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BULLETS(ブレッツ)  作者: 砂川 武
50/63

46発目 生物は皆ホースみたいなモノ、だからこれを詰まらせてはいけない。




 街中を走るリムジンが一台。その車内ではこんなラジオ放送が流れていた。

『―次のニュースです。昨夜に神奈川県警が逮捕したという蛇栄会社の社長・黒づくめの二人組。社長は後の二人に殺されかけていた主張し、証拠として二人からは拳銃を所持していた為、銃刀法違反及び殺人未遂の容疑で逮捕されました。しかしこの3人は匿名の者が警察に送り届けたと神奈川県警が公表しています。さらに会社で行っていた数々の不正データが匿名のユーザーから警察に情報提供があったことも明かしています』

 放送を耳にしながら俺は広い後部座席をゴロゴロしたりパワーウィンドウを開け閉めしたり外に手を出して風を感じたりするが、今一つ面白みがない。そこで運転手の呼び出しスイッチを押してみた。

『何か御用ですか?』

「窓開けてくんない?」

 すると彼は俺のすぐ近くのウィンドウを開けた。

「違う違う、あんたが見える窓の方」

 指示通りの窓が開くと俺はそこに頭を出した。

「後ろは寂しいよ。前回黒服数人が同行したのとは大違いだ。左失礼」

「あ、ちょっと困りますよ。ハンドルから手は離せないんですから」

 俺は無理矢理頭から窓を通り抜けて助手席へ一回転しながら座り、シートベルトを締めた。

「悪いね、イケさん。ところで、着くまで何も聞かないでおこうかと思ってたけどやっぱ聞く。教えてくれないかな?臨海学校から帰ってきたばかりの俺をわざわざ学校にまで迎えに来た理由は?あの女性使用人の夏樹さんたちが婚期を逃しそうで大パニックを引き起こしたとかでなんとかして欲しいとか?」

「いや、あのですね?あなた舞台劇場でやらかしたファッションショーで彼女ら全員をメロメロにしたのを忘れたんですか?しかもエリ・ブーリンさんが言ってた『一夫多妻制』を聞いて以来夏樹たち、あなたが屋敷を訪れる度に髪の手入れや化粧を念入りにして仕事に就いてるんですよ?」

「・・・・・それマジ?そこまで拗らせてたとは知らなかったな」

「あなたが羨ましいですよ、モテモテで。俺だって可愛い女の子を嫁に貰いたいですよ。その為にわざわざ頭をアフロにしてるのに」

「その頭アフロだったのか?今の今まで天然パーマだと思ってたのに。てかそれいつの時代の人からのアドバイス?それを一旦燃やして丸刈りにすればもっと好まれると思うけど」

「佐藤勝正のように?」

「そうそう佐藤勝正のようにな。このアドバイス贈るのと引き換えに、夏樹さんたちに言っといてくれ。『俺は12人の女性とヤッちゃったクソ野郎だ。そんな奴なんか追っかけても無駄だ。無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁっ!!』って」

「みんな知ってますよ?」

「あ~ごめん、今なんだって?」

「お嬢様の口からあなたとの進捗状況は我々の中で周知のことです。例えばあなたは相手を抱き締めながらスるのが多いこととか」

「くそぉっ!!そんなクズ人間を軽蔑視しないお前らの方がおかしいだろ!」

「お嬢様もあの子たちも全員良い子たちじゃないですか。その子たちが好きになった男ならまず問題ないですよ」

「いや大ありだよ。その口ぶりだと実の妹にも手をかけたことも知ってるな?」

「異世界へ行けば問題ありません」

「俺の周りの人間は恋愛に関しては楽観的過ぎだな。ていうか話がだいぶ逸れちゃった。えと何の話からだっけ?あ~そうだった!迎えにきた理由は?広子のLUMEに呼び掛けても既読が付かないのと関係あり?」

「お嬢様が野生に目覚めました。正気に戻す為に手伝って欲しいんです」

「は?」

 何それ、どういう意味?この三日間であいつに何があったんだ?



