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15話目。

「サクラさん、今日はここでしましょうか」


瑠々菜は不気味な笑顔を向けた。

その笑顔の裏には、きっと何かを企んでいる

だけど、私はそんなことを考えている

余裕などなかった。


私は、絶望に浸っていた。

足から頭まで、全身を全て覆い尽くすような

そんな絶望感が、私を飲み込む。


どんどん体が冷えていく。

もうここに、逃げ場なんてない。


「今日は何をいたしましょうか。」


彼女は少しだけ考える素振りを見せる。

私は、唾を飲む。何をされるのか?


その直後、瑠々菜は私の首を絞めた。


「んがッ……!?」


痛みはなかった、ただ、息苦しさだけが襲う

首周りに細い指の感覚が伝わってくる。


鳥肌がたつ。

誰かに首を触られる感覚が気持ち悪くて、

思わず、吐瀉物が出る。


苦しい……死ぬ……


そんな、死の境目の辺りで、感覚が消える。

自分が死んだような、そんな感覚だった。


「なんか、違うなぁ」


瑠々菜はそう言って私を見つめる。

その目は、意外と純粋な目をしていて、

余計に、怖くなった。


次の瞬間、彼女は鞄の中から何かを取り出し

私の口に詰め込んだ。水だ。


「うがッ……ぼぉ」


それが容赦なく口に注ぎ込まれる。

いくら飲み込んでも、永遠に流れ込んでくる

むせても水は止まらない。苦しい。


「うがぁ……ぐるじいッ……うがぁ」


必死に声を出そうとして、水を吐こうとする

そのタイミングで、瑠々菜は私の口に

ペットボトルごとねじ込んだ。


息が詰まって、苦しくなってくる。

首を締め付けられた時とは別の苦しさが襲う

鼻でも、息ができる……


そんな考えに至るまでに、時間がかかった。

焦りが出すぎて、思考が回らない。


すぅと鼻で息をすると、鼻に水が押し寄せる

勢いよくむせるが、水は止まらない。


苦しい、気持ち悪い、痛い、誰か助けてッ


心の声だけの悲鳴。水と混ざる吐瀉物。

匂いにやられ、また吐いてしまう。


「あら、残念、もっと続けたかったのに…」


意識が遠のいていく……

布団がめちゃくちゃだ。気持ち悪い。


記憶はここで途絶えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サクラさんの部屋を出て、盗聴器のある

トイレの方向へ向かう。


トイレの棚を開ける。

盗聴器は……なくなっていますね。


何故バレてしまったのでしょうか?

紙はまだあることを確認しましたし紙切れは

ありえません。紙の個数も変わってませんし

まさか、起きていたのでしょうか?


それも、ありえませんね。

意識が無くなったのを確認しましたし。


考えても答えは出てきそうにありませんし

諦めるとしましょう。


私は諦めて棚の扉を閉める。

そして、気づく。ちゃんと閉まらない……?


なるほど、私のミスでしたか。

ちゃんとした締め方があるのですね。

完全にやらかしてしまいました。


だとしたら、盗聴器はどこに?

サクラさんの部屋にはありませんでしたし

壊されてしまったのでしょうか?


だとしたら、この家の中にはあるはず。

なのに、ゴミ箱の中にもありませんね……。


今回は諦めて、帰るとしましょう。

早く帰らないと執事に怒られてしまいます。


玄関に向かい、違和感に気づく。

サクラさんの靴が3cmズレている……?

侵入者でしょうか?うっかりしていました。


これは、迷い込んだ悪い子を探して

口止めしなくてはいけませんね。


でも、当分は何事も無さそうですし

まだ大丈夫そうですね。


嗚呼、サクラさん、あなたに出会えて

私はとても幸せでございますわ!


私は、帰路に着路に着く。

この時はまだ、面倒事になるとは知らずに。



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