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BULLETS(ブレッツ)  作者: 砂川 武
42/63

38発目 女のショッピングと言えばやはり服!







「―てなわけで、俺達は過去の執念を抱えた生まれ変わり妖怪たちを一掃することに成功したワケよ」

『ほほう。聞いてると随分と楽しい任務だったみたいだな。さて、そんな楽しい任務にBULLETSのメンバーであるはずの俺達が招集をかけられてないというのはどういうことだ!!?』

 俺は自分の部屋でホログラム映像を介してブリテンにいるエンたちに先日のVS妖怪に関しての説明をしていたとこだ。

「いや、普通無理だろ?現諜報機関のトップが自国以外の件に一々関わってちゃ、知らぬ間に守るべき国が襲われたりなんてこともあり得るしよ。お前らは『アベンジャーズ』で言う舞台裏でゲリラを相手にしているウォーマシン的ポジションだ」

『『『まさかのローディ枠かよ!!?』』』

『じゃあ聞くけど、現王女であり故郷をほったらかしにして男を追いかけて別の島国に行っちゃってるそこの娘はどうかしら?』

 と、現王女の元異母姉であるメイドが進言する。指摘されたエリはというと、俺の後ろで首を右45度回し、そっぽ向いちゃった。あ~らら。

「まあまあ、現場に近いメンバーだけでも片付く案件だったってことで。それにそっちは大事の前なんだから、ブリテンから抜けさせるわけにもいかないし」

『はいはい、日時はちゃんと守って戻ってきて下さいよ、姫様』

「・・・・わかってるわ」

 交信が終わり諜報機関トップと二人のメイドのホログラムが消える。

「さて明日の準備に取り掛かるか!!」

「海水浴、何年ぶりだっけ?」

「ちゃんとしたのは10年ぶりだな。だが俺ならいつでも大歓迎だ!!」

「はいはい、大はしゃぎのお爺さん。あそうそう、このあと買い物に付き合ってくれない?」

「別に良いが、何を買うんだ?」

 自分で聞いておいてなんだが、口にした瞬間“あ、あれか”と見当がついてしまった。

「新しい水着☆」

 ニッと答えるエリ。




 暗い中、光る一つのテーブルを囲み、ゲンドウポーズをする女性たち。

「諸君。ついに彼女が先手を打ち始めた」

「やはり、同じ年ごろの女というのは手強い」

「しかし流石は殿下。私は感服いたします」

「でも彼女だけ進むというのは、些か腑に落ちませんな」

「我々とて同じ想い人、行動は起こさないと」

 そして、全員が立ち上がり、叫んだ。

「すべては!我らの“愛の輪”の為に!!」

 パッ。

 と同時にガレージの電気が光り、スピーカーから声が入ってきた。

『役者不足なので私が補います。“あなたたちはどこぞの悪の組織ですか、コノヤロー”』

「「「「「AIがツッコミすんなっ!!」」」」」





 

 エリをハーレーに乗せていざショッピング!なあ~んつって。

「あなたのハーレーに乗るのも久々ね」

「まあ最近は移動にはウィリスでしか乗せてなかったもんな。それに、お前と二人っきりってシチュエーションも5年ぶりだしな」

「じゃあ、こういうのも?」

 そういってエリは運転中の俺に、後ろから手を回して・・・あらま抱き付いてきちゃったよこの女。

「残念、実はこの急接近は実央を乗せた時にあったぜ。もっとも、本人はテンパっていて無自覚でやってたみたいだけどな~」

「ちぇっ。ならあの子に勝る感触を堪能させるのみ!」

「くっつくまでは別に良いが揺らすなよ?マナーは守らないとな」




「ああっずるい!あたしもああいうシチュエーションしたいのにさ!」

 アイラが操作する鉄紛で作った円盤で追跡中の好華が、双眼鏡で接触中の二人を見て嫉妬。

「好華だってギラと一緒にハーレー乗ったことあるでしょ?」

「あの時期アーマーが邪魔で肌の感触が全然なかったし!!」

「お互いにね。それに弦でスイングができるんじゃ好華は将来的に無理そうね」

 ちょいと皮肉を言うヒナ。

「お兄ちゃんならそれくらい気を遣ってやってくれると思うよ?」

「それありえるー」

 と杉田姉妹。

「ああ殿下、なんと大胆な・・・・」





 東京でショッピングモールと言ったら数多くある。その中でも有名な場所の一つとしてここがそうだ。

 六本木ヒルズ。

「ここ、あの浮遊大陸にギリギリ入らなかったんだよね~」

「入れて欲しかったのか?」

「いや全然」

 そびえ立つビルを前にして呟く俺達だが、さっそく中に入って買い物を楽しむ。



 

