45発目 物事には代償が付き物と知った時、人間は大人に近づく。でも破滅願望がある人間は別。
菫楼高校・臨海学校最後の一泊ホテルのある部屋にて。
「大人の女性に初めての贈り物キッス!」とラスティ。
「決闘でハートロマンスな決着!」とロザリア。
「メリーゴーラウンドで王子様と一緒に木馬」と巴。
「ゲシュタルト崩壊から羞恥プレイ!」と好華。
「年寄り目線からの暖かい抱擁!」とヒナ。
「死闘の末、愛を確かめ合ったガチンコデート!」と奈々。
「心理テスト出し合いっこから人類の真理への到達!」とクレア。
「夏休みの約束と心の確かめ合い!」と実央。
「勝利の念にお返しのキッス!」と唯。
「スプラトゥーンな肝試しデート!以上を踏まえた上で~」とエリからの全員が並びそして、
「「「「「「「「「どうぞおおぉぉぉぉ!!!お好きな杉ガールをををっ!!!」」」」」」」」」
直角90度に我こそにと手を差し出す寝巻姿の唯たち。
「ご丁寧に!これまでのデート内容説明をどうも。途中悪口にも聞こえたけど。でも何でギブミーチョコー!とF6の融合みたいな頼み方してんの?やってて恥ずかしくない?」
今夜も自前の浴衣姿な俺。
「誰が選ばれるかで将来の第一正妻が決まるんだからこっちも必死なのは分かるでしょ?これ逃したら遅れのレッテルが貼られるんだから。最低でも最下位正妻は誰だって嫌なんだし」とヒナ。
いや、多分この中で一番嫌がってるのは婚期を気にしてるラスティだけだと思うが・・・っと、このことだけは痛いしっぺ返しが来そうだから黙っておこう。
「選ぶ身にもなれよ。これは一歩間違えれば女性たちの中で主人公が出した結論に納得しない者が何人かいて鬱・病み・狂い、そして好きな男と心中しちゃって終劇~」
「だから作品変わっちゃうからそんなことありえないって。そこまで悲観的にならなくてもいいのに」と唯。
「それに北海道のとある学園生徒会副会長の男はハーレムハーレム連呼してて嫌われてないよな?」と好華があるアニメを思い出しながら指摘するが、
「メディアの違いを理解せよ!あれは深刻なシリアス展開にならないことが決まってるギャグアニメだからこそ認められた設定だ。世の中そんな主人公設定を認める奴なんてきっと少ないに決まってる!(小声:一応個人的な意見)みんなどうせこう考えてるよ!『こんなにモテてる主人公がいてたまるか!コイツ絶対良い死に方しないぜ!』『こういう人間は怪物たちに生きたまま四肢をもがれて死ぬべきだ!』『四散しろ!ファ●キュー!』よく言うだろ?」
俺が堂々とあり得る可能性を彼女に指摘返す。
「もういいから!それでさ、結局誰を選ぶかもう決めてるの?」と巴。
「ああ、もちろん考えてる。でもあることに気づいてこの話は延長戦に突入させるべきだと俺は思う」
「あ!またはぐらかそうとしてる!それ優柔不断な男が取る手段だろ!そんな男になるつもりはないんじゃなかった?」
「ごもっともだ、渋谷の隣人ちゃん。だがこれはここにいない人間に配慮しての考えだ。そう、ペティに広子・・・・・言いづらいけどアイラとシオリ。彼女たちを抜きにこれから正式に付き合う相手を考えるのは、責任を重んじる人間としては正しい判断じゃないはずだ。そうだろ?」
「むぅ、確かにそれは言えてるけど」
「そういうワケだから今夜結論を出すのは無理だ。俺はしばらく夜の一人散歩をしてくるからお前らも各自の部屋に戻れよ~」
「待ってくれギラ!最後にこの心理テストに答えてくれないか、『あなたは金魚すくいをしました。何匹つかまえましたか?そして、何匹ににげられましたか?』」
部屋を出て行こうとする俺を引き留めてきたのはクレアだった。
「唐突だな。・・・・・15匹捕まえて15匹逃げられた」
「・・・・・何故その数なんだ?」と聞くクレア。
「前世の老年期に入ってからすくった記録がそうだったからだ。俺全然得意でもなかったしな。思いついたのがその数だ。んでどんな答えなんだ?」
クレアに聞くと彼女に制止されて、先に奈々やラスティたちに答えが出ているであろう携帯の画面を確認するなり俺の方を見てニヤニヤしてる。
「何だよ。俺の顔に何か付いてる?」
「いや、ギラの将来が脳裏に浮かんできて笑えただけのことだ」
何それ?どういう意味?ケツに槍が刺さって死ぬとか?