 リムジンが乱場家の屋敷に到着。入り口前には繁さんが待っていた。

「こんにちは、繁さん」

「やあ」

「来る途中敷地内を見ましたけど、なんか以前よりも生い茂ってませんか?もはや日本の森林って呼べないですよ、アマゾンの奥地になってますよ」

 車から出るなり事情説明を繁さんに求める俺。

「娘が君から聞いた異世界の話を真に受けてウチの敷地内で訓練をしたいからこれくらいのジャングルにしてと頼み込んできたんだよ。おかげで私のゴルフ場が消されちゃったし・・・」

「本格戦闘訓練を自主的に!?凄いですねぇっ!ゴルフ場はどうでも良いですけど」

 最後の一言にショックを受けつつも、繁さんは状況説明を続けてくれた。

「ジャングルが完成したのち、しばらくはサバイバル技術を磨きたいと池田たちを襲う敵役として送り込んで半日が経った時、『私!生き抜いてみせる!何者が出ようと返り討ちにするから!』と大声でそう伝えてきてそれ以降食事も取らずにジャングルに溶け込んでるんだ。いくら連れ出そうにも全員が返り討ちにされて手の付けようがないんだ」

「ヘリは使いました?あいつの好物を餌に吊り下げて釣るか、もしくはなんとかキャッチャーみたいに掴んでそのまま屋敷に強制連行とか」

「キャッチャーはボコボコにされたし、君の等身大人形を餌にしてみたけど人形だけ持ってかれたよ」

「あっちのオカズを与えちゃ駄目でしょ。サバイバルの意味なくなっちゃってるじゃないですか。麻酔弾かスタンバレットはどうです?」

「狙い通りに当たらない。それに撃つ前に狙撃手が先に逆さ吊りにされてしまったよ」

「野生に目覚めたというかハンターになってますね、彼女」

「とにかく頼まれてくれ。私たちにはどうにもできない。池田以外の使用人はもう全員戦闘不能になっている。娘は強くなり過ぎた」

「それじゃ、連れ出すついでに彼女の戦闘能力が如何ほどか拝見させてもらいましょうか」

 


 数分後のジャングル内でギラ人形を抱きながら寝ていたボロッとなって泥だらけな肌にタンクトップシャツ、短パン姿の広子。金髪もサイドポニーじゃないし泥で茶髪になっていた。そこへジャングル中に響いてきた拡声器に通した声で飛び起きた。

『んが~っはっはっはっはっはっはっ!やるな広子!未来へ向けての訓練を重ねるその前向きさや良し!本当にあっぱれだよ。だが流石に親の言う事を聞かずに食事も抜きにするのは親孝行と良い仕事と美容の敵だ。今すぐにお前が水分補給に使っていたであろう近くの川に来ることを薦める!有無は言わせん!』

 周りを見渡し五感を鋭敏にしてギラの気配を感じ取ろうとするも捉えられず、声も全方向から来ているので全く分からない。すると北・東・西の順にガス弾が飛んできたのだ。広子はやがて煙で溜まらず川がある南方向へ走り出した。向かう途中にはこんな声が彼女の耳に入ってきた。

『関係ないが、俺が今考えてることが何なのか当てられるか?Xmenシリーズで過去改変後にウルヴァリンとジーンがいつどこでプロフェッサーたちと合流するのかを?違う。MCUの未来のビッグ3が誰になるのかを?違う。SWBTF3はいつ発売なのかを?違う。答えはこう、広子が三日間履いているパンツが何色かだ』

 声が終わると同時に川に到達した広子は、彼は一体どこから現れる気でいるのだろうかと辺りを見回した。もしかすると川の底からドバァッと出てくるのではないかと四つん這いになって覗いてみるが、

「残念。感覚を研ぎ澄ませるべきだったな」

 彼女は背後の地面から『モグラ叩き』のモグラさんこんにちは~の如く現れた彼に気づくがもう遅かった。

 ズリッ、ズボォッ。

「んのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・あへ・・・♥」

 私有地内とはいえジャングルに響いちゃイケない声が響いちゃった。



 所変わって屋敷の広子の部屋。

「流石はギラ君ね。エスペランサでのネギのぶっこみじゃ飽き足らず棒までヤるなんて。●●●サックの下準備を施しているつもりなのね。やっぱり私は一生あなたの肉便器よ!さあご主人様♥私にたっぷりと溜まりに溜まった性欲をぶちまけて♥」

「ケツを抑えた状態でバスローブをわざとはだけさせてベッドにカモンとはお前も流石だな。それはそれでお手手広げていざ!ベッドイン!したいくらいだが、先に携帯を見ることをおすすめするぞ」

