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BULLETS(ブレッツ)  作者: 砂川 武
43/63

39発目 海水浴場を爆破だと?その前に自ら当たって砕け散れ!








 臨海学校。


 それは、男女が近しく触れあう為の恋愛ゲームイベン・・・・・ザザッ。

 おっとっと、バグった。

 それは、海を身近に体験することを目的とした夏に行われる学校行事である。現在で言えば夏の季語にもなっている。

 一般的には期末考査の後に2泊3日から1週間程度で実施される。菫楼高校も例の如く1年生が今日から2泊3日で行うのだ。



「ま実のところ砂川の奴、実経験不足で臨海学校の存在を忘れてて最近になってようやく思い出して今回のネタにギリギリ起用したらしいけどな。時期は間違ってないかとかでハラハラもしていたんだと」

「作者の暗部をいちいち本編で晒すなよ・・・」

「これくらいなら良いさ。実は作者老人なんだぜ~とかそんなデマを流すよりかはマシな方だぜ?」

「俺が言いたいのはな、次のカードを引こうとする人にそうやって面倒くさい話で妨害するのをやめろって言ってんだよ!!」

 目的地である八景島・海の公園に向かうバスの中でババ抜きをやる俺達。




 さあ~てやってまいりました!臨海学校でっす!!



 到着~。

「え~本校の臨海学校は、みんなもご存じの通り海水浴場は貸し切りではありません。他のお客さんたちもたくさんいます。なので事前から各クラスごとの担任から言われてるように迷惑行為だけは絶対にしないように!では解散!まずは1組から更衣室に入るぞ~」

 教師の呼びかけなどお構いなしに真っ直ぐ更衣室に駆け込む1組男子たちの叫びはこうだ。


「「「「「「ナンパしまくるぜ~!!ひゃっほう~!!!」」」」」」

 ただの、女に飢えた獣たちだった。

「「マナーを守れマナーを!!」」

 教師たちも大変だ。




 変わって2組が更衣室に入る番。

 学校指定ズボン!カッターシャツ!Tシャツ!パンツ!靴下!何もかも脱いでからの~、グラサンかけて~!

「Come on baby!!10年ぶりの海水浴だぜ~!!」


「待て待てー!!グラサンかける暇があるなら海パンもちゃんと履けやー!!」

「あ、悪ぃ悪ぃ。ついテンションが上がっちまってよ~。それじゃっ、改めましてうっひゃぁ~っ!!」

 なんとか海パンを履いてハイテンションで更衣室をあとにしていったギラ。

「なあ鈴村。あいつあんなに海水浴が好きだったのか?」

 クラスメイトの一人が聞いてくる。

「俺もよくは知らねーけど、あいつ今まであんま海水浴に行けてなかったんだとよ」


 泳ぐ前にはもちろん!奏流院さんからの知識、『動的ストレッチ』だ!

「そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!そいや!」

 男の俺がやっても需要ないので、早送りで終わり!

「終了ー!そんじゃ潮水へ~、GOー!!」

 はしゃぐ俺に、先に来てナンパ・逆ナン中の1組の連中と他の海水浴客たちからの注目を浴びるがお構いなし!グラサン取って~真っ先に海へどっぼーんっ!!

 クロール!平泳ぎ!背泳ぎ!犬かき~。バタフライ!ひゃっほう~!!

 そしてラッコ状態~。

「ああ~、やっぱ海は潮水を感じてこそ最高だよな~」

「どう?念願の海水浴の感想は」

 波に揺らされながら浮かんでいたらぶつかってきた誰かが俺の顔を覗き込んで喋ってきた。

 俺が選んだワインカラーのワンピース姿の巴だ。

「・・・・・お前の首筋見るのは久々だな~」

「あら、あなたが選んだとはいえ水着を最初に褒めないのは良くないわね」

「ロリコンたちに需要でる水着ですな~」

「それが言いたかっただけかい!!」

 あ、こいつ!俺の顔を沈めがぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっ!ってからの~。

 両足を水面から出し、巴の首回りに絡ませ、両腕は彼女の足に!

「な!っちょ!これは・・・!」

 そのまま海に引きずり込み、ワニ・ツイストじゃあああああああっ!!