八景島・海の公園の砂浜に一人、波に打たれながら寝転がる男が。
やあどうも。槍の雨も弾丸の雨も降らされて当然なくらい女性にモテてるクソな主人公:杉田義羅だ。今の発言で俺10回は誰かに殺されるかも(小声:最初は作者だろうな)。今回一日の間に10人の女性とデートを済ませた俺だけど、自分の心の真意に気づき始めて内心戸惑い中なんだ。肝試しの最後に唯や実央たちが他の男たちと一緒にいるところを見て俺、変な気持ちになっちゃったよ。いやはっきり言っちゃう妬いてた!間違いなく!おかしいよな?数ヶ月前まで誰とも付き合わないって豪語してた人間がそんな感情抱いてるなんて。それとも豪語してた奴、インフィニティ・ガントレットの指パッチンで消されちゃったの?しかもさっき、クレアが質問してきた心理テストの答えをここに来る前に検索してみたけど、結局自分がだらしのない男だったことを思い知らされて大ショック受けたよ。あ~ムカつく。でも唯たちに気づかれた本心はもう隠せない。一番申し訳ないのはエリ・・・いやフィアに対してだ。彼女の告白を断ってアプローチも無視し続けたのが11年だ。11年だぞ?普通の女性ならそんな追っかけ2、3年でやめるってのに。まあ俺の恋が成就しなかったのもあるけど・・・・・。今日の経験を踏まえて彼女が他の男に付き添ってる光景を想像してみたけど、やっぱり俺、それでもムカついてた。そして同時にまたショック受けちゃった。何が自分に正直に生きろだ?いつかの俺を殴りに行きたいよ。一番自分が正直になってなかったし、正直になっちゃいけない領域を心に抱えちゃってるし。俺って一体どうしたら良いんだ?よし決めた!とりあえず先のことはペティたちとのデートを済ませてからにしよう!ホテルに帰ったらフィアには先に謝ろう。11年前から俺にとっての彼女はどうなのかもちゃんと言う!嘘偽りなく!って、世のクズな男ってみんなこういうセリフ言いそうなんだよね~。
ホテルに戻った頃にはもう夜の0時を過ぎて27日になっていた。俺は教師たちの目を盗んでドアを開けてエリがいる部屋に入ろうとした。その直前で止まって顔を出した。
「こっからは知ってる読者は分かるよな。分かる?分かんない?次の行の言う通りに行動してみてくれよ。んじゃっ」と言い残して部屋に入る。
分かる人→このまま『BULLETS・45発目』を読む。 分からない人→なろうサイトで『暁のブリテン』を検索して読む。
午前2時頃。エリがいる部屋にて。
窓際でボタンを外しパジャマを脱ぎ女子と唇を重ね続け包み込むように抱く浴衣男。どっからどう見てもうふんあはんなことを・・・・・。
ブツンッ。
おっとぉははっ、ここは執筆ナシね☆。
午前10時半前後。太陽サンサンな八景島・海の公園にて。
菫楼高校は最後の臨海学校をまたこの砂浜で過ごすということにしていた。とは言ってもプログラムは午前中のみだけど。内容は夏の行事の中でも定番中の定番、それは『スイカ割り』。用意したスイカを目隠しした挑戦者が周囲の声だけを頼りに、手にした棒・または木刀で割り、そして食べる。言わば39発目でみんなでやった『ぐるぐるバット』みたいに挑戦者の平衡感覚を試す催しにデザートが付いてくるお得感のある遊びだ。学校側はこれを南側辺りで今やってるけど、実はそれとは別に北側辺りで催されてることがあってみんなの注目の的になっていた。漫画やアニメではスイカと並ぶように同じ低い位置に埋められた人間が必死にスイカの方に向かわせようと挑戦者に方向を教えようとする的なネタが多いよな。この作品がそう。でもこれ普通のギャグ的なスイカ割りでもない。だってスイカがここに用意されてないもん。俺だけが砂浜に埋まってるだけだから『スイカ割り』ならぬ『ギラ割り』だ。どっかの携帯会社がやったイベント名っぽいけど。
ゴツッ。
目隠しした男子生徒が近づいて棒で俺の頭を確認するかのように突いた。そして振り上げて~、
「よし、そこだな。少しは成績のこと以外褒めろやぁ馬鹿両親!」
殺意剥きだしで思いっきり振り下ろす。
ボゴォッ。
「あいた」
今、学校の生徒が叫んでいたように俺が催した『ギラ割り』では鬱憤が溜まってる生徒にストレス発散の場を設けてるんだ。世の学生だって学業とかの重圧に困ってるさ。かと言って発散するに際して何かを殴ったりなんてしたら大怪我にもなりかねないし。そんな悩める学生たちの為には、俺のような都合の良いサンドバックが時には必要なんだよ。中にはこんな鬱憤を晴らす挑戦者もいたりするし。「あの生徒指導員ムカつく!」ムカつくのは分かるけど、生徒を想っての指導だからな。あまり憎しみは持っちゃ駄目だぞ?「俺より優れた弟が来年入学してきそうで嫌だぁ!」ならもっと努力しろ。自分を高めて弟を見返してやれ。「あの男!付き合って早々浮気しやがって!!」もっと良い相手が見つかるって。「出番よこせ!砂川ぁっ!」モブは何を要求してもモブだぞ?「読者のみんな!もっとこの小説を読んで認知して!」うっさいぞ砂川!見苦しいぞ!それを決めるのは読者だ!