 言われた通りに尻を抑えながらの移動に苦労しながらも、部屋の勉強机に置いていた携帯を取り、電源を起動し、アプリを開くと彼女は衝撃を受けた。

「ええ!?地下都市『エスペランサ』の一部が公開決定!?」

「ああ、あの発表今日だったな。でも違うって、LUME見ろLUME」

 ニュース記事を閉じてLUMEアプリを開いて見るとさっき以上の衝撃を受けた。

「エリに先越されたあぁっ!!?」

「改めてお前らの情報共有力ホントすごいな。てか世界的一大ニュースよりも衝撃受けてるって失礼じゃねぇか?」

「そもそもデート大作戦勃発とその結果次第でギラ君が正式な彼女を決めるってどういうこと!?まさか、もうエリに決めちゃったとか!」

 彼女だって一応恋する乙女。俺がエリと2回目を迎えたことに焦って俺の胸ぐら掴んでユサユサ揺らす。鍛えてきたもんだな~、でも胸は相変わらずボインボイン~。

「俺が雌豚なお前を無視して勝手に決めるとでも?しないって、もちろん広子ともちゃんとデートするさ。でも1時間とちょっとだけだからな。みんなその時間だけで満足してるんだから」

「なら・・・・・このままここで1時間過ごす?」

 さっそくバスローブの脱ぐ素振りをチラチラさせる広子。

「そんな風俗嬢の勧誘みたいな手は反則!普通のデート考えろよ。まずはバスローブから可愛い服に着替えてきな。デート場所はどこにする?都内にしてくれよ」

「・・・・・みんなが海側でしたのなら私も海側で、お台場にしましょ」

「お台場か、良いねぇ。織田裕二に会えそう」

「会えるわけないでしょ、ジジイ君」

「百年老兵は傷つかない!さっさと着替え済ませて行こうぜ。せっかくの1時間デートが無駄になっちまう」

「・・・・・生着替え、見ていく?」

「目の保養にはなるな。でもその分デートの時間削っちゃうけど良いの?」

「なんなら予定変更してここでシちゃうのは?」

「変更はナシ。俺のアソコはいざって時にはイキり立つけど今じゃないからこのあとメチャクチャなんとかって展開はないぞ?・・・・・ああでも生着替え最高!」



 身支度も整い、屋敷の入り口前の庭に着くと俺はあるものを

 零式艦上戦闘機。

 第二次世界大戦期における旧日本海軍が重宝した主力艦上戦闘機だ。その性能は連合国軍側だったアメリカ・ブリテンからはZero FighterやZeroって呼んで恐れる程に良く、太平洋戦争前半では瞬く間に敵空軍を打ち破っていた。戦争は起きた時点で罪って言うが、どうしてもこういうミリタリーな乗り物とかは憧れの存在にもなるよな~。そして広子が着替えた首掛けワンピースはイケてる。

「その花柄ワンピース良いな~。さっきまでジャングルに溶け込んで泥だらけだった女の子とは思えないくらいに。でもやっぱりその胸は目立つな。これはラスティにも言ったけど俺だけじゃなく全てのケダモノたちがお前に群がるぞ」

「せっかく女の武器が備わってるんだから、好きな相手にはふんだんに使わないと。でないと唯ちゃんたちにも出遅れそう」

「あ~そのセリフからして、ここに巴がいなくて良かったな。あいつすぐキレて襲ってきそう、強制的に俺がお尻ぺんぺんの刑にしちゃうけど」

「それで?これを創造したのはこれでお台場に行くってこと?」

「その通りだ、串刺しっ娘ちゃん」

「・・・・・串刺しにしたのはギラ君でしょ」

「そうだな。この零なら4、5分でお台場に着ける。だから君の出番はないよイケちゃん」

「そんなぁ!準備してたんですよ!」

 リムジンの運転席から文句を言う使用人。

「デートに行くのは良いけどハメは外さないようにしてくれよ。ただでさえ君が複数の女の子にモテてることは目を瞑ってるんだから」

「分かってますよ、Mr.ハワード。・・・・・親父さんアレのこと知らないのか?」

 繁さんに適当な返事をしてから、零戦に乗り込み中に俺は広子に聞いた。

「父だけには内緒にしてる」

「真実を知って発狂する未来の親父さんが目に浮かぶよ。ところで、この零戦を見て誰か一人は気づいてる通りにまた滑空飛行ができるよう改造を施して創造してるから分かるよな?二度あることは三度あるって。ミリタリー、または戦闘機マニアの方に申し上げます。また名機を勝手に改造して、すいません!んじゃ行こう」

 広子にはゴーグル付き航空頭巾を、俺はトルーパー・ヘルメットだけを被って零戦一一型改造版出発させる。

「謝罪への展開がちょっと雑っぽくなってるね」

「それ言っちゃ駄目だよ~」

 それから屋敷を飛び立って4、5分の間、俺達は零戦での遊覧飛行を楽しみながら品川第三台場へ向かった。


 お台場海浜公園の白浜でぶらぶらと散歩を楽しんでいる俺達。

「LUME見て知ったけど、ラスティに初めての贈りキスをしたのって本当?」

「そうだ、嘘じゃない。彼女とのデートは全く平和的じゃなかったからな。マフィア時代の因縁を果たしに現れた商売敵が日本国内でいきなり銃を乱射しちゃうもんだから仕方なく二人で返り討ちにしてやった。でもそれのせいでデートが潰れちゃって彼女拗ねちゃった。どうにかしなきゃと考えた結果が俺の“初めての何か”を贈ることだった」