 俺は最近ではどんな服が流行ってるのかだったり、どんなデザインの家具が良いかとかを堪能。もし気に入ったモノがあれば記憶によ~く留め、家に帰ったら自分で創造してみてファッションを楽しんだり、部屋を少々改築したりする。

 エリの買い物ももちろんファッションの確認。だが際どい水着ばかり見ていて流石にジジイの俺でも内心ドギマギしてしまう。

 目の安全地帯としてジュエリー店を見ていたところ、ふと店先に展示されている宝石に興味を惹かれガラス手前まで来てみた。

 ラピスラズリをはめ込まれた水晶のブローチ。

 ラピスラズリは運を上げ、幸運を引き付ける、水晶は災いを跳ね除け、全てを清め浄化し、より良い方向へと流れを転換させるという意味がある。

 ・・・・・これいいかもな。


「ギラ!ちょっと来て!」

「おう何だ・・・ってあれぇっ!?」

 突然エリが来たと思ったらいきなり手を掴まれ、引っ張られ、そのまま試着室に・・・・、あり?


 ズボッ。



 その様子をハンガーラックにかけてる洋服の間から顔をにょきっと覗かせて見ている女子5人組。

「ああっ!あの二人入っちゃった!」

「恋愛モノとしては定番かもしれないけど、やっぱり大胆だね」

「ああまさか殿下。あの狭い中でとんでもないことを・・・」

「はははっクレアさん、いくらあの二人でもそんな・・・」

「ことは・・・ないはず・・・」

 そんな彼女たちの脳裏では、こんな考えがよぎっていた。

〈ギラは私たちを含めて相手してくれたとはいえ、あれから2回目以降は踏み出せずにいる。しかし!一度知ってしまった快感をまた味わいたいという気持ちは絶対にある!それはエリ自身も承知のはず。ならば共有するとはいえ他より女として負けたくないとしたらどうするか!それは次の段階を自ら踏み込むことができるかどうか!ギラが早撃ち連続12発かましてくれたのなら、こっちも早撃ちをすべきこと(イメージ的に)。二人は同じ生まれ変わりで、5年以上も苦楽を共にしたという仲。気兼ねなくヤるとしたらいい物件だ。・・・・マズい〉

「あの~お客様方?そういう行為は他のお客様のご迷惑になりますので・・・」

 と店員さんに注意を受けてしまった。

「「「「「・・・すいません」」」」」




 一方試着室に入った二人は。

「まあ、恋愛モノとしては定番だけどな。ヒナたちに邪魔されないように隠れてとかそういうのか?」

「ふふ、一度こういうのやってみたかったからね。それにある程度水着も選んでみたし、このまま見て行ってよ」

 俺達はあいつらが付いて来ていることは百も承知。そりゃあ気になるもんな。

「じゃあ早く着替えてくれよ。俺は目をつぶって待ってる」

「あら、この前みたいに着替えさせてくれないの?」

「それだとどれが良いかとかを判断しづらいからな」

「じゃ、じゃあ・・・・脱ぐね?」

 Uh,oh...これはまたドキドキするな。目の前で美少女が自ら脱いでいくというのにはどうも平静を保つのが難しい。脱がすのには無になれやすいのに・・・。

 目をつぶって、感知能力も切る俺。だが脱いでいく音だけでも・・・・あ、ヤバいかも。

 それでも理性を保つ俺が待つこと数分。

「できたよ」

 エリにそう言われ目を開けると、花柄ピンクのワンピースを着たエリがいた。

「どうかな?」

「う~ん、攻めが足りないな。もっと露出したものは?」

「次のを・・・」

 また脱いでドキドキ。

「これは?」

 今度は黄色のチェック柄のタンクトップビキニ。

「あともーちょい!あともーちょい!」

「・・・・楽しんでない?」

 またまた脱いでドキドキ。

「これはどうだ!」

「むむっ!」

 オレンジ色のハーリキン・チェック柄で肩掛けナシのビスチェ。

 ぐっと来た!これだ!