「ぼががあががごごごごごごごごごごごっ!!!」

 あっはっはー!女の子がしてはいけない顔になっちゃってる~。

 一息からかったところで巴を背負って浜辺に戻った。

「あんた・・・・後で覚えてなさいよ・・・!」

「にひっ、いつでも返り討ちにしてやるぜ~」

 そんな俺と巴を見る一団が。2組男子たちである。

「なあ、あの背中にいるの、1組の細川だよな?」

「だよな?杉田の野郎、いつの間にか特定の女子と距離縮めてねえか?」

「あいつ、誰とも付き合わないとか嘘を言うどころか、男は皆おっぱい好きという暗黙の了解を軽々と破って貧乳キャラを選ぶとは・・・!」

「俺だったら3組の北野さん選ぶぜ!」

「俺、原賀さん派」

「まだいないけど渡辺さん派~」

 そんなスケベ男子たちは背後からじーっと見つめる名指しされた本人たちを含めた2組女子たちに気づく。

「「「「結局男共はおっぱいかー!!」」」」

「「「「「・・・そうだ!俺が・・・・俺達がおっぱいだー!!!」」」」」

 そこは共感できる俺もクラスメイト男子に賛同して揃って叫ぶ。

 そして同時に巴に首を絞められる。苦じい苦じい。

「そして巴ちゃんズルい!ギラを見つけたら真っ先に飛びつく予定だったのに!」と唯。

「あたしも混ぜろー!!」と好華。

「私も!」とヒナ。

「そしてあたしも混ぜろー!!」と3組の着替え番が回って更衣室からちょうど出てきた奈々。

「お前はもっと力自重して動け!この怪物少女!!」

 奈々の全力疾走でビーチがめちゃくちゃになってしまっている。こらこらっ!

「つーか女子~、タオルで上隠すなよ~」

 クラスメイトの男子一人の一言通り、女子たちは着替えてきたというのにタオルで隠しているのだ。理由は分かっているのだが、どうやらブーブーな男子たちは気づいていないらしい。

「仕方ないね~、そんな鈍い男子たちにアドバイスを一つ!女の子は自分の水着を好きな相手だけ一番に見せたいっていう願望から、この姿に落ち着いてるのです!!」

「「「「エリちゃん!?それ言わない約束じゃ!!?」」」」

 エリの発言で赤面して戸惑う女子たちに、ドキッとする男子たち。そんなクラスメイトたちに俺からの一言。

「お前らも一歩手前なんだからよ?他人をひがむ前に自分たちの夏を見つけなよ」

「「「「・・・そうですね!遊び人先輩!!」」」」

「それ敬意のつもり!?全然嬉しくない!!」

 男子たちはさっそく自分アピールをと、泳ぎ対決でもと海へとかけていった。

 青春やってていいね~。

「からの~」

 ババッ。

「「「「「どう?ギラ!火傷しちゃう?」」」」」

 唯のフリから始め、ヒナたちが一斉にわざわざ俺に向けてロリコン伯爵と対峙した大泥棒の如くタオルを解き、自分たちの水着を披露してきた。俺が選んだ水着を!

 唯の赤白縞柄ホルターネック、奈々のブラックにヒマワリ柄三角ビキニ、エリのビスチェ、ヒナの水玉柄ハイネックビキニ、好華のヒョウ柄クロスデザインビキニ。

「お・・・おお・・・お・・・!」

「あ、ちょっとギラ。ここは理性保ちなさいよ?じゃないと・・・」

 巴が耳元で説得するも時すでに遅し。

 彼女らがやらかしたタオルを使っての見せびらかしシチュエーションに呑まれ、

 プツン。

 俺の理性は、切れた。

 巴をゆっくり下ろし、そして、

「うっひょひょ~俺だけの楽園、ここに見つけたり~。ギラ~ンダイブ~、いっただっきま~す!」

 完全に野獣へと豹変してしまった俺は、海パンを脱ぎ捨て唯たち目がけて飛び込みをかけた。あでも大丈夫。インナーは、履いてます。

 しかし!ここでスローモーション!

