12発目 スター・ウォーズを知らないだって?全エピソード見るべし!
最近、同級生のすごい男子と知り合った。男子の名前は杉田義羅。
その男子と会ったのは学力テストの詳細がきっかけだった。会ってみると自分は何故か涙を流すし、再テストで試してみると全教科満点を普通にやってのけるし、この前なんて半ば強引に参加させられた女子会の前に起きた騒動に突然現れたと思ったら、噂の創造能力で変わった木刀を出して何人かと一緒にSPモドキの集団を全滅させちゃうし、とにかくすごい人だということがわかった。
それに彼と共に学校で有名人になっている二人の女子。彼女らは杉田義羅に告白し、どっちも断られてもなお彼にアプローチをかけていることが特に有名だ。この前の女子会の際に興味本位で聞いてみると、
『告白を断っても、友達になって欲しいって言ってくれた。そんな優しいところに改めて惚れたから』だというのだ。普通はそこで恋は終わるはずなのに二人はまだ恋をしている。分からないものだ。
「ちょっとー、仕事中に何ボーっとしてるの?ミオ」
「あ、はーい!」
私は土曜日と日曜日に部活である剣道をするが、時間が空いている夕方はバイトで秋葉原にあるメイド喫茶店で働いている。働く理由は、実家である神社の運営を良くするためである。
神社は特にすごい収入があるわけではない。年末は忙しくはなるが、1年ごとに必ず奉仕しているわけでもなく、行事以外では普段他の仕事をするという宮司がたくさんいる。私の父も例外ではない。会社員をやっているとはいえ神社の運営に必要な収入がギリギリ得ている状態なのだ。だからこそ私は自分の財布状況を自分で賄えるよう1年半前から始めたこのメイド喫茶『Agata Eden』で働いているわけだ。
「どうしちゃったの?ミオちゃん。なんか浮かない顔してるね」
「そんなミオちゃんも、俺は好きだ~!」
「いえいえ、本当に大丈夫ですから。ご主人様方、お構いなく」
学校で気になる男子がいるだなんて言ったら、さっそく誤解を招くこと間違いなしだ。絶対言えない。
「さあ気持ち切り替えてさっさと動いて動いて~」
「リン先輩!5番テーブル、クリームソーダ入りまーす!」
「はいよ~」
うちの店は今ピークの真っ最中だ。
「にしてもこいつら、まだ捕まってないんだな~」
「? 何の話ですか?」
「ほら、これだよ」
お客さんが指差したのは店の角に設置されたテレビだった。今ちょうどそのニュースが流れているところみたいだ。
『午前11時頃、水道橋の宝石店で起きた強盗銃乱射事件。武装した犯人グループは金品を強奪した後逃走、既に2人確保しつつも残りの6人は今も見つかっておらず引き続き周辺区域を警察が捜索を行っております。さらにALIVEも出動しており、いつでも対応可能な状態とのことです』
部活でニュースは全く確認していなかったが、こんな事件が起きていたとは知らなかった。さらにとんでもないことにも気付いた。
「ここから二つ駅先じゃないですか!!」
「そうなんだよ。万が一この辺りまで来るんじゃ無いかって、さっきそこで会ってきた友達もそう言って緊張してたよ」
そんな事態に自分は何の危機感も無しにバイトに来てしまった。少し油断しているな、私。
「どうしたんだ?そんな暗い顔して・・・ouch!」
「あ、お帰りなさいませ!CT様!!」
店の入口でわざと頭をぶつけながら入ってきたのは、あの有名なSF映画に出てきた兵士、クローン・トルーパーのフェイズⅡヘルメットとアーマースーツ、ブラスターライフルを装備したコスプレの人でうちの常連客でもあり、
「やあ、ミオちゃん。“いつもの”でお願いね」
「かしこまりました!!」
私、メイド・ミオをいつも指名してくれる常連さんである。
「お待たせしましたー。私お手製の緑茶でーす!!」
「いつもありがとうね、ミオちゃん」