「君に決めた!」

「あ、ありがとう・・・」

「「「「「待って!私たちのアプローチがまだ!!」」」」」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・なぜか突然大慌てで試着室のカーテンが開けられ、顔をズイズイッと入れてきたヒナたち。何してんだよ。





「つまりお前たちは、俺達があの試着室で18禁なことをすると心配になり、あんな店員たちに怒られるような焦りの大声を放ったワケかい」

「「「「「・・・はい」」」」」

 お店の人に迷惑をかけてしまったんで、とりあえずヒナたちに正座させているギラ。

「俺達がハレンチなことする前にお前らの考えがハレンチになってんだろが。そういうのも嫌いじゃないが、公共の場でそういうのはやっちゃいかんぐらい、俺でも分かるっての」

〈あ、やっぱ嫌いじゃないんだ・・・〉

 その時、誰もがそう考えた。

「ったく、出禁になるわ、良い雰囲気がぶち壊しだわ。あ~やってらんね~。こうなったらこの埋め合わせ、お前らの体で払って貰うからな!」

「「「「「え?それって・・・」」」」」

 当然ヒナたちは2回目に踏み込むのかと考えたのだろうが、ギラの言う埋め合わせとは次のことだった。

「お前らの水着を俺が見定めてやる。高いモンだろうが構うものか!全員俺に脱がされろ!」

「「「「「何それ!?」」」」」

 ああ、そういう。

「そんじゃここの店は無理だから別の店へ。まずはクレア、お前から脱がされろ」

「あ、いやその!高い買い物は経費がかかるし、心の準備が!」

「もはや貴様に拒否権はない!あるのはおっぱいと鍛え抜かれた腹筋だけだ!安心しろ。俺から借金すればいいし、俺のエスコートで優しく剥いてやる!!」

「ひ~っ!!」

 ギラに手を掴まれ、抵抗虚しく引きずられていくクレア。

「・・・あれって、わたしたちに気を遣ってのことなのかな?」

「多分ね。実際羨んでたのは本当だし」

「しかも最後のエスコートが意味深に聞こえてならないね」

「あ~わかる。最初に“ド”が付くのが容易に想像できちゃうし」

 そんな喋りをしながら二人を追って歩き始めるヒナたち。

 アイラちゃんの言う“ド”については私も否定できない。

 私もギラが選んでくれた水着を既に買ってあるし、一緒に行こうとしたが、ちょうど今いる場所が、さっきギラが見ていた宝石店の前だったことに気づいた。ギラは何を見ていたのだろうとさらっと見ていたら、それを見つける前に別の宝石に興味が湧いた。

 ・・・・・これいいね。


 

(ただいま、ギラの水着厳選及び、着せ替え中。読者の皆さん、ご自由にご想像下さい☆)




 全員の水着選びが終わった。

「うう・・・まさかこんな水着を買うことになるとは・・・。しかもあんな激しく・・・」

「・・・・あれはあれでイイかも・・・」

「う~んやられっぱなしは腑に落ちないね。今度青姦ってのかけてみよっかな?」

「妹相手でもやっぱり手加減ナシとは、さす兄!にひひ」

「まさに『そこに痺れる憧れるぅ~』だね」

 各々が買った水着が入った紙袋を持って感想を言う。

「・・・・俺がやったのは強制着替えだよな?だよな?」

「そこは自信を持ちなさいって」とエリ。

 だって彼女らの言い分がどう聞いてもアレだったんで・・・・。

「それにこうなったら唯たちも呼んで、明日の為に水着を選んであげた方がいいよ?」

「それ俺も思ってた。だが今更あいつら来てくれるかね~?」

「私に任せて☆後の6人が来るように連絡入れるから」

「ちなみになんて書き込むんだ?」

「『ギラが強制服脱がせ大セールやってるよー』って」

「・・・・・・これで来たらあいつらビッチ確定じゃね?」

 それに若干2名程それぞれ学年が違うしそもそも学校が違うし・・・いやこの辺は言わないでおこう、女心の領分だきっと。






 唯の場合。

 期末テストというデッド・ゾーンを生き延びた反動で、翌日の準備にウキウキ中。

「臨海~♪臨海~♪明日は~臨海~♪砂浜で~男女の~世界を~つ~くる~♪あっ、エリから連絡だ」

 内容は『ギラが強制服脱がせ大セールやってるよー、六本木ヒルズに集合!!』だった。

「何・・・だと・・・?」



 奈々の場合。

 ZZZZZ~。

 唯と同じくデッド・ゾーンを生き延びた後、まだ睡眠が足りてなく、昼寝中。

 ピピピピッピピピピッ。

「・・・ん、LUMEか・・・?」

 内容は『ギラが強制服脱がせ大セール以下略。

「何・・・だとぅ・・・?」

 眠気眼が開眼するほどの衝撃を受けた。





 実央の場合。

 庭で素振りの練習中。

 ポケットにしまっていた携帯が揺れる、LUMEかな?

 エリさんからだ。

 内容は『ギラが以下略。

「ええ!?そんな・・・・いや、ギラ君が自分からなんて・・・となると・・・」

 脱がせる=着替え?

 六本木ヒルズ=ショッピング?