 ダイブ中の俺の顔面に、俺に自重キックを繰り出す柄のブラジリアンビキニ姿の実央が割り込んできた。

「ヴォゥエッ!」

 顔面にキックが決まった俺はもちろん、そのまま唯たちにドボンッではなく砂浜にズボンッよ。

「ふぅ、間に合った・・・」

 どうやら実央が所属する4組も着替えの番を終えたらしく、多分エリたちからタオルのことを事前に聞いていて、俺の反応を察した上で急いで着替え、そして現場に直行して暴走した俺を止めてくれたのだろう。まあ、他に先を越されたくないという想いもあってのこともあるだろうし・・・。

「・・・ナイス、自重キック・・・。そして・・・・水着、似合ってるZ」

 とりあえず、何より暴走を止めてくれたことに感謝し、彼女の水着を褒める俺。

「ん、ありがと」

 素直に受け止める実央。




「あれがギラの本性か~。やっぱりお前も狼だったんだな~」と一部始終を見た剛が感想を述べる。

「うるへー、これでも理性保つのは大変なんだからな~。あとさっきのタオル作戦、入れ知恵はエリだな?」

「ふふっ、ご名答☆」

 満足そうで。おかげであのシチュエーションに見事にぐっときたよ。ナイス!

「ところで、クレアはまだタオル取らねーのか?」

「う、うっさい!やっぱりこんな水着を人前で晒すなんてこと、私にはできないって!」

 彼女はもう涙目になっていた。う~ん、俺はその水着を着てくれただけでも嬉しいけどな。それをここで自ら見せてくれたらもっと良いとは思うが、ちょっとこの様子じゃ難しそうだな。

 そう思ったところで、とある小学校の子供たちが走り通ってきた。あまりにもはしゃいでいたので、俺達のみならず他の生徒、他の客たちも釣られて見ていた。

 そこで!運命または神のイタズラか、子供たちが俺たち一人一人の間をすり抜けていく中、一人の子供が砂遊び用に持っていたスコップが、偶然傍にいたクレアのタオルに瞬間的に引っかかってしまい、首回りにかけられるよう止めていたボタンが勢い余ってプチンッと外れ、タオルは地面に落ち、本人が隠していたクレアの水着姿が露わになってしまった!

 子供たちに注目していた人々も彼女のタオルが落ちたところを視界に捉え、そして驚愕した!

「「「「マ、マイクロビキニ!!?」」」」

 そうです!