こんな感じで俺は頭をサンドバック代わりに見立てさせて彼・彼女らの為に体を張ったボランティアで今日の午前を過ごすつもりだ。何でこんなことを始めたのかって?察してくれよ~(小声:昨日ヤッちゃった分の代償にと)。でも大体の奴、特に男子生徒のストレス発散がこんな感じだったりもする。
「くたばれ!杉田ぁっ!」くたばりません。「このハーレム魔王が!」なんも言えねぇー。「杉田ぁっ!昨日の海賊っ娘を俺にくれ!」彼女シスターっ娘だから。別のシスターなら紹介してもいいけど、あー家族じゃない方。「お前をここで殺せば、主役の座は俺のモノ・・・」殺せたとしても君の行先は主役の座じゃなくて刑務所だよ。「杉田ぁっ!催眠術の弟子にしてくれ!」ご自分で極めなさい。
これらの場合は俺個人に対する八つ当たりがほとんどだな。殺意剥きだしで叩かれるのと同時に心にチクチクしたよ。でも受けるべき咎だと思えば普通だとも思える。おかしいのは女子の場合なんだよな~。
「あんっ転んじゃった♥私の胸にドキドキするなんてエッチな人ね♥」目隠ししたままでどうやってそう転んだのうっひょ~!「私の棒♥咥えてみる?」つまりその棒は君にとっての●●●サック?これってプレイじゃないぞ?「棒で叩くよりあたいの足で蹴られる方が良いんでしょ!」くそっこういう様になってる女子には逆に躾けてやりたい性分だってのに何もできない!でも一応、ありがとうございます!
俺が催した『ギラ割り』をいつしか女子たちには『あの杉田の頭を使って色々と遊べる』みたいな認識になったらしくさらに人気が上昇、『スイカ割り』の存在が皆無に等しくなってた。なんでこうなった?
「そりゃあ、やりたい放題になるに決まってるだろ」
「ようやくツッコミを入れてくれたか機関車ツヨシ、大遅刻だぞ?ソウル島のトップシン・パッチ卿が激怒するレベルだよ」
「こんな砂浜に埋まって首だけ人間を見て普通にツッコめるワケないし。江戸時代の処刑を見せられてる気分だ」
「それは言えてるな。ある意味では、これは俺に対する罰であって欲しいよ。さて、これが一種の処刑方法だとわかった良い子ちゃんな読者のみんななら分かるよな?言う事はただ一つ、真似しちゃ駄目ですYO!」
「できるわけないだろ!こんな自己否定な行動!」
「別名:ヨーロッパのさらし刑」
「その別名の処刑通りにお前に何かを投げるべきか?」
「しても良いけど、それもはや『割り』じゃなくなってるし、お前順番守ってないだろ?やりたきゃ並んできな。それに俺は今から、受けるべき本番の罰の時が来たんだ」
「本番?なんだそりゃ?」
「今に分かるさ」
そう。俺が受けるべき罰は、彼女たちによる好きな男に対しての嫉妬という名の制裁だ。昨夜は勢いでエリとだけ重なっちゃったからみんなプンスカ怒っちゃってる。ラブコメな漫画やアニメだと、男主人公は女の子にラッキースケベしたりその子からの愛情表現とかで別の女の子から嫉妬&制裁を受けるのが定番だ。普通なら弁解の余地があったりで主人公は逃れようとするけど、俺の場合は言い逃れ不可能だ。理解しているからこそ自分で今日ここに処刑台を設けて彼女たちに各々が考えた制裁を加えるよう言っておいたワケだ。まずは実央から。