このコスプレのお客さんが通い始めてからもう1年になるが、まだ素顔を見たことが無い。分かっているのはこの人が紛れもなく男であり、メイド喫茶に来たのがここが初めてで、CTと名乗り、アーマースーツは恥ずかしがらずに入店できるから着ていて、チョイスは自分の中で一番好きな戦士の格好だということぐらいだ。歳は身長が180cmを超えていて大人びた口調だが声が若い、そして紳士的な態度からして少なくとも20歳はもう超えてるのではないかと思う。そしていつも緑茶を注文するため、私が目の前で作れるようにと店の角で、私とCTさん専用のカーテンで覆った空間で接客をしている。
「ところで、ミオちゃん。ニュースで見たと思うけど、武装した強盗集団のことは知っているかい?」
「はい。でも実は知ったのはついさっきテレビを見たからで、それまで気付かなかったんです」
「う~んそれは無用心だな。今この辺り全体がピリピリしているんだ。いつ襲われてもおかしくないこの状況が続く限り、仕事が終わった帰りとかは気を付けるんだよ」
そう注意しながらCTさんはヘルメットの口部分を開閉して、緑茶を飲んだ。
「そうです、CT様。学校のことで、話したいことがあるのですが」
「ストップ、いいかいミオちゃん。いつも言うけど普通メイド喫茶で客がメイドさんのプライベートを知るのは良くないことだ。君、もし俺が本性を隠したとんでもない変態だったらどうするの?」
「1年も接客して来たんですよ。CT様の人柄は十分理解してますし」
「その積み重ねで騙そうとしている可能性だって…」
「もしそうだとしたらその時は、迷うこと無くあなたを通報します」
「分かってるなら良いよ。俺も変態なんかじゃないからね」
そう、私たちは時々お互いのプライベートについて相談し合っているのだ。しかしお客さんのプライベートを聞くのは問題ないが、逆に店員であるメイドさんのプライベートをお客さんが聞くというのは問題が起きてしまう。それが原因で異常な客がメイドにストーカー行為を働いたり、それがエスカレートして犯罪行為にまで及ぶ可能性もあるからだ。実際、そんな事件が今だに起きているのだ。
「よし、じゃあ聞こうかミオちゃん。話したいことって何かな?」
「CTさんって、今まで夢にだけ出てきた人物が、現実でも現れるなんて話、信じますか?」
「う~ん、それはまた奇妙な話だね。今年入学した高校でそんなことが起きたと?」
「はい。夢を見始めたのは最近なのですが、内容が謎だらけなんです」
私はCTさんに夢の内容を説明した。行ったことも無いヨーロッパの町、なぜか全身傷だらけの私、駆け寄ってきて泣きながら私を胸に抱いてくる人物、そしてその人物と姿形がほぼ一緒で同級生男子が自分が通っている高校に所属していること。
「普通ならこんなこと誰にも相談できないけど、あなたにならって思いまして。どう解釈しますか?」
「…仮説を立てるなら、その夢はパラレルワールドかな」
「パラレルワールド?」
「今現在、俺たちが生きている世界とは違う時間軸のことだ。例えるなら、もし1990年代の冷戦が終わらず、その後核戦争、第三次大戦が起きて、文明が崩壊した世界が存在すると言ったところだ」
「発想が古いですね。今はもう核兵器は存在しないのに」
「こらこら、まだ説明は終わってないぞ」
私のツッコミを軽くいなしながらも、CTさんは説明を続けた。
「もし君が見た夢がパラレルワールドだとするなら、別の時間軸での君は瀕死の状態でヨーロッパの町へ行き、学校で会った男子とそこで出会っているんだろう。そしてそのもう一人の自分の脳が、今この世界にいる自分の脳とリンクしたからだと思う」
「CTさんはそのパラレルワールドを存在していると信じるんですか?」
「否定はしないさ。何しろ今や『進化の世紀』、能力を持った人間が存在して、あらゆる超常現象が起こりうる時代だからな。もしかしたらそのパラレルワールドを行き来できる能力を持つ人間が現れても何らおかしくはない」
ならば別の時間軸の私は一体何があったのだろうか。実は最近夢の内容で新たに思い出したことがある。それは私が杉田君と姿が同じ人物に対してある言葉をかけていることだった。