 助平な俺は前回の水着選びで彼女には青のアロハ柄マイクロビキニを選んじゃいました~。ぐふふっ。

 当然本人は自分が過激な水着・・・いや、ほぼ単なる紐を着ていることが周囲にバレた羞恥のあまり。

「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」

 悲鳴を上げてどっかへ突っ走っていった。

「あららー、行っちゃった・・・」

「「ギラ、誰かに選んでたってアイラちゃんから聞いてたけど、まさかクレアさんに・・・」」

 と唯とヒナ。

「お前、なんつー水着を・・・」

 ちなみに剛には行きのバスん中で水着選びについてはもう伝えている。

「お前こそ、アンナさんとか鉢ノ上とかが着てくれたら満足じゃねえの?」

 俺の一言に反応して、剛は頭ん中で二人のマイクロビキニ姿を想像したらしく、顔が真っ赤っかになった。

「あっ、な、てめ・・・!」

「ぐふふ、ウブな人間機関車だこと~。すぐボイラー赤くしてやがる~」

「う、うるせぇ!この女たらしソルジャー!」

 照れ隠しに拳を振るう剛に、それをあはは~と避けまくる俺。

「まあいつまでもここで立ち話もなんだしさ、海入ろうぜ海!」

「ちょ~っと待ったぁ!!」

 と突然エリが呼び止めてきた。

「何だ?お前らストレッチまだなのか?」

「それもだけど、まだこのイベントは終了してないでしょ~♥」

 すると、ワクワクする彼女たちの手には色んなサンオイルの容器が。

「貴様らはかりごとばかりか!!」

 こいつらわざと塗ってこなかったらしい。




 一方、俺たちとは別に遊んでいた剣と五十嵐は。


 一緒に海をスイミング~、ビーチバレーボールでポンポーン、しっかりと彼氏彼女のあははは~な時間を楽しみ、一旦水分補給をしに施設付近に来たところだった。

「ああ~最近は訓練ばっかでこういう時間を過ごせなかったから、なんだか尊い気分だ・・・・」

「まあ私たちの存在が非日常的だしね~」

 そんな会話をして歩いていたら、パラソルの下で何故か“かごめかごめ”をやっている連中が。あ、やっぱり原賀たちだ。見たところ囲ってるのは女子だけだな。

 なぜ“かごめかごめ”を?と本人たちに聞くが、やっている本人たちが歌い回ることだけに集中していて俺の質問に全く気づいてない。何がどうしてそこまで真剣に?との疑問の下、彼女らが囲っているのは誰なのかと、俺と克江はタイミングを見計らって細川と黒崎の間から顔を一気に突っ込んで中を確認してみた。

「「え!?」」

「「・・・・あ」」

 彼女らが囲んでいたのは、渡辺と彼女に対してサンオイルを塗っていたギラだった。

 しかもちょうど、水着を脱いで胸に塗る“手ブラ”状態だった・・・。

 ・・・・・・ああ、うん、人目とかあるもんね。だからこその“かごめかごめ”だったのか・・・。

 ・・・とりあえず、

「「しっつれいしましたーーー!!!」」

 俺と克江は一目散に逃げ出した。

「「その辺は察しろリア充!!」」

 二人の恥ずかし混じりな怒りの声を背に。



 逃走中の二人。

「・・・・・俺達も今度やってみる?」

「・・・・・次に」





「はい、ちょっとしたハプニングもあったが、とりあえずストレッチしてからな~」

 俺はもうやったが、唯たちがまだだから少々待っている。

 ここで!受け売りだが、『動的ストレッチ』をご紹介~。

 実演は菫楼高校1年が誇る美少・・・美女たち~。

「今の悪意ある説明、誰への配慮かな?」

 と、俺の肩をギリギリ19歳のクレア。戻ってきたか・・・。

「まずは私から~、肩を外回し、内回し」

 胸をプルンプルンと揺らす唯。

「あったし~、脇腹を伸ばす横曲げ~」

 脇を魅せる奈々。

「肘を曲げて肩回しだ~」

 背中の肩甲骨をエロチックに動かす好華。

「足と手を左右別々に前で当ててトゥータッチ~」

 太ももがやっほ~なヒナ。

「体を大きく張って大胸筋ストレッチ」

 少々笑顔が足りない巴。その時数人の女子が。

「「「「おっとっと、何か水着が破れるかと思った~」」」」

 ・・・・まあ、“持ってる”もんね~グへへ。

 そんな心配を一つもしていなかった巴は。

「ふんぬぬぬ~~」

 さりげなくさっきよりもぐぐぐっと力いっぱいに体を張っていた。

「見栄は張るな、諦めろ。あと買ったばかりの水着壊そうとするな」

 気を取り直して次、行ってみよ~。

「片足を縦横に動かして股関節のストレッチ」

 綺麗なおみ足を動かす実央。

「こ、今度は片足を・・・グルグル回す股関節のストレッチ~」

 布地が少ない水着でドギマギしながらもぎこちなく実演するクレア。

「そして~、そんな私たちをエロ目線で拝む猿顔のグラサン男~」

 可愛い女子たちのストレッチ姿を見てデレデレする猿顔のグラサン男を紹介するエリ。

「ウキキキッ、ウキャキャキャッウキャッウキャッてこらぁっ!」

 そりゃそうだけども!



 まあ、一つ言えることはこうだ。

 ヤバ子先生、知識をありがとうございます!





 では!ストレッチも終えたところで~、改めて海水浴を楽しもう!!

「出張版!サマー・・・」

「「「「「「「「そのネタと段ボールの仮面に走るのはやめて!」」」」」」」」

 ・・・・やっぱダメ?


