しっていること。
ボクは早朝に静かにクラリックのお寺の上に座っていた。
ボク、ソラナキは百鬼夜行が終わり静かに朝の光を見つめる。
それが好きな時間だった。
あっ。ボクは人の運命を悪い方に傾ける妖怪、神様だから嫌われやすいんだけど決してこいつムカつくから悪い方にしてやろうとか思ってないからね?
「……。」
何となしにボクは自分のハート、黄色いハートを取り出してみてじっとふよふよしているそれを見つめる。
クラリックは青いハートだったっけなぁ、と思い出した。
「……クリスタル母さんのハート、か。」
クリスタル、クラリックの母の名前だ。
ボクとあいつは幼馴染。
クラリックが崖から転落する前から一緒なのだ。何故かって、ボクが幼い頃森に捨てられたのをクリスタル母さんが拾って育ててくれたから。
あのままだったら死んでいた。
感謝してもしきれないくらいだ。
あのクラリックが転落死した時、ボクはあまりにもビクビクしていて怖くて死んでしまおうかと思った。
それくらいあの頃のボクは弱くて情けない存在だった。
でも今は違う。
ボクは、クラリックと約束をして自ら死んでハートを貰った。「……ボク、クラリックを支えるから。」そんなことを言ってさ。
「今考えると、責任なんてなにも考えてなかったなぁ。」
ハートを貰ったボクは神様になることは無かった。黄色いハートは、ボクを化け物の神さまにした。けれど、「災い」を殺す程度の力は手に入れた。もう昔のような泣き虫のボクじゃない。
「あ、……朝日が登ってきた。」
綺麗だなぁ。
ぼおっと朝日を眺めながらボクは息を吐く。
クラリックは悩んでいる。
「災い」の数が減るどころか増えているからだ。
でもボクはその理由を知っている。
否、知っている気がする。
「でも、クラリックには言えないな。」
青い髪の少女の存在を。
ボクは道化師を相変わらず演じている。
ヘラヘラと笑って、涙をこぼさないように。
演じ続けて、クラリックを支えなくちゃ。
だって彼はボクの幼馴染みで、相棒なのだ。
「クラリック、もう朝だよ。まだ仕事?」
外から声をかけてやるも返事は聞こえない。
「……あはは、よかった。」
ちゃんと眠ってくれているようだ。
ボクもそろそろ行かなくちゃな。
朝日を見ながらボクはふ、と笑った。