『殺し合いはしないで...』
理由が分からない。何故そんなことを口にしていたのかも、傷だらけになりながらも訴えているのかも。
これはさすがにCTさんには、心配させてしまうから言わないでおこう。
「それにしてもミオちゃんの口から同級生男子の話題が出てくるとはね。今までは憧れの先輩のことぐらいしか喋ってなかったのに」
「な!?別にその男子のことがどう思うとかの話じゃないですよ!」
突然何を言い出すんだこの人は。すごく動揺してしまった。私はただ夢のことと何か関係あるのかどうか知りたいだけで杉田君のことは別にどうも思っていない。まあ顔は整っていて、この前の騒動の時に戦っている姿を見てとても生き生きしてて格好いいかなぁとは思ったけど。
「じゃあ君はその男子と何か繋がりがあるんじゃないかって思ってるんだね」
「はい。それに、もしかしたら彼自身は私には言えない何か大きなことを隠してるんじゃないかって」
「なるほどね。ミオちゃんから見てその男の人柄はどんな感じなのかな」
「えっと…基本的にはフランクな感じです。でも普段からの行いは周囲から褒められる程に良く、小、中学校は不登校だったのにも関わらず賢く学力テストでは全国1位を取るほど。それもあってか女子に人気でラブレターももらってるそうです。正直にすごいなぁとは思います」
「はははっ。つまりミオちゃんからしても、その子に対して良い印象を持っているんだね。わりと楽しそうに語っていたよ今」
「違っ!だからそう言うんじゃなくて!もう!」
今日はよくからかわれてしまう。これもみんな杉田君のせいだ。
「もうそろそろ時間ですよ!これ以上からかうと別料金を請求しますから」
「悪い悪い。それじゃあそろそろ…っ!ミオ!待つんだ!」
「え?何…むぐっ!」
カーテンの外に出ようとしたらCTさんがいきなり後ろから私の口を押さえながら引き戻した。まさか襲われるのかと思ったがそうじゃないようだ。CTさんは人差し指をヘルメットの前に立てて暗に静かにするように訴えてきた。すると次の瞬間、店の入口付近から叫び声が聞こえてきた。
「全員、動くな!!今からここは占拠させてもらう!!」
カーテンの隙間からそっと覗くと、覆面やらマスクで口元を隠し、ライフルや拳銃で武装した集団が入ってきて銃口を客やメイドたちに向けている。紫のニット帽を被った男が次に言った。
「床に伏せろ、イスに乗ってるやつも全員その場で床に伏せてもらおうか!おとなしく言うことを聞いてれば何もしない。しばらくここを俺たちの休憩所にさせてもらうぞ」
店に乱入してきた男達はみんなを入口の反対側で窓のない壁際に集めていった。おそらくいつ警察が突撃しても脅せるようにするためだろう。
「何これ、何でこうなったの...」
「しっ、静かに。恐らくニュースで言ってた強盗集団だろう。6人いるし」
「CTさん、なんでこんな時に冷静でいられるんですか」
「こんな時だからこそ冷静でいる必要があるんだ。でなきゃ死ぬだけだ。それに、すぐ近くにいる君を落ち着かせるためにも必要なことだ」
そう言うと、傍に置いていたブラスターライフルを手に取って静かに構えた。名前は接客していくうちに聞いたが、DCー15というらしい。
「あの~CTさん、それってただの飾りなんじゃ…」
確か以前、それがブラスターライフルというものすら知らなかった時に、CTさんは自分で作ったおもちゃだと言っていたはず。
「これはおもちゃだと言ったな」
CTさんはどことなく格好つけながら続けて言った。
「あれは嘘だ」
つまり、それは本物の武器ってことですか、ってそれってヤバいんじゃ。
「H&KモデルUMP45SMGが2丁、FNモデルNX40ピストルが3丁、CZモデルスコーピオンEVOO3A1SMG、十分だな。ブラッキー、聞こえるか?こちらフォースだ」