 

 みんなでアート並みの砂遊び、砂風呂、砂山崩し、ビーチフラッグ、ぐるぐるバット、海をスイミング、泳ぎ競争、なんでもござれ~。

「いや~これだよこれっ!!これこそ俺が求めていた夏~!!」

「・・・何でギラってあんなに夏が好きなの?」

「彼、前世で海水浴を楽しんだことが無いんだって」

 そう、エリの言う通り、俺は前世をひっくるめて海での楽しい記憶がほとんどないのだ。前世での両親の話だと、物心つく前に一度だけ海水浴に行ったことがあるらしいが、当然全く覚えていない。

「前世で臨海学校は行かなかったのか?」

「それがよ・・・・・林間学校でした・・・」

 と涙目になる俺。

「ああ、それは残念・・・」と察する剛。

 林間学校とは、臨海学校に並ぶ学校行事の一つであり、この二つのどれかしかない学校もあったりするのだ。だから俺は前世で臨海学校を楽しむ機会がなかったのだ。

「海に行く行事があっても、潮干狩りぐらいだったし・・・」

「夏休みはどうだったの?なんて・・・・!?」

「奈々よ、今の発言は禁句だからなぁっ!!?」

 と血涙を流しながら奈々に詰め寄る。

「あ、・・・・悪ぃ」と今更気づいて謝る奈々。

〈童貞119年だもんな~〉

 その場にいる全員が思った。

「まあまあ、そんな暗い気持ちなんか捨ててもっと楽しも?今じゃここにあなたの『ギラ杉ガールズ』がいるんだから」

 となだめるエリ。

「「「「「「「『ギラ杉ガールズ』って!?」」」」」」」

「松野クソブラザーズを巻き込むな。奴らが絡んだら俺確実に流刑だぞ?」

「トト子ちゃんなら銃殺か爆殺だな」

「「「「「「「「「それな」」」」」」」」」

 剛の一言に誰もがビッと賛同した。


 そんなこんなで海ではしゃぐ俺達だったが、流石に小腹もすいてきたので俺はみんなの為に先に海の家へ買い出しに行こうと陸に戻った際に、


「「「お兄さ~ん私たちと遊ばな~い♥」」」

 数人の水着ギャルたちの逆ナンに捕まった。

 ちっ、10年前はこのグラサンで気味悪がって近づいて来なかったってのに・・・・。


 まあ、伏兵は置いて来たから大丈夫だろうけど・・・。


「予想通り。逆ナンに捕まったな」とギラが創造した双眼鏡で覗く好華。

「すっかり忘れてたけど、やっぱあの男ここでもチヤホヤされるわね」とUZI型水鉄砲に水を入れる巴。

「あの男は“本人にその気はないけどほおっておくといつのまにかどんどんモテちゃう主人公”だから、結局のところは“なろう系”よ」とブローニング型水鉄砲の準備をするヒナ。

「もうすでにここにいる人数だけでも常識の範疇超えちゃってるしね」とバズーカ型水鉄砲の準備をする唯。

「うん、そうだな。だから・・・・・」とガトリング型水鉄砲を担ぐ奈々。



「「「「「「「「これ以上競争者が増えないよう自分たちであの男を管理しないと・・・!!!」」」」」」」」


 そんな息巻く女たちを冷ややかな目で見る剛・剣・五十嵐。

「女の戦いは醜いな・・・」




「お嬢さんたち、お誘いは大変嬉しいんですが、俺は遠慮しときますよ」

 一応やんわりと断ろうとする俺だが、

「ええ~?いいじゃ~んちょっとぐらい~」

「あちしたちと一緒ならもっと・・・・・・」

 今どきの若いもんはここで引かんからな~。


 と、そこへ、


「「「「「「「「待てぇぇぇぇぇぇっ!!その男は私たちの獲物だあああああああっ!!!」」」」」」」」

 水鉄砲を撃ちながら怖い形相で突進してくるギラ杉ガールズたち。

「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!?」」」」

 当然、ギャルたちは退散していった。

 ・・・・助かったけど、これはやりすぎだと思うが?