「聞こえてる?ギラ君。私の心はバラよ」
「バラには棘が付き物だもんな。もちろん棘ごと俺は受け止めるよ、実央の気持ち」
バシッ。
次はクレアだった。
「心理テスト『鮮やかなお花畑のなかで、「裸のイヴ」が昼寝をしています。そこへ、一匹の蝶々がひらひらとやってきました。この蝶々は「裸のイヴ」のどこに止まりましたか?』」
「あ~それ答え知ってる。感じやすい箇所はどこかってやつだろ?俺の見立てではクレアが一番感じやすい場所はまん・・・」
バシッ。
彼女最後まで言わせてくれなかった。悔し文句を言い残して。
「殿下だけズルい・・・・・」
さっすが女剣士たちだ。訓練して平衡感覚もバッチリ!目を隠しても見事俺の頭に木の棒で一撃を入れてる、骨身に沁みたよ。次は巴だ。でも彼女目隠ししてるけど木の棒じゃなくてUZI持っちゃってる。
「っはは~、剛よりも先に『割り』の意味を消してきたな。一応聞くけどそれセミオートにしてる?」
「もちろんよ」
チャカッ、ドンッビシッ。
ちょっと俺の頬に掠った。銃声だけでも注目してた生徒たちの多くが一目散~。
「お前なあ・・・、俺が慣れてるからって平和な砂浜にバイオレンス投入するなよ」
「相手の嫌がるトコを突くのが効果的。あなた愛憎ドロドロな展開が嫌なんでしょ?だからよ」
「ドロドロなのは君の液体な時雨で十分だと思うけど・・・・・あーゴメン!ゴメン!今のナシ!」
俺の余計な一言であともう2、3発撃ってきた巴。ちゃんと外してくれたけど。次に唯。
「えっと~ギラ~?どうせならスる前に私たちも誘ってくれたら良かったのに~?」
彼女も巴に倣って自前のファイア・バレットで俺の頭に一撃を決めるつもりだったのだろうか、目隠しであらぬ方向に連射して周囲の生徒たちをノックアウトしまくっていた。
「自信ないならちゃんと木の棒でやれよ!」
次はヒナ。
「私の嫉妬は相手に苦しみを与えずに実行できる」
なんか決めちゃってます感な彼女。目隠しの上にグラサンかけちゃってるよ。
「うん、クナイをもう既に当ててるから“くるしみは無い”ってか?浅草の隣人ちゃん」
サクッとおでこにブラックホールからの~おやじギャグ~。次に好華。
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコォッ。
「なあ、本当にこれ一人ずつやる必要あるのか?やってて虚しい気もするんだけど」
「その割には結構良いパンチを16発も叩き込んでくれたよな?俺だって顔が一時的に原型を留めていないような気がするよ」
ボコボコに腫れあがった顔で言う俺、どうせ戻るけど。最後は、奈々だ。意外と可愛い剥れっ面をしていた。
「あらら~すっごく頬を膨らませて可愛いな~。でも拳をバキボキ鳴らしてるところを見ると、笑いでは誤魔化せそうにないな。そんなに怒ってる?」
「怒らない方が普通じゃないんだろ?だから怒ってる」
「あ、ダメだわこれ。後の展開が目に見えてるよ。確かにそれくらいのお仕置きは必要だと俺も思うよ?でも手加減くらいはしてくんない?番長」
奈々は聞く耳持たずに、遥か上空にスーパージャンプし、叫びと共に蹴り技を決めてきた。
「次は絶対にあたしとヤリなぁ!!」
ドオオオォォォォン!!
