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「セシル、セシル!大丈夫?」
「レオンさん・・・・はい、大丈夫です。レオンさんはケガ無かったですか?」
「うん。セシルのおかげだよ。」
そう言ってレオンさんは私の頭をなでて、ありがとう、と言ってくれた。うわぁ、すっごく嬉しい。
「でも、驚いたよ。水の魔法が使えたんだね。」
「あ、それそれ!しかもあんなにたくさん出すなんて!よっぽどすごい魔力持ってるのね!」
「それが、私にもよくわからないんです。レオンさんを助けなきゃって思ったら、水が飛び出していて・・・・」
魔法学園にいた時は、魔法のまの字もわからないくらいだったし・・・
「えぇ!?あんなのを無意識に出したの?すごいわ!」
「いえ、たまたまですよ。」
魔法なんか使えるわけないし。
「いや、それは違うと思うよ。詠唱も魔法陣もなしに魔力を出すことはたまたまなんかで出来るものじゃない。君はきっとすごい魔導士になれるよ。」
「あ、ありがとうございます・・・。」
どういう事だろう。勘違いヒロインも少しは救いどころを持っていたということだろうか。でもーーー
「私が魔法を使えたことは嬉しいですが、学んだこともありませんし、学ぶこともできません。ですから、もう魔法は私に関係の無いことですよ。」
「そんな!もったいないわよ〜」
「お二人が褒めてくださっただけで充分です。」
「セシル、君は魔法をもっと学びたいとは思ってないの?」
「それは・・・・できたらいいな、とは思いますけど。」
「そっか。それなら良かった。」
「え?」
「セシル、よかったら僕が教えるよ、魔法。」
「えぇ!?」
「いや?」
「い、いえ!そんなことは!」
「じゃ、決まりだね。」
「いやいやあの!でも、あっほら、私なんかが迷惑になりませんか?」
「そんなことないよ。」
レオンさんはそう言ってくれるけど、でも私は助けてもらった上に魔法のお世話までしてもらうなんて図々しい気がする。いや、今まで図々しい女として生きてきたんだけれども。そんな感じで私が考え込んでいると、ユリアさんがにっこりとしてこう言った。
「じゃあ、セシルが私たちの仕事の手伝いをするってのはどう?今から少し勉強すればきっとすぐに実践で使えるようになるわよ!あ、もちろん、危険なことはさせないわ。」
私が、魔物退治だなんてカッコいいところのお手伝いをする?でも、頑張って勉強すれば、恩人の二人に恩返しができるようになるかもしれない。それ、すごくいいな。
「私、やります!お二人のお手伝い、したいです!」
「ふふ、やる気になってくれて嬉しいわ!ね、レオン、それでいいでしょ?」
「うーん、僕はあんまり魔物と関わるとかはして欲しくなかったんだけど・・・でも、セシルが魔法を学んでくれるのがこれしかなさそうだしね。」
「よし!リーダーの許可も得たことだし!今日から仲間よ!よろしくね、セシル!」
ユリアさんにぎゅうっとされる。ふわぁ、仲間・・・・なんかすっごい心がほわほわして、あったかくて、嬉しいなぁ。
「僕からも、よろしくね、セシル。」
そう言いながら差し出されたレオンさんの手を両手で握り返して、
「はい!精一杯頑張ります!よろしくお願いします!」
と宣言した。
やっとここまでかけました!
なんか文章のヘタクソさと語彙力のなさで「すごい」を多用してしまいましたが・・・・
週末しか更新できないとは思いますが、よろしくお願いします。