 ふと、辺りを見渡すと同学校の生徒たちがなぜか海の公園南口方面に向かっていた。

 あそこで何かイベントってあったっけ?感知能力で南口をはあk・・・。

「南口辺りでモノホンの金髪外国人美女がいるってよ!」

「究極のダイナマイトボディだそうだぜ!!」

「しかも同年代っぽいよりどりみどりな外国人女子たちがたくさんいるらしいぞ!」

「さらに結構マッスルなグラサン外国人もいるって!」

 走り去っていく生徒たちの声が俺の耳に入ってくる。


 ・・・・・感知能力、使うまでもないな・・・。



 件の南口で。

「お姉さん!どうか俺達と、一夏の思い出ををををををををっ!!!」

 と、菫楼高校1年男子(特に1組の男子)たちが必死の土下座をしてビーチチェアに座るブラックで布地少なめで複雑な構成のモノキニ姿のとある金髪美女に懇願していた。

「ダメダメ。あたいと付き合うんなら、『仁義なき戦い』ぶっつづけ11作に付き合ってもらわなきゃね~」

「それでも構いません!どうかお願いします!!!」

「え~どうしよっかな~」

 その隣のビーチチェアでは、

「お兄さ~ん、私たちとイイ一夏過ごさない~」

「あ~いや、その・・・お嬢さんたち?自分らは君らにとっては悪い物件(?)だと思うよ?」

 肉食JKたちに囲まれてドギマギするそこそこマッチョな外国人の男たち。

 そして、

「俺達と一緒に遊ばない~?」

「えっと、私たちはちょっと・・・・」

 ちょっとチャラい系の男子(特に1組の男子)たちが、ゼブラ柄オフショルダービキニ姿の義手持ち赤毛女子を始めよりどりみどりな外国人女子たちをナンパしていた。

 そこへ、


 バギューンッ。

 

 突然の銃声に驚き、人々が発声源を見るとそこには、硝煙が出ているコルト・ガバメントM1911を空に掲げ、水着の上にスーツジャケットを着てグラサンをかけた10名の集団を率いる白黒髪のグラサン男が立っていた。

「あれ?あんたら・・・」

 バギュンバギュンバギュンッ!

 何かを言いかけた金髪美女は、グラサン集団の中の小柄なグラサン少女に無慈悲にもコルト・ガバメントで頭・右胸・左胸を撃たれ血を流し、ビーチチェアにそのまま倒れた。


 2112年 7月25日午前11時40分

 ラスティ・ハーロ 死亡


 ♪パーリラリラリラリラリラリラッ パーリラリラリラリラリラリラッ♪(“あのテーマ曲”)



「お嬢!!貴様ら何を・・・」

 グラサン集団はそれで止まらず、

 バギュンババギュンバギュンバギュンバギュンババババギュンバギュンバギュンバギュンバギュンバギュンバババギュンバギュンバギュンバギュンッ!!!

 時々空弾倉を捨てて新しい弾倉を装填するグラサンたち、そこそこマッチョな外国人の男たちを銃殺。

 全員ヘッドショットだった。



 2112年 7月25日午前11時41分

 ロン・ミッシェル 以下ラスティ一家20名 死亡


 ♪パーリラリラリラリラリラリラッ パーリラリラリラリラリラリラッ♪



 そして、赤い長髪のグラサンが義手持ちの赤毛女子に近づき、銃口を向けた。

「ええ!?私も!!?」

 バギュンッ!!

 と脳天に一発、前のめりに倒れる。



 2112年 7月25日午前11時42分

 ロザリア・ルキーラ 死亡


 ♪パーリラリラリラリラリラリラッ パーリラリラリラリラリラリラッ♪


 

 そしてグラサン集団の最後の標的は、残り6名の外国人女子たち。

 バババギュンバギュンバギュンバギュン!!!

 容赦なく銃殺!