するとCTさんが顔を傾けて、カーテンの隙間を除きながら独り言を言い出した。彼が口にした『ブラッキー』という名前には覚えがあった。この前の『TEISHOKU』の店員との会話で杉田君が口にしてた人物らしき名前だ。
「現在、秋葉原電機街ルートビル3階のメイド喫茶店にて、先の水道橋強盗事件の犯人グループが店を占拠。客、従業員を人質に。そちらの現在位置は?」
どうやら独り言ではなさそうだ。おそらくヘルメットに内蔵している無線でそのブラッキーという人と交信しているのだろう。
「近いな、じゃあ5分後に俺が合図を出す、それまでに突撃の準備をしといてくれ。フォースout!」
小声で喋ってはいたが内容しっかり聞こえた。彼は何かをするみたいだ。
「あのCTさん?一体何を」
「まあ見てれば分かるさ。そこを動いちゃダメだよ、いいね?」
そう言ってCTさんは自分のスマホを取り出して操作すると、何かのアプリを起動してカーテンの隙間近くにかざした。
そこから映画の最初によくあるあのファンファーレが店全体に響き渡るように流れ出した。
♪ジャンジャン!ジャンジャン!ダラララララララジャンジャン!♪パンパパーンパパパパパパ♪パンパカパパパパパパパカパパンパカパーン!♪タリラロ~♪タリララ~♪タリロ~ラ~♪パパパーーーーージャン!
「おい、そこにいるのは誰だ?出てこい!」
犯人集団のリーダーらしきニット帽を被った男がハンドガンを向けて怒鳴ってきた。でもCTさんはファンファーレが終わっても出て行こうともしなければ返事もしなかった。
「見てこい開司!」
犯人のリーダーはマシンガンをもった部下の一人に命令してこっちに近づけさせた。犯人の部下がカーテンを開けようとした瞬間、CTさんは犯人の頭にブラスターをブービートラップの槍のように勢いよく突き出した。部下を一撃でノックダウンすると、そこからCTさんはカーテンの外へ飛び出し、ブラスターを構えて真っ直ぐリーダーのニット帽男に向かっていった。
「な、何だこいつ!?」
ニット帽男は慌ててハンドガンで2発迎撃したが、CTさんはブラスターを棒のように巧みに振り回して2発とも叩き落としつつ急接近し、ニット帽男をブラスターでぶん殴った。男はそのまま吹き飛ばされて入口のレジに叩き付けられた。
「「この野郎!!」」
同じマシンガンを持った2人がCTさんに向けて発砲しようと構えると、
チョンッ!チョンッ!
CTさんが構えたブラスターからあの映画通りの発砲音とともに青白い30cmほどの光線が2本、犯人2人にそれぞれ当たった瞬間男達は体を痙攣したかのように揺らしてその場で倒れ込んだ。
「お、お前何をした!」
CTさんの後ろにいた犯人がハンドガンをCTさんに向けて発砲した。だがその弾丸はCTさんのアーマースーツにカンっと金属音と共に弾かれ、CTさんは何かしたか?と言わんばかりにゆっくりと後ろを振り向いた。
「く、来るなァァァァァ!!」
断末魔のように叫んだ犯人はまた2発撃ったが、難なく避けられた上、回し蹴りを顔に受けてスタッフの出入り口に吹き飛ばされた。そしてCTさんはすぐさまブラスターを持ち直すとやり投げのように飛ばし、人質を使って脅そうとしてた残りの犯人に当てて気絶させた。
「おい、調子乗ってんじゃねえぞ!!」
すると吹き飛ばされたはずのニット帽男が起き上がるやいなや、CTさんに殴りかかってきた。済んでのところでCTさんはそれを避けた。
「驚いたな。気絶させたつもりだったんだが」
「なら今度は俺がお前を気絶させてやるよバケツ野郎!!」
また殴りかかるニット帽男だがCTさんは男の攻撃をいなしながらカウンター攻撃を繰り出した。
その時、カーテンの近くで最初にやられてた犯人がマシンガンを構えて格闘中のCTさんを撃とうとしていることに私は気付いた。CTさんを助けようと私は持っていた盆を持って犯人の頭に思いっきり当てようと構えた。部活で竹刀を振り下ろすのと同じイメージだと考えながらカーテンから飛び出し、一気に犯人に盆を振り下ろした。