 服だとして明日のことを踏まえると・・・。

「水着・・・選んでくれるのかな?」






 巴とペティの場合。

 アパートの部屋でジェンガ中。

「これで負けた方が夕方のおやつで相手にアイスをおごる。いいわね?」

「わかってるわかってるって」

 ヴヴヴヴッヴヴヴヴッ。

「おっとっと、エリからだね」

「何て書いてある?あたしの集中を欠くようなことじゃないといいけど・・・!」

 内容は以下略。

「「何ですと!!?」」

 ガチャッ。

「ああっ!」

「やり~!アイスゲット!!」

 ジェンガの勝敗、ペティの負け。

 その後、書き込みの意味を考える二人。

「多分彼のことだから、これはただの着替えね」

「六本木ヒルズってことは服の買い出し、夏で新しいのを買うとしたら・・・」

 そして二人の脳裏に同じ答えがよぎって、顔を見合わせて声を揃えて叫ぶ。

「「水着だ!!」」








 広子の場合。

 敷地内の森で使用人たちとで味方ゼロのサバイバル中であった。

 もちろん、ミニミで駆け回りながらドガガガガッと倒しまくっている。

 そんな中、一人の使用人がスピーカーでお知らせ。

『お嬢様!エリ様からのLUMEが入っております!』

「了解!訓練は中止!今から見に行く!」

 全員が一息つき、広子は汗だくで休憩所まで行き、そこに置いてあった携帯を持ち、内容を確認する。エリさんからだ。

 以下略!

「・・・・池田!・・・はもう殺っちゃったっけ、夏樹!車の用意を!」

 無線で使用人の夏樹とコンタクトを取る広子。

『はっ!どちらへ?』

「六本木ヒルズ!女の戦場よ!!」

『はい?』





 数時間後、六本木ヒルズのオブジェ『巨大クモ・ママン』を待ち合わせ場所として選んだ。

 俺達が待っていると、後から呼ばれたメンバーが同時に来た。

 唯と実央と奈々は空から、巴はペティのツアラーで一緒に、広子は多分近くまでリムジンで送ってもらってからの歩きだろう。

 さて、呼びかけに答えた彼女たちに俺が贈る言葉はこうだ。

「You are bitches!!(お前たちはビッチだ!!)」

「「「「What!?(何で!?)」」」」

「「突然何!!?」」

 反射的に英語で返す者とそうでない者。もちろん後者は唯と奈々だ。

「待ってギラ。6人ともそうとは限らないよ?ところであなたたち、何か持ってこなかった?」

 エリに問われて微妙な反応するのとそうでないのが半々だった。

「「「え?これのこと?」」」

 唯・奈々・広子は手に手に“アレなゴム”があった。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 沈黙の後、実央・巴・ペティにこっちに来るよう促し、俺の耳元で今日何をやるのかを答えさせてみた。結果3人共正解。

「悪ぃ悪ぃ、3人は違ったな。じゃあみんな、ちょっとグループに分かれようか」

 グループに?何で?と一部疑問を抱えながらも俺の指示通りに分かれてくれる彼女たち。

 俺とエリ・実央・巴・ペティで組んで、残りは残りでまとめられた。数が偏ってなくね?などとはてななことを考える者もいたが、別に構わない。俺は人差し指で一方のグループを差した。エリたちもああなるほどと言わんばかりに続いて人差し指を出し、声を揃えて叫んだ。

「「「「「You are bitches!!(お前たちはビッチだ!!)」」」」」

「「「何この振り分け!!?」」」

「「「「「しかもそれやりたかっただけかい!!」」」」」

 



 コントなやり取りはさておき、フロア内に入って集合させた理由を話し合う俺達。

「何だ~、ついにギラも諦めがついて朝帰りしまくってくれるのかと思ったのによ~」とへこむ奈々。

「んなことあってたまるか!ほらとっとと水着選んでやるからついてこい!!」

 もちろん、後から来た唯たちは別に店に迷惑をかけたワケじゃないから、俺が脱がすことはない!と思っていたんだが・・・。

「あの~『強制服脱がせ』って、ご指名アリかな?」

 突然実央がそんなことを言い出してきた。あの実央が!?

