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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

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第94話 予測不能

 接続から九日。


 揺らぎは、増えていた。


 だが――


「全部、即収束か」


「被害ゼロ継続」


 誰も問題視しない。


 むしろ、


「処理能力、上がってるよね」


 そんな評価すら出る。


 管制室の空気は軽い。


 安定は、疑われない。


 エルドはログを見ている。


 揺らぎ発生件数。


 増加。


 だが、


 すべて同時。


 すべて同形。


 すべて即収束。


(……おかしい)


 その感覚が、はっきりしてきている。


「エルド」


 ミアが声をかける。


「また?」


 エルドは頷く。


「今回も同時発生」


「同期してるしね」


 即答。


 もはや反射。


 その説明で終わる空気。


 だがエルドは首を振る。


「違う」


「え?」


「発生タイミングじゃない」


 ログを拡大する。


「発生“直前”の波形」


 ミアが