 やはり全員ヘッドショットだった。



 2112年 7月25日午前11時43分

 ジュディ・ボッシリーニ 以下レッド・クローバー5名 死亡


 ♪パーリラリラリラリラリラリラッ パーリラリラリラリラリラリラッ パリラーーーーーーーッ パリラーーーーーーーッ♪



 さて、ナンパ・逆ナンパ相手の外国人らが全員射殺されたのを目の当たりにしたチャラい男子女子たちは、死屍累々な光景で声が出せなかった。

 ただ、さっきから“あのBGM”が聞こえてくるのはなぜ?と探してみると、グラサン集団の中に一人、カセットデッキを抱えている筋肉質な男がいて納得する人々も。

「お、おいお前ら!だ、誰だか知らねーけど、こ、こここれ正気でやってるのか?」

 一人チャラい男子が声も足も振るわせながらも勇気を振り絞って殺人者たちに発言した。

 白黒髪のグラサン男がその男子に答える。

「山守君」

「自分、海堂ですけど!?」とチャラ男子。

 そしてグラサンを取り、コルト・ガバメントを上げて言う。


たまはまだ残っとるがよぉ」



「「「「「「「ぎゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」

 その一言、その眼差し、その気迫に恐れおののき、南口にいた人々は北口方面の砂浜へと一目散に逃げ出した。

 それを確認するグラサン集団。そして、


「お~い起きろよ~。でないと、今度は本物の鉛玉ぶち込むど」


 グラサン男の呼びかけに反応し、血のり弾まみれの外国人たちがムクりと起き上がる。


「「「「あり?生きてる?」」」」




 さっきの小芝居は、周りに人がいると余計な情報だけ耳に入って変な誤解を産まないようにと考えた結果、関係者以外を立ち退かせる為に実行したのである。

 なぜ、身辺整理の為に一旦アメリカに戻ったはずの彼ら彼女らがここ日本にいるのかを聞き出すために。

「拠点を日本に移しただぁっ!?」

「そう。もうあたいたち結託してマフィアも賞金稼ぎもやめて日本に住むことにしたから。・・・これが“焼きそば”ね~」

「我々もあんたらと同じ“ヒーロー”ってもんを経験した身、もう元のしのぎには戻れないと悟った矢先、どうせならと憧れの国:日本に住もうと思い至ったわけですよ。・・・旨いですな」

「元々私たちの方は表向きがシスターだから、自分たちで教会さえ建てれれば活動拠点は簡単に移せるからね。だから今回ラスティたちと合同で東京に教会を建てたワケ。・・・・ソースが効いてるわね~」

「どうりでマフィアのやつらが少ないと思ったら、残りの30名は教会への荷物運びしてんのかよ。・・・・懐かしの焼きそば、旨いの~」

「「「ギラ、老けてる老けてる」」」

 会話をしつつ俺達は、焼きそばを食べながら、

「おりゃーーーーー!!!」

 モーターボートならぬ、奈々の“番長モーター”により引っ張られるバナナボートならぬ“番長ボート”で海を満喫中のみんなを眺めている。

「先日に海水浴を楽しんだ30名に代わって、あたいたちも今日海水浴に来たってワケさね」

「なーるへそ~。それで?お前ら職探しは?」

「3年は食いつなげる自信があるから地に足をつける職はやめておくよ」

「あなたたちが卒業するその日まで☆」

「・・・・・おいおい、まさか“向こうの遠征”の日までニートになる気か?働きたくないでござるって叫んでるお前らの未来が容易に想像できて怖いんだけど」

 この質問にとの女たちはウィンクしながら答える。

「「就職先が決まってるから大丈夫!あんたの愛人♥」」

 ジュースを飲んでいた俺は当然、

「ブバーーーーーッ!!!」

 吹き出した。

「ごほっえほっ、な、何の魂胆があってそんな・・・」

「魂胆もなにも、あたいらがあんたを気に入ったってだけさ。生まれ変わりの人間で、同じ能力者、しかも何でも創造しちゃう規格外の能力」

「さらには戦士でもあり、サムライ、世界における重大な異世界遠征プロジェクトに関わっている、肩書きを言い出したらキリがない男に魅力を感じないだなんて言わないよ?」

 男は肩書きだけで決まるんじゃないってのに・・・。

「・・・・おいロンよぉ、お前の上司こんなんで良いのかよ?」

「自分は元々お嬢のご意向に沿うだけと心に決めた身ですよ。それに、あんたらやトラたちと一緒なら、3年後の異世界遠征に参戦して生涯を終えるのも悪くないと思いますしね」

「あいつらのほとんどがあんたにベタ惚れなんだろ~?聞くところじゃ、あんたも最近は彼女らの提案に対して軟化してるらしいし、しかも一晩の内に全員と相手したっていう強者つわものらしいじゃないかい、あたいたちが加わっても損はないだろ~?」