この日、海の公園にデカいクレーターができたとさ。
杉田義羅・119歳ー死亡。
『BULLETS』 完。
何てな。俺ちゃんと生きてるよ~。クレーターの中心でうつ伏せで倒れてるけど。ヤムチャしちゃいました~。
「破滅願望がおありのお爺さん。満足した?」
「・・・・・マゾじゃないけど満たされたかも」
ジャック・オーも頷くくらいに奈々がド派手な蹴り技を披露した後、それまで集中していた人口は完全にいなくなって、倒れていた俺に近づいたのは制裁を終えた彼女たちと剛に柳田、五十嵐そして話しかけてきたエリだけだ。
その後、辛うじて『スイカ割り』の人気が回復し、割られたスイカをみんな揃って休憩所で食いまくっていた。
「なあ。今後はもうこういうのやめにしないか?あたしの一撃でもう全部すっきりしたってことで今後は誰と行為をしようが嫉妬はしても制裁はナシってことで」
奈々の提案に物申そうと立ち上がる俺。
「いいか、番長!俺を甘やかすのは間違いだ。放っておくとすぐ余罪を増やすんだ。何故わかると思う?ヒントだ。目の前にある光景のおかげ、全てを物語ってるし望月冬夜の取り巻きを連想しちゃう。他はともかく、こういう主人公は常日頃からバチが当たってれば良いと俺は思うから制裁を頼んでるんだ。それにさ、お前らだって気は晴れるだろ?」
「・・・・・別に気は晴れないし、これは正しいことじゃないと思うけど?」と好華。
「正しさじゃなくて必要だからこそだ」と反論する俺。
「不必要だと思うわ」と巴。
「あ~ごめん、今なんだって?」
「今のギラに必要なのは“愛”だと思う・・・・・クサい台詞でごめん」と唯。
「いいって、俺も昨日クサい演出したばっかだから。でも“愛”は不必要だ。俺は生まれ変わって人並み以上の幸せをもう味わってる。実の妹の気持ちを汲んだとは言え12人の内に含んで重ねちゃったし」
「まだアイラちゃんのこと引きずってたのか?お前」と余計な一言を言う柳田。
「黙れ、リア充ランサー!法律の十字架を背負う苦しみがお前にわかると思うか?泉に愛を求めたのはきっと俺の強欲だ。だから叶わなかったんだと思う。そんな奴が、ホイホイと色んな女性と一緒にいて良いワケがない!どっかで言うだろ?『一番欲しいモノを手に入れるには、いずれその代償を払わなければならない』って」
「ギラの“代償”はあの戦争で差し引きゼロになってるって。重く考え過ぎよ」とヒナ。
「ヒナの言う通り、あなたはそんな悲観的になる思考を無視できる程の大恩を色んな人に作ってるんだから。奈々が言うように、今後は直接的な自己否定をするのはやめにして。代わりに・・・」
「「「「「「「近日中に私たち全員を抱いて」」」」」」」
「・・・・・その思考はおかしいと思うけど」
本当になんてことを言い出すんだか、この世代の女性たちは。
「別に良いじゃねえか。もっとラブラブしろよ、この幸せ男め」
「お前までそんなこと言っちゃうのか?最後の防衛ラインだろ、この狂った状況にツッコミ・エクスカリバーを放てるのは選ばれしお前だけなんだよ」
「ツッコむのも面倒くせぇ。ヤるならとっととヤれよ」
「黒い影に呑まれちゃった?モルガン」
「ボケ合戦はそこまで!」
珍しくツッコミを入れて場を収めた五十嵐。
「それで?杉田君は残りの4人とどうする気なの?」
「今日明日にでもデートの時間を設けるつもりだ」
「広子先輩やアイラちゃん、シオリちゃんはともかくペティは無理があると思うけど?だって彼女、今日林間学校2日目よ」
巴の言う通り、たしかにそうだ。みんなは知らなかっただろうけど、山茶花高校の1年生は俺達の臨海学校と一日ズレて林間学校をやっている最中なんだ。
「それだと俺があいつがいる箱根に出向くことになるだろうな」
そこでクレアたちはあることに気がついた。
〈ギラが、旅館に突入だと・・・・・!?〉
旅館という舞台が彼女たちにとってどういう場所かを認識しているのがバレバレであった。こいつらの頭はピンク色ばかりかよ。
「というワケで俺は広子とのデートを終えた後もペティのところにいるだろうから。携帯で連絡を入れたりで雰囲気を壊して邪魔するとかはナシにしてくれよ~」
スイカも食べ終わり、午後12時丁度になって臨海学校終盤前のバス乗車のホイッスルが鳴り、俺はそれに誘われるがまま北出口の方へ歩き始めた。でも好華たちは休憩所に留まって何かを相談していた。
「絶対ギラは旅館でも勢いが過ぎるとヤッちゃうと思う」
「旅館と言えば露天風呂だもんな」
「うん、男の性ってやつだね」
「『据え膳食わぬは男の恥』・・・・・」
「こうなったら私たちも今夜突入しよう」
「「「「「おー!」」」」」
彼女たち一応小声で喋ってたけど何度でも言う、俺には筒抜けだぞ?
はい!というわけで『とんでもデート大作戦延長戦』突入です!あと本文を読めばわかると思いますが『暁のブリテン ~ The First Bullet~』と重ねて読むともっと楽しめますので強くおすすめします!
ではまた次回に!




