表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/4

旅路の1日目

日が暮れてきた。走り出してから数時間しか経っていないが、出発したのが夕方だったし十分長い間走ったくらいだ。

「何処で野宿するかねえ…」

独り言が口から漏れる。普段からの悪い癖だ。

だが実際野宿の場所というのはかなりの問題である。街の中のあまり人目に着き過ぎる所だと火事場泥棒的な暴漢に狙われるのは目に見えているし、森の中はそれはそれで危険が多い。結局のところ、廃ビルとかに隠れるのが正解だろう。幸いまだ都市部は抜けていない。少し戻れば手頃なくらいに崩れた雑居ビルが幾つかあったはずだし、完全に日が暮れきる前に戻ってしまおう。そう思い、バイクを方向転換する。

「さあて、後少しで休めるからなッと。」

そう言ってハンドルをポンと叩きつつ加速する。


6、7分程だっただろうか。時計がないから時間はわからないが、兎に角来た道を引き返し始めてすぐの時だ。

ヒビの入った道の真ん中に一つの大型な異形が立ち尽くしていた。一度通った時は居なかったはずのものだ。

「もう活動を再開した個体がいるのか?それとも誰かがちょっかいを出して目覚めさせたのかもな。」

下部に接合されている掘削工具、ボディを支えるられるように設計された四本の接続腕、旧型機特有の大型なコアエンジン。

「旧世代の掘削用機ってところか?」

何はともあれ活動している個体が進路上にいるのだから無視など出来ようはずも無い。俺はエンジンを切ってバイクを止める。かなり急ブレーキをしたためガタが来るのを早めたかもしれないがそのまま突っ込むわけにもいかないのだからしょうがないだろう。

続いて背中に背負っていた愛剣を持ち上げ鞘のロックを解除しつつ軽く振る。鞘が地面に落ちるゴトン、という音と共に俺は走り出した。当然相手も無反応のままな訳はない。膿瘍が潰れるような君の悪い音と共に金属光沢を帯びた細い触手が何本か空間を裂いて迫ってくる。

俺は剣の柄を強く握り込む。すると、その巨大な刀身が熱を帯びる。俺用に調整されたこの剣のギミックである。

そのままの勢いで剣を上に振り上げ迫ってくる触手を切り落とし、そのまま上部にあるコアエンジン目掛けて跳躍する。慌てたように次の触手を生やそうとしているようだが間に合うはずも無い。

「これで!終わり、だ!」

そう言い切って振り上げたままの刀身をコアエンジンに突き刺す。先程よりも力を込める。そうする度に刀身が放つ熱は増していく。赤熱しかけた刀身がコアエンジンの金属組成を溶かし貫く。それと同時にその機械は制御を失い大きく傾いて倒れた。倒れる機体に巻き込まれないように手早く剣を引き抜き地面に着地する。

もう動く気配を見せない機体を改めて見聞すると、機体全体が薄らと金属光沢を放つ皮膚のような膜で覆われている。しかしそれは全体に行き渡っている訳ではなく、不完全である印象を受けた。

「影響が中途半端だったから早く目覚めったって訳か?」

俺も研究者の端くれではあったが俺がしていたのは武器の研究だ。分野外のことなのだし完全な考察は難しいだろう。

「まあ倒せたんだし結果オーライってことにしとくか?」

なんて独り言を言いながら俺は鞘を拾いに行く。道中の厄介ごとは片付いたわけだ。日が完全に暮れきる前に寝床を見つけた方が良いだろう。


その日、俺は予定通り雑居ビルの一階を寝床にした。中の探索も終わり、腰をかけて一人で携帯食料を食べていると、不意に孤独感に襲われた。

「慣れたと思ってたんだけどな…。一人で飯を食うのも。」

もう心の整理はできたと思い込もうとしていたが、本来はまだ全然なのだろう。この孤独と俺は今後どのくらい付き合っていくことになるだろうか。おそらく一生だろう。

妙に重くなった気分を頭を振って振り払う。そんなことは今考えるべきことではない。俺が今考えるべきは夜間の安全確保だ。ずっと起きているのも別に構わないが、身体を休めなければ。ひとまず入り口からは影になって見えないところに移動する。暫く考えたが特にやることもない。このまま寝て早朝に出発してしまおう。俺はそう思って眠りについた。

如何でしたでしょうか。誤字脱字等あれば御指摘いただけると幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