「え、嘘!?」とペティ。

「いいの?実央ちゃん」とエリ。

「別に、ただ水着を選んでくれるだけなら、それくらい大丈夫かな~・・・なんて」

 ともじもじしながらも自分の希望を述べる実央。

 うぐっ。こ、これはまたキますな~。

「・・・ご指名とあらば、喜んでいたしましょうか!」

 にひっと答える俺。

「「「「じゃ、じゃあ!私たちも指名入れます!野獣に特化したGIRAを!!!」」」」

「はいよ~野獣に特化したGIRA入りま~すってこらぁっ!!」

 ホストなんて営業してねえよ。




(ただいま、再びギラの水着厳選及び、着せ替え中。読者の皆さん、またご自由にご想像下さい☆)





 今度こそ全員の水着選びが終わった。

「で?感想は?」

 ヒナが先陣切って聞くと、

「結構・・・大胆なの買っちゃった・・・」

「脱がされるってのも結構ドキドキするもんだな!」

「よし、この水着で多少はリードできるはず・・・!」

「ああ・・・簡単なシチュエーションに見えてあんなにすごく興奮しちゃうなんて・・・」

「ギラ君!やっぱり明日臨海に行く前に私たちとホテルでイっちゃおうよ!」

「脱がされるのは久々だったな~」

 内容はまちまち、しかし若干一名異常に発情している模様。そしてペティの一言でみんなが注目した。

「う~んやっぱりギラは女といると相手を興奮させる能力に特化してるんじゃないかな?」

「何言ってやがる。人間は年がら年中発情できる生き物なんだから、発情した本人がエロいってだけだろ」

「「「「「「「「「「「「そういうこと、本当でも軽々しく言わないで!!!」」」」」」」」」」」」

 全員にダメ出しをくらった。本当なのに~。

「さて、目的は果たせたが夕方までまだまだ結構あるな。しばらくは自由行動にしようぜ~」

「賛成~、じゃあ私はギラ君と一緒に行動を・・・・」

「いや広子。俺だけで歩きたいんだ、お前とも別れる」

「私を捨てる気なの!?」とショックを受ける広子。

「その言い方やめろ。男だってな、たまには一人でぶらぶらしたいもんなんだよ。それにお前らだって、あんまり揃って過ごす機会ねえんだから、これを機にもっと仲良くしろよ~」

 そう言って俺はその場をあとにした。

 残された女性たちは、

「まあたしかにこの面子ではあまり揃わないもんね~」

「揃ったのも数えるくらいだしね」

「それじゃあギラの言う通りに、私たちで交流深めよっか!」

「「「「「「「「「「「おおー!!!」」」」」」」」」」」




 とは言っても、女はやっぱり服を見せ合いっこするのが定番だ。なので回ってきた店を再び行ってでも見定めるのだ。案の定、彼女たちはファッション・ショップに直行だったし。男はそういうのを100%理解できるとは限らん。かと言って嫌な雰囲気を流すのも良くない。なので気を遣って一旦別れたのだ。