「じゃあ、私にも“初めての何か”をくれる?」

「お前には色んな俺の“初めて”をたくさん貰ってるじゃねぇか。SMプレイに人間椅子、民間療法、そしてさっきのア●ル、どれも前世を合わせてもやったことない初めての経験なんだぞ?達成感があってイイ(小声:そして今回のタイトル否定)」

「むぅ、私だって普通にロマンチックなことをされたいと思うんだけど・・・・・ギラ君は、本当に容赦ないわね、えへへ」

「女はよく好きな相手からの贈り物を欲しがる、それは分かってるけど考える男の身にもなれよ。あの子にはブレスレットを、その子には新しい宝石をって色々と考えてるんだからな?だから君には何にもあげないな~んてのは嘘だ。ちゃんと考えてたよ」

 俺はそう言ってある二つの天然石を付けたアクセサリーをその場で創造して右手でチラチラさせた。

「待って、もしかして宝石も創造できたりするの!?」

「OK.その反応はもう唯がやったからな。あとこれは天然石だ」

「それってヘアゴム?」

「そうだ。付けてあるのはサンストーンとムーンストーンなんだが、俺の念を込めた特別製だ。石をそれぞれで2回指でつつくと太陽の光と月の光を放つことができる」

 ヘアゴムを渡し、彼女は付けられた石をまじまじと見た。

「ありがとう。この石に何か他に意味を込めてる?」

「ズバリきたな。ムーンストーンは知ってるかもしれないが『愛を伝える石』とも言う。俺の愛をな、言ってて恥ずかしいけど」

「知ってる。例の心理テストでしょ?なんだかんだ言ってギラもみんなと一緒が良いってことがわかって良かったじゃない」

「その中にアイラが含まれてるのが複雑な心境の原因なんだけどな。次にサンストーンに込めた意味を教える前に言いたいことがある。俺が生まれ変わりの事実を教えた時のことを覚えてるか?」

 ブリテンで異種族公表をした日の夜、バッキンガム宮殿の屋上でのことを彼女に思い出させた。

「ああ、あれね。たしか私からのキスを抜き打ちテスト100点満点って褒めてくれたよね」

「『あなたを嫌いになんかならない』って意思表示のキスが本当に嬉しかったからな。広子との出会い方は特殊だったが、知り合ってからの日数は唯よりも少ないのにお前は実質ジジイであることを明かした俺をあの日、何の躊躇いもなく受け入れてくれた。その懐の大きさに俺はあの時からドキドキしてたんだと思う。俺にサンストーンの意味通り安心感を与えてくれた、だからそのサンストーンを贈ることにしたんだ」

 そう言いながら俺は広子の肩に手を添えて、真正面から向き合った。

「もしかして、私があの、太陽のような人間にって?」

 時刻はもうすぐ18時30分前後で、空はもう茜色で西に沈みかけていた太陽を顔で示して聞く広子。流石はトップ成績を持つ女、察しが良い。

「そうとも。唯にはみんなを率いるキャプテンに相応しい勝利の念を込めたルビーの弾丸を、実央にはいつまでも純粋であるようにと意味を込めた真珠のブレスレットを。そして広子には太陽のようにみんなに安心感を与えてくれる女になってくれるよう念を込めたサンストーンを。んで少々愛を添えたムーンストーンも」

「んん、ムーンストーンが添えただけのものっていうのはちょっと不満かも」

 彼女は口を尖らせながらも今まで付けていたヘアゴムと今受け取ったヘアゴムを取り替えて金髪をにまとめた。

「贅沢言うなよ?これ以上は不平等な気がしてみんなに申し訳なく感じるからよ。だから・・・!」

「へ?おわっ!?」

 許諾なしに彼女の足の間を後ろから頭を突っ込み、そのまま起き上がって肩車をした。

「その不満は今回のデートでキャッキャウフフして埋め合わせをする、で勘弁してくれよ~!おりゃ~~!!」

 砂浜を広子を肩車しながら駆けていった。やり方が古臭いかもしれないが、一応彼女も両手を広げて楽しんでくれている。彼女に合図して投げ、着地するとよくありがちな海水をぶかっ掛け合うアレも楽しんでやった。