「そうそう。昨今じゃ100人の女性にフラれた挙句100人の運命の相手を自分の彼女にしていってる作品だってあるらしいし、こっちで女をたくさん作っても問題ないでしょ。なんなら本当に100人ハーレムを目指す?」

「それ漫画作品の話であってうウチは小説作品だからね。もし俺が遠征する前にそんなもん目指すクズに成り下がった時はこの作品せかいが連載打ち切りになる時だかんな!あとお前らその情報源はどこからだ?」

「「エリからだけど?」」

 ・・・・あいつ、機嫌悪くしてたくせにしれっとこいつら勧誘してんじゃん。

「ねえ~良いでしょ♥入れてくれたら今晩・・・いいや、その辺にあるはずの岩陰とかで私のテクを披露してあげるから♥」

「八景島にんなスポットねえから。そもそもその気があるならまず好華たちにそれを公言してこい。話はそれからだ」

「OK,Mr.Gira♥」

 焼きそばを食べ終わるとラスティは、口をふくなり俺の頬にキスして、そのまま同じく食べ終わったロンを連れて好華たちがいる海に駆けて行った。

 そして今気づいたことだが、あいつ背中の『人生走ってそのまま』の入れ墨、耐水ファンデーションで隠してやがった。

「やれやれだぜ。お前は行かねーのか?ゼブラ」

「私人間だし美食屋じゃないからその呼び方はやめて。3年ぶりの二人っきりだからちょっとぐらい楽しもうかなって」

「お互い今回は殺意ナシでってか?」

 最後の一言で笑い合う俺達。



「それで、あなたいつから“どうやって義手義足じゃなくなった”の?」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「・・・・・それが聞きたくてここに残ったけど、嫌なら言わなくて良いし・・・・ってえ?ええっ!?な、何!!?」

 突然ロザリアが驚きの声を上げたのは、俺が彼女を強引に引っ張り出し自分のビーチチェアに座らせて彼女をぬいぐるみのようにぎゅーっと抱きしめたからだ。

 ロザリアの心境は、

〈ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?突然何!?あの殺し合い以来だけど、近いとか密着し過ぎどころじゃない!私、男に抱かれてる!?いや、たしかに愛人希望を表明したけど!段階が早いって!え?まさか溜まってるの?溜まった性欲を私で処理する気なの!?でも憧れの“初めて”を迎えられるならそれでも!まだ明るいけどむひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!〉

 こんな感じである。

「ロザリア」

「は、はい!!何でしょうか!?」

「悪いがその辺の話には触れないでくれ。原因そのものは皆も知ってるんだが、気を遣ってみんなも深入りしないでくれているんだ。今のを二人っきりの時を狙って聞いてくれたのは感謝する。だから今後はもうそっちからは聞くな。いつかの時に、俺から話すから待っていてくれ」

「・・・え、ええ分かったわ・・・」

 真面目口調で話したことで俺の気持ちが伝わって、ロザリアは心を落ち着かせて了解してくれた。

「にしてもビーチでの女の抱き心地、自分でやっててなんだけど背徳感が出てヤベーかも・・・」

 さっきみたいにまた理性がプッツンしちゃいそうだ。

「あ、ならこのままズッキュンしてもいいけど・・・♥」

「名残惜しいが、マナーは守んなきゃいけねぇ。だから―」

 俺はロザリアを立たせ!

 彼女の股に顔を突っ込ませ!

 そのまま担ぎ上げ!

 肩車をし!

 砂浜を駆けて海に直行!!



「今は夏を楽しんでスッキリするのみじゃーーーーーーーーっ!!!」

「これはこれで別の恥ずかしさが出るんだけどーーーーーーーーーーーっ!!!?」


 





 そんな様子を南口の休憩所テントの辺りで見届けている者たちが。

「君、何が殺人事件が起きているだって?死体もないし銃を持っている人間もいない、いるのは清く正しく夏と青春を満喫している男女たちだけじゃないか」

 ある通報により駆けつけた神奈川県警の警官二人と勇気あるチャラい男子:海堂であった。

「そんなぁっ!!」







 その後、俺達は夕方の集合までラスティ・ロザリアたちと一緒に夏を十分堪能するのであった。


















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