 さてと、俺は俺で男の世界へと入り込むとするか~♪



 女子サイドは。

「ふおお・・・外を歩くにしてもこんな際どいファッションまであんのかよ・・・」

 奈々が見ているマネキンが着ているのは、透け透けのTシャツだった。

「奈々、それは多分悪い例だと思うから絶対買っちゃだめよ?」とストップをかけるエリ。

 他にはこんな人も。

「胸を強調するには胸を強調するには胸を強調するには胸を強調するには胸を強調するには・・・・・」

 負のオーラを出しつつ、携帯をタップしまくる巴に、近づく影が二つ。

 そして彼女を掴み、

「いつかのお返し!」

「貧乳はステータスだ!希少価値だー!」

 もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ。

「うぎゃ~~っ!!」

 それを他所にペティがみんなに招集をかけた。

「さあさあ、ファッションショー行ってみよっかー!」



 開催地はとあるショップの試着室~。


 エントリーNo,0:実央。

 ツバが大きめの麦わら帽子に薄香色花柄のワンピースを着用。

「おお~、いかにも清楚って感じね~」とエリの何気ない感想に、

 実央どころかみんながダメージを受けていた。

「私たちはもはや清楚とは言えません・・・」

「いやいや!一夜迎えたからって清楚じゃないってワケでもないし・・・」



 エントリーNo,1:唯。

 ボーダーTシャツにスパッツの上にスカート。

「動きやすいし奇襲を受けてもいつでも即対応できる!」

 と拳をシュッシュする唯。

「これ装備選びじゃないよ~唯さん」

 とアイラにツッコまれる。



 エントリーNo,2:奈々。

 ワイキャップに白Tシャツの上に薄生地で袖を捲った黒のトレンチコート、デニムパンツを着用。

「・・・女子力が足りないね」とヒナ。

「あたしは別に良いさ。こういう自分を受け入れてくれる男がいればそれで十分!」

 ビシッと堂々と宣言する奈々。

「「「「番長、パネェっすわ~」」」」

 男にも引けを取らないその姿勢に感服するみんな。



 エントリーNo,3:巴。

 リボンベルトでウエストを絞り、丈が膝上の赤いワンピ―スを着用。

 で、いつもの青マフラーを巻く。

「それ、夏場でも大丈夫なの?」と広子。

「これ保冷剤用に入るポケット部分もあってクールタオルにもなるんです」

「ずっと気になってたけど、思い出の品なの?その青マフラー」

「ええ、彼との仲直りの証」

「喧嘩の仲直りでか?」と奈々。

「そんな軽いモンじゃないわ。“深い喧嘩”でね」

 と、大事そうにマフラーに手を添える巴。

 奈々、実央、広子は彼女が言う“深い喧嘩”の意味が分からず首を傾げる。

 古株であるエリたちは懐かしみが混じった笑みを浮かべる。

 唯だけは何かが引っかかり思い出した末、もしかして!な顔を浮かべるのだった。



 エントリーNo,4:広子。

 迷彩柄のキャミソールに、緑のカーゴパンツを着用。

「男はやっぱりミリタリー系にぐっと来る!だからきっとギラ君もこれで野獣化して私を夜の戦場へと誘うことに!」

 ガッツポーズを取る広子におお~とみんなが拍手。

 そんな中、ペティは空気を読んで自分が賞金稼ぎ時代に同じ手を使って失敗したことを胸に留めていた。



 エントリーNo,5:エリ。

 小麦色のクロッシェに桜色の背中開きブラウス、ショートデニムパンツを着用。

「「「「振り向き様が美しい~」」」」と称賛の声が殺到する。

「ありがと☆」



 エントリーNo,6:アイラ。

 赤の肩出しワンピースを着用。

 エントリーNo,7:シオリ。

 緑の肩出しワンピースを着用。

 姉妹揃っての登場だ。

「「「「よっ、スーパースギタシスターズ!!」」」」

「「流行ってんのそれ!?」」



 エントリーNo,8:ヒナ。

 灰色ソフトハットにオレンジTシャツ、紺青のワイドパンツを着用。

「意外ね、あんたなら足を見せる方にするかと思ってたのに」と好華。

「普段から見せまくってるんじゃ、新鮮味がなくなると思ってね~」



 エントリーNo,9:クレア。

 黄色の首回りの空いたフリルワンピース。

「「「「エロ騎士、エロ騎士」」」」

 からかい気味に連呼するみんな。

「殿下まで!!」

 涙目になるクレア。

「クレアさんてフリルが好きなの?ドレスでもフリルだったし」と唯。

「いやその、以前ギラにコーディネートを頼んだ際に『お前はフリルがぐっとくるな』と言われてそれで・・・」

 と、頬を染めるクレア。

 はい、ごちそうさまです。



 エントリーNo,10:ペティ。

 それぞれ丈が短い黒のジャケットと紫のキャミソール、そしてショートデニムパンツを着用。

「「「「へそ出しにこだわりが?」」」」と質問するみんな。

「う~ん、作者《神》のみぞ知るってやつかな?」

「砂川にぶん投げちゃダメでしょ!」

 適当な返答をするペティにツッコむ唯。



 エントリーNo,11:好華。

 ベージュのワークキャップに黒Tシャツ、赤いスウェットパンツを着用。

「・・・スケボー転がしてそう」

 ヒナの一言にみんなもうんうんと頷く。

「まあ、たまに最近練習もしてたりするけど・・・」

 本人も否定しない。てかしてたんだ・・・。





 一方、本来このファッションショーを一番見るべきである本人はというと。


「う~む、最近のリメイクも進んでますな~。おっ、このスマウグのリメイクはカッコ良くなったな~。ほ~へいへいほ~」

 レゴ・ストアにて、レゴの新作をチェック中。

 何?男の世界じゃない?

 子供っぽい?

 なん~て言わせん!

 これは全世代に通ずる趣味だ!





 再び女子サイド。

 4階で一息中。

「いや~楽しんだ楽しんだ~!じゃあせっかくだしギラに頼んでプリクラ撮りに行こ~!」

「「「「賛成~!」」」」

 エリの提案にみんなが賛成・・・したのだが、意外!な視線を送る相手がいたことに気づいたのだ。それはクレアがプリクラの存在を知っていたことだ。

「な、何?」

 突然の注目に戸惑うクレア。

「私は日本ここに戻ってきてから初めて知ったのに・・・?」

「私と好華は里の知識の一環として知ってたけど・・・」

「あたしは巴と同時期に知った・・・」

 元賞金稼ぎチームの面々は、境遇の関係で知る時期がバラバラだ。だがしかし!考えてもみろ!クレアは日本人でもなければ地球人でもない!あの地下都市『エスペランサブリテン』の住人だ!オタクとなり果てている評議会ならわかるが、彼女はそれらの知識とは縁がない騎士である!