「これも楽しいけど、体を張っての埋め合わせじゃ駄目?」

「・・・・・それは今夜の状況次第かもしれない」

「今夜?」

「俺はこの後林間学校で箱根にいるペティのところへ行ってデートをやる予定なんだ」

「・・・・・それって、唯たちも知ってるの?」

「ああ知ってる。俺がやんちゃしちゃうのを止める気なのか、はたまた混ざる気なのかは知らないが突入しよう!って小声で騒いでたけどな」

「もう危険な状況だからね。あなたが昨夜エリとヤッたのが良い証拠よ、やっぱりあなただって抑えきれないんじゃないの?口ではたくさん下品なことを言えても、一度知ったあの快感をまた味わいたいって気持ちは誤魔化せないでしょ」

「たしかにそうだな。もう言い逃れはできない、現在進行形で」

「進行形で?・・・・・ってうわっ!?」

 バシャッ。

 何をしたかというと、俺は彼女を抱き締めながら海にダイブしたのだ。波に打たれながら彼女の肌の温もりを感じて良い気持ち~。

「俺が女を抱き締めるのが好きなの使用人たちにバラしたろ。このネタバラし女が~」

「夏樹さんたちを骨抜きにしたのはあなたでしょ。一人一人の魅力を引き出した服を創造するなんて、そりゃあ女の人はそんなすごい男を気に入るに決まってるわ。それにエリの一夫多妻制を知ってるからね~。いっそのこと全員異世界で娶っちゃえば?サトシがケンタロスを誤って連続で30体もゲットしちゃったみたいに」

「Uh oh...もしかして僕、やっちゃいました?って広子のお馬鹿ちゃん!そんなクソゲスい解決方法を素直に受け入れられるワケないだろ。あとポケモンアニメは汚すな」

 俺が指摘しながら横にゴロンと回ったから彼女を押し倒すような形になった。

「あらそう~?今もあなたのシールドマシンが私の開通済みのトンネルに入ろうとしてると思うけど~♥」

「あの日の入りと一緒にその下品な言葉を使うのはやめろよ。でないとお台場に置いてっちゃうぞ」

「それは困るからやめよっか、そろそろ時間だろうし離れてくれないかな?」

 俺が起き上がると彼女も起き上がり、お互いに海水でびしょ濡れになった。

「全く誰からうつったんだか、その下品な言い回しは・・・・・、ああ俺か」

 俺の一言で何かに気づいたかように、先にへ戻りかけていた広子がくるりと振り向いた。

「誰でも等しく影響を与えるっていう点だけ見れば、ギラ君だってある意味太陽だと思うよ?」

「やめてくれ、俺は大衆に声援を浴びるような人種じゃないんだ。精々拳の雨を浴びる人種だよ、その間はカベドンマンになって粉砕されたい」

「リア充カップルを見て壁を殴りたい衝動をセメントでできた顔で受けてくれるっていうあのヒーロー?」

「そうそう、殴られ屋みたいなポジションの奴。ああいうのがもっと現実にたくさんいてくれたら、ストレスが元で起きる事件とかも大分減るんだと俺は思うな。『じゃあお前がなれよ。治癒能力持ちなんだし』って思ったろ読者のみんな。それマジで言えてる」

「持ってても持ってなくてもそんなポジションになる必要はないから。あなたはただ私を含めた愛のペットたちを愛でてくれるご主人様の立ち位置に入れば良いだけ」

「ダメだ、広子だけだとボケしか生まれない」

「赤ちゃんは生まれるでしょ?」

「未来でな・・・・・あ」

「!?」

 今日のブリテンから発信された世界的大ニュースに驚いた人々を超えちゃう驚愕の顔をする俺。さっき広子に失礼じゃないかって自分で言ったくせに。し、しまった・・・!本日の“しまった!”がよりにもよってこんな恥ずかしい意味を醸し出す形で・・・!

「へ~♥やっぱりギラ君、何だかんだ言って私たちとの将来のこと考えてくれてるんだね~♥」

 俺のうっかり本心を偶然にも引き出したことにニヤニヤする広子。いつも通りの俺なら、砂浜だろうが構わず鞭を振るってこいつの尻を引っ叩いて大きなよがり声を上げさせるところだったが、もうそれどころじゃなかった。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 俺はもう穴に入ってやる!!の勢いで顔を夕日や空と同じように真っ赤にして本当に砂浜を掘り返して穴を作って入ろうとしていた。










 ここで宣伝するのもなんですが、『マンダロリアン』シーズン1・2全話最高でした!皆さんにもディズニー+に入って見ることをオススメします!次の次話投稿には諸事情により少し時間がかかることをお伝えします!ではまた!


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