきかいた。

でも、今はようきにかまっている暇がない気がする。

俺はベットから降りる。

「ちょっと、用事ができた」

「え、先輩」

ようきが入ってきた扉から、俺は保健室を出た

「先輩!」


学校から飛び出し、歩道を走った。

ユメに謝りたい。そして、俺は変わったことを伝えたい。

俺の思考を遮ぎるように、スマホが鳴った。

俺はポケットからスマホを出す。

てっきりようきからだと思ったが違った。

ひつじからだった。俺は安心して電話に出る。

「どうした、ひつじ」

『あ、君は出てくれた。0点男は出てくれなくて』

「あいつならいそがしくて出られないと思うぞ。

俺を探してな。」

「で、どした」

『右国と左国がセ国の領海に進出し始めたんだ』

「!」

『そして、もう一つ。ものすごい力を 君たちの町で感知した。』

たぶん、そのものすごい力の正体はユメだ。

『その発信源が分かりしだい、そこに向かってくれ』

「いや、場所は分かる。俺にまかせてくれ」

電話をきる。


少し荒くなっていた息を整え、また走り出した。


あの丘、ユメとアイスを食べた丘に着いた頃には

あんなに晴れていた空が雲に覆われていた。

人工灯で照らされる丘の上にユメは立っていた。

俺はユメと対面する。

そして、頭を下げた。

「俺が悪かった、許してくれ!」

「何のことだ」

「小学生の頃、俺がユメのテストをカンニングしたことだ」

俺は顔を上げる。ユメは冷たい目で俺を見ているだけだった。

それでも、俺は言葉を続けた。

「カンニングだけではない。その点数はユメよりも高かったんだ」

戦争が始まった要因。それは、悪魔の数が天使よりも高かったこと。俺は悪魔のボスから生まれた悪魔の子であって、つじつまがあう。

しかし、分かったからこそ、余計に悲しかった。

「ユメ、悪魔との戦争をやめよう。俺はずるで高く

なっただけなんだ。それに、0になっても、ユメの数は悪魔のボスより高いッ!分かってくれッ!」

「・・・すべて君のずるのせいだ」

彼女の言葉を聞いて、何も言えなかった。実際にそうだからだ。

「私は君に出会って、人間のおろかさを知ったよ。

だから私はある計画を立てた」

「なんだよ その計画って」

「人類滅亡化計画だよ」

「!」

「名の通り、全人類を消す計画だ」

「君の力がどれほどのモノか知らないが、君にそんなことができるはずがない」

「それができるんだよな」

ユメは右左を指で指した。

「私には右国と左国があるから」

「もしかして、ニュースでやっていた、新しい支配者ってお前のことか」

「そうだよ。やつらの軍事力を使って、全面戦争を企ててやる。そしたら、この世界はおしまいだ」

次にユメは足元の地面を指した。

俺はさっきひつじの話を聞いたから、それが何を悟っているのかすぐに理解できた。

「もしかして、お前・・・」

「特別に、戦争の出発点はここ、セ国にしてもらったよ。

あと、30分もしたら、右国と左国が攻めてくるはずだ」

「悪魔との戦争はやめてくれるのか」

「いや。人間の次は、悪魔だ」

なんの救いもないな。もし、右国と左国が攻めてきたら、文化・体育祭を楽しんでいるみんなはどうなるんだ。

みんなは知らない。これから、爆弾が落ちること。

刃が向けられること。そのことを知っているのは俺だけだ。

「ユメ、やっぱりお前には戦争なんてできない」

「なぜだ」

「お前は数が下がることを恐れているからだ」

彼女に戦争の恐しさを訴えても、何も響かない。

だったら、俺がユメが戦争を起こさない理由を見つけてやる。

「確かに私は数が下がることを恐れていた。しかし、今は違う」

ユメがポケットから何か取り出し、俺に見せた。

「私は元の数を取り戻した」

それは、100円玉だった。

だけど、その100円玉を見て、俺はこう話しかけてしまった。

「円々姫なのか」

俺のかけ声に100円玉はーーー反応した。

「カンニング様、カンニング様ですか!」

「そうだよ、俺だよ!なぜ、円々姫がこんなところにいるんだ」

「天使のボスは、自分の数を求めすぎたあまりに、

私のことを数だと勘違いをしているのです!」

「何を言う、君は私の数だ!」

ユメは俺の母を殺したことで、数が100から0へと変わった。

円々姫は本当にユメと無関係なのか。それとも、ユメが言っていることが正しいのか。

「カンニング様、私を信じてください!」

嘆きのような円々姫の声を聞いて、思い出した。

俺はあの夜、円々姫を信じるって決めたじゃないか。

「ユメ、お前は勘違いをしている。円々姫はユメの

数なんかじゃない」

そして、俺はユメを指差した。

「円々姫をいますぐ離せ!」

だが、ユメは円々姫を持ったまま、腕の前でクロスさせた。

「おい、何をする」

「百金」

白い光が視界を覆った。


光がやむと、額に100を宿したユメが俺の前に立っていた。

「・・・・ユメ」

「君はやっぱり無価値な存在だ。私が直々に

君を殺してあげよう・・・なんだよ、その手は」

今の俺は8割がカリスマで、2割が人間だ。やっと

過去を捨て、カリスマ的存在になれる。

それを自信に、俺は胸の前で腕をクロスさせていた。

「もうこれ以上、俺の大切な人を奪うな」

クロスさせている腕に力を入れる。

「百金」






俺は化け物だ。

俺のことを見向きもせず、俺の意思はそう言った。

自分が消えていく。自己が消えていく。自我が消えていく。

こんなのカリスマじゃない。


「・・・・・カンニンが君」

頭が100円玉の怪獣は、こっちを向いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