「いえ、冒険心まっしぐらで地下から外へ飛び出した際にロリコン変態野郎に捕まっていいように弄ばれ!挙句の果てに●●撮りとか●●●!●●●●ー!」

「「「「「止まれ~!!」」」」」

 上下関係とかナシに全員が変態先輩の暴走阻止にかかった。

「えっと~実のところはどうなの?評議員のアンナさんに教えてもらったとか?」とペティ。

「いや、以前ギラとコンビを組んだ際に彼から教えてもらったの」

「「「漫才の?」」」

 平和ボケ(唯・奈々・広子)からのメンバーの何気ない一言にクレアは。

「・・・・バルフォアで斬られたいかな?それともシュワーベンで殴りられたい?」

 さすがにキレた。

 どちらかを引き寄せる構えの姿勢だ。

「「「さーせん!さーせん!!」」」

 瞬時に謝る3人。

〈漫才も知ってるんだ・・・・〉

 実央は心でそう思ったが、口にはしなかった。

 気を落ち着かせたところで、クレアの昔話を聞く一同。




 5年半前。

 ギラとコンビを組んでいた任務では、初めて経験する戦いの数々。しかし、自分が憧れていた理想の戦いとは程遠い騙し騙しの手段での遂行ばかり。落ち込む私に彼は言った。

「今が耐えるべき時だ。こういう汚い手を使ってでも守るべきモノがあるんだ。今すぐ大人になれなんて無理は言わない。期待して待ってろよ?お前さんが望む戦いは必ずくる。そんなしょげた顔は良かねーよ?この重大局面に、騎士が堂々としてないでどうする!」

 そう言って彼は、私を元気づける為にヨーロッパにあまりないプリクラ機をわざわざ創造して、自分と一緒に写真を撮ってくれたのだ。

 彼が生まれ変わりだということは知っている。だが例え知らなかったとしても、その小さくとも堂々とした姿勢は正しく自分が追い求めている理想の騎士像と重なっていた。




「その時の写真がこれなの」

 黄色のポシェットからプリクラ写真を見せるクレア。

 写真内容は、ヤングサインをしてまだ白髪がない黒髪で9歳児のギラとシュワーベンの初期兜から顔を出した当時13歳のクレア。

「まさかギラが誘っていたとはね~。その前私が彼を誘って泉と一緒に撮ったのがあるね。さすがに踏み台が必要だったけど」

 そう言ってエリは小学校時代のプリクラを出した。

「殿下もでしたか!」

「類友ね」

 さて、彼女らの話を聞いていた一同はというと。

 ぶー!ぶー!

「家族である私たちすらやったことないのに・・・」

 ぶー!ぶー!ぶー!ぶーぶぶー!ぶぶー!ぶぶぶー!ぶっぶぶー!

 ぶー垂れていた。

「「・・・・養豚場?」」

 その光景から受けた印象をそのまま言ってしまうエリとクレア。

「よし!こうなったら・・・」

『さっそくギラを呼んであたしたちも!』と続けようとしたところに、

「お嬢さん方、もし良かったら僕らと一緒に遊ばないかい?」

 二人のチャラついた男にナンパされた。

「あ、いいです~」

 秒で断る奈々もさすが。だが、

「そー言わずにさあ。予定ないんだろ?俺達さっきバイト代がたんまり入ってよ~」

「お相手がいないんならさ、俺達と遊べば最っ高に楽しいって!」

「冷たいアイスとか食べない?カラオケも良いでしょ?全部俺達でおごるからさ~」

「これもなんかの縁じゃない~?名前何て言うの~?」

 さらに4人のナンパ男が登場した。

〈こ、これは・・・集団ナンパ・・・!?〉

 あっという間に囲まれてしまった。

「すいません。お誘いは嬉しいですが、私たち人を待たせているのでそれじゃ・・・」

 本来なら個々の力でこんなナンパ集団、軽くひねってやれるが、暴力沙汰にするのは良くないと考え、冷静に対応するエリなのだが、ここで引かないのが女に飢えた男共、それがナンパ男だ!