「やあああ!!」
「!?」
しかし、犯人の反応が速く、後ろに退かれて上手く避けられてしまった。次の行動を考えていなかったため私はその場で立ち尽くしてしまった。
「この女!!」
犯人は標的をCTさんから私に変えて銃口を向けてきた。私は思わず目を閉じた。
「ミオ!!」
死ぬ。ただそれしか頭に浮かんでこなかった。
ゴンっ。
だが鈍い音が鳴って、私の意識は飛ばなかった。何だろうと目を開けると、犯人はバタリと倒れ込んでいた。傍には店の盆が転がっていた。CTさんがニット帽男を床に叩き付けて、その場に落ちていた盆を“あの星のマークを胸に宿したキャプテン”のように投げて私を撃とうとした犯人に当てたみたいだ。
「全く、動くなって言っただろ、ミオちゃん」
「あ、そ、その…」
あっという間のことで、私は言葉がうまく口に出せなかった。
「あ〜、にしてもあんた、結構タフだな」
CTさんはそう言いながら手をかざすと投げたブラスターがひとりでに飛んで、持ち主の手に戻ってきた。ブラスターを掴むとCTさんは振り向きざまにまた起き上がろうとしていたニット帽男をブラスターで撃って止めを刺した。
犯人集団6人全員が行動不能になったのだ。
「今だブラッキー!突撃だ!GO!GO!GO!!」
CTさんが叫ぶと、入口の方からドカドカとまたも武装した集団が突入してきた。今度は大丈夫だった。それは噂で聞いたあの警察特殊部隊ALIVEだった。彼らが何故そう言われるのか、それは新開発された弾丸『スタンバレット』を使って、暴走した犯罪者や武装したテロリストなどを行動不能にして生け捕りをすることができるからである。まだ弾丸の生産はそれ程進んでいないらしく、現在はこのALIVEだけが装備しているらしいが、いずれは全国の警察官に配備予定だと警察庁が発表している。
「全員確保だ!行けー!」
その中で黒いコートを着た刑事らしき人がいた。ただ妙なことに私はすぐ気付いた。
「高校生!?」
うっかり思ったことを口にしてしまうほど驚いた。そう、彼は私や杉田君とそう変わらないくらいに若かったのだ。犯人達が次々に抑えられると黒コートの男はCTさんに近づいていった。
「いや~マジでお手柄じゃねえかフォース!でもいつかどっかのビルでまた人質救うんじゃねえか?」
「よせよブラッキー、それがフラグで本当に起きたらどうすんだよ」
「世界一運の悪い男2代目でも名乗れば?」
「俺はハゲるつもりはないぞ」
あ、ハゲじゃないんだ・・・・。
どうやら黒コートの人はさっき交信していたブラッキー本人みたいだ。名前からして外国人かと思っていたが、どう見ても日本人男性だ。
「ミオちゃん、大丈夫か?もう終わったぞ」
ずっと床にへたり込んでた私にCTさんは手を差し伸べてきた。
「あ、はい。さっきは助けていただきありがとうございます」
「いやいや、君が無事で本当に良かった」
「あれ?君って…むごっ」
何かを言いかけたブラッキーさんの口をCTさんがすぐさま手で制した。ブラッキーさんは何かを察して喋るのを止めた。
「CTさん強いんですね。本当にびっくりしました。銃を持った犯人たちを6人全員倒すなんて」
「嬢ちゃん、こいつは強いなんてもんじゃねえよ。相手が何百人いようが構わず挑むような奴だからな」
「それ以上余計なことは言うなよブラッキー」
少し小突くCTさん。
「あの、失礼なこと聞くんですが、ブラッキーさんおいくつですか?」
「ああ、俺は飛び級で刑事になってるんだ。歳も多分君と同じぐらいだ」
飛び級で刑事だなんて、同い年の人間がここまですごいと世の中はどんどん常識が変わっているんだなと考えさせられる。
「さてブラッキー、昔のよしみでこの子はもう帰らせてやってくれねえか」
「ああ、別に構わねえぜ」
「それじゃあミオちゃん、俺はもう行く…どわっ」
CTさん!あんた格好良かったよ!アクション映画の撮影並にすごかったよ! いやそれよりもありがとう!おかげで助かったよ!
それまで人質にされて床に伏せられてたお客さんたちが一斉にCTさんに詰め寄り、称賛や感謝の言葉を贈り始めた。
私は巻き込まれないようにこっそりとその場を後にした。
「生きた心地がしなかった…」
「リン先輩、大丈夫ですか?」
事件の後、事情聴取を免れた私とリン先輩。
「勤務中に男達にいきなり銃を向けられて人質にされるなんて、滅多に無いことなのに、実際経験するのは良いもんじゃないね。ミオちゃんは良かったよね~。ずっとCTさんと一緒だったんでしょ?」
「はい、あの人がいてくれたから私も正気でいられたと思います」
もし彼がいなかったら動揺して飛び出してたかも…。
「それで?あの人とはうまくいったの?」
「え!?な、何を言ってるんですか?」
「だってミオちゃん、CTさんと話してる時いつも楽しそうにしてるし、もしかしたら気があるんじゃないかってみんなそう思ってるよ」
何だそのはた迷惑な誤解は。
「待ってください。そのみんなってどれくらいですか?」
「店の従業員はもちろん、常連のお客さんもそう考えてるよ」
これはヒドイ。
「ち、違います!!あの人は大人だからこそ、安心して気軽に話ができるってだけですから!」
「本当に?顔真っ赤だよ~」
先輩はからかうようにニヤニヤしながら言ってきた。
「本当です!!」
場所は変わってコスプレ男・CTの帰路。
『お前、正体隠してあの店に通ってんのかよ』
「仕方ねーだろ。勇気を振り絞って入ってみたメイド喫茶にあの子がいたんだから」
『でも通いつめる必要はないだろ?つまりお前、あの子に会うために行ってるようなもんだろうが』
「うぐ。見事にハマっちまったからな~メイド喫茶」
『もう認めたらどうなんだ?お前はあの子に…』
「そこだけは違うからなブラッキー。俺はそんな感情をあの子には向けちゃなんねえ」
『じゃあ、“例の件”はまだ言わないのか?』
スマホでブラッキーと会話をしながら、人気の無い路地裏でアーマースーツを変化させて、革ジャンと青のジーンズを着込んだ杉田義羅は左目を閉じて答えた。
「ああ、少なくともブリテンの件が終わってからだ」
どうも、皆さん!!
前回の投稿から約1週間ぶりの投稿です!!
今は書きたいエピソードがどんどん浮かんできて、日々楽しく執筆中であります!!ちなみに今回のエピソードで、スター・ウォーズのクローントルーパーが使う装備が登場しましたが、あのブラスターを発砲させたときの"チョンっ!チョンっ!"という効果音はあくまで自分がそう感じてるだけなので、何卒ご了承下さい。全く、スター・ウォーズは最高ですよ!!
さらに最近、投稿済みのエピソードを見返してみて、読者の皆さんがもっと読みやすいように改行を増やしたり、誤字を見つけるとすぐ修正するなど、たびたび更新を繰り返してるので、より物語に適した言葉にするよう頑張っています!
そして皆さん!私からのお願いで、どうかこの作品をお友達やツイッター・SNSなどで是非ご紹介いただけると嬉しいです。
自分が執筆している作品をより多くの読者の方に読んでいただきたいのです!どうかよろしくお願いいたします。
では!また次回の投稿でお会いしましょう!自分はこれからもまだまだ進み続けます、弾丸の如く!!




