16話目。
気持ち悪い匂いで目が覚める。
びちょびちょになった布団、汚い吐瀉物が
放置された状態で残されていた。
スマホの画面を見ると、午後6時前だった。
首を絞められた感覚が未だに残る。
柔らかい指が私の首を包み込むような感覚。
そして、締め付けられるような感覚。
思い出すだけで、鳥肌が立つ。
息苦しくなって、吐き気が止まらなくなる。
思い出そうとする頭を振り払い、立ち上がる
私は布団を洗うために部屋を出る。
洗濯機を開けて、汚れた布団を突っ込む。
丸ごと洗濯できる布団でよかったと思いつつ
私は物置に向かった。
物置は家族が置いていった本や私物が
大量に置かれている。私は一番端の棚から
黒い箱を取り出した。
中身を開けて早々、目を疑った。
ここに入れてあったはずの盗聴器が無い。
バレないようにちゃんとしまってあったのに
箱から姿を消していた。
まさか、瑠々菜にバレてる?
確かに、私が移動した音は聞けるだろう。
でも、明らかにおかしかった。
盗聴器だとしても、場所までは分からない。
物置だとわかったところで、盗聴器が
どこにあるかなんてわかるはずがない。
荒らされた形跡も無く、ピンポイントで
盗聴器のある黒い箱だけが狙われた。
そんなの、瑠々菜に出来るはずがない。
血の気が引いた。誰がやった?
誰か、別の人が侵入して、ここを漁った?
だとしても、なぜピンポイントで狙われた?
考えたところで意味は無い。
解決する訳でもないし、わかる訳でもない。
私は、諦めることにした。
聞かれて困るようなことはしていないし、
トイレの音もする前に気がついたし、
家族は海外出張でいなし、大丈夫だろう。
私は諦めて、部屋に戻った。




