7話目。
「さぁ、サクラさん、口を開けてください。」
私は消毒液を持って近づいてくる瑠々菜に
私は固まってしまった。
逃げなきゃ行けないのに、体が動かない。
瑠々菜さんがベッドの上に乗る。
私の上に覆いかぶさる瑠々菜さんの体は
想像以上に軽く、痛みはなかった。
だけど、問題はそこじゃない。
「ほら、サクラさん、口を開けてください。」
「やめ……て」
私は必死に抵抗した。
まるで、わがままを言う子供のように…
「サクラさん、痛いじゃないですか」
だけど、瑠々菜はビクともしない。
私の手を抑え、口に消毒液をねじ込まれる。
アルコール消毒液は言ってしまえば、
アルコール濃度が高いだけの、お酒だ。
それが、勢いよく口の中に流れ込む。
口の中が焼けそうなほど熱くなる。
「あ……ぐっ……いや……」
喉の方まで熱くなり、声が出なくなる。
「早く飲み込んでください、サクラさん」
私は、抵抗しようと、足を上げる。
だが、瑠々菜は全体重を足の方に乗せる。
足掻こうにも、足掻かけない。
「あっ……がが」
追い打ちをかけるように消毒液が流れ込む。
瑠々菜さんは、笑っている。
「ほらサクラさん、飲み込んでください?」
覚悟を決めるしかなかった。
ここで粘っても無駄だと、そう思ったから。
「うぐっ……」
ゴクリッ、飲み込む音が聞こえる。
体の中が燃えるように暑くなり、口を抑える
人間は本気で死ぬと思った時、一瞬だけ
通常の何倍もの力が出ると聞いたが、
それは、本当だった。
瑠々菜に押され付けられていた手が
瑠々菜を振り払った。
私は口の中の消毒液を吐き出した。
多分、普通にゲロも混ざってたと思う。
意識が遠くなる。目の前が歪み、暗くなる。
「あら、気絶しちゃったわ。」
その言葉を最後に、私は意識を手放した。