「おおーその冷静さすごいね~。その顔が崩れるとこ見てみたいかも」

「そういう子に限って、快楽に堕ちやすいタイプが多いんだよね~」

「どうせ人を待たせてるってのも出まかせなんだろ?好き嫌いせずに試してみるもんだぜ~?」

〈うわ~、顔はギラと変わらないかそれ以上のイケメンで構成されてるのにこうも嫌に見えるとは・・・・。やっぱり中身も大事だね・・・〉

 そんなことを考える女子たちの気持ちなどお構いなしにまだまだ迫ってくるナンパ男たち。

「本当に待たせてるので無理なんです!」

「ではさようなら!」

 段々迫り方がエスカレートしていくにつれ、ウンザリ気味になっていたアイラとシオリが強めの態度を取るが、

「あ!それ女友達ならその子も誘うからさ!良いでしょ!!ねっ!」

 カチンッ。

〈手当たり次第かよ・・・こいつら!〉

「「「「「「「「「「「「男です!!!」」」」」」」」」」」」

 あまり慣れていないのでこういう返しはしたくなかったが、女なら誰でも良いという彼らの態度に頭にきてつい強めに反発してしまった唯たち。

「ええ~?男って言ってもどうせ草食系だろ?女の遊びも知らねえ童貞だろ~」

「そんな奴らより俺達の方が良い物件だと思うぜ~」


「は~いお兄ちゃんたち~、そこまでにしなさいね~。一部の女子には通用しても、しつこいナンパは逆に迷惑だってことを覚えた方が良いからね~」


 あ、このだらっとしてて場をちゃんと和ませようとしてる口ぶりは・・・・!


 ナンパ男の後ろから語りかけたのは、“どっかで見たことがある西洋兜”を被った人だった。


 ・・・・・・・・・誰・・・!?・・・・・・いや、ギラだなこれ。


「何だてめぇ、今俺達はこの子たちと話してんだ、邪魔すんなよ。それにんな兜被ったビビりが人様に向かって説教か?」

「関係者だからな、その子たちの。だからここは一つこれで引いてもらえませんかね~兄ちゃんたち~」

 兜を脱ぐや否や、ギラはナンパ集団のリーダー格らしき男のポケットに札束らしき物を。

 うわー、汚い大人の手口だこと。

「ええ~?しかしくれるって言うなら考えても・・・ってこれ人生ゲーム用の札束じゃねえか!いるかぁっ!!」

 若干ブれかけたものの、すぐおもちゃだと気づいて床に叩き捨てるナンパ・リーダー。

「それ使えば一気に人生勝ち組じゃないっすか~」

「ゲーム上だけな!んな狭い空間での勝ち組になりたいんじゃねえよ!俺たちゃあの子たちをナンパして勝ち組になりてぇんだよ!」

「お兄さんツッコミキレッキレだね~。俺とコンビ組んでM-1グランプリでも目指す?」

「誰が目指すかぁっ!!」


〈いや、あんたら現在進行形で漫才してるようなもんじゃん・・・!〉



 女子一同だけじゃなく、他のナンパ男たち、フロアにいる客たち全員が心の中でツッコんでいた。

「ハァ、ハァ、とにかく、無関係な奴は黙って引っ込んでろよ!」

「いやだから俺は・・・っ!?」



 もう男たちに任せていたら埒が明かないと思い至り、女子たちが取った行動とは!


「「「「「「「「「「「「私たちのだ~いじな人!!」」」」」」」」」」」」



 男一人にまとわり、とびっきりの笑顔付きの爆弾発言をかますことであった。





 その後、六本木ヒルズを後にし、アリーナへ移動した俺達。

「プリクラか、懐かしいな~。んで?いつになったら撮るんだ?思い切って我らの想い人!宣言してその場から抜けれたものの後になって恥ずかしいという感情が反動でこみあげて悶え中のお嬢さん方~」


「「「「「「「「「「「「みなまで言うな!みなまで!!!」」」」」」」」」」」」

 

 恋愛はそういうものとは限らないが、もうちょっとは計画的にした方が良いのに。まあ俺は失敗したけど・・・。

「あいつら、今までにないくらいなしつこさだったもんでついカッとなったんで・・・」

 柱に縋り付きながら喋るヒナ。

「それに・・・、ギラ以外の物件なんかあたしたちもう考えられないし・・・・・」

 体育座りで赤くなった顔を隠しつつ喋る好華。


「まあ、もう今更ああいう発言に関してとやかく言うつもりはもうない。なによりその・・・なんだ、みんないつも想ってくれて、本当にありがとうな」

 照れ臭く頭をかきながら礼を言う俺。




「「「「「「「「「「「「・・・・・・一夜迎えない?」」」」」」」」」」」」

 きれいにまとまらない!





 そんなこんなで、本来六本木ヒルズにはない定員8名のプリクラ機を拡大して創造し、無事プリクラ写真を撮ってお開きとなった。




 ちなみに、とんでもハーレム男の噂も無事、関東中に出回り始めていった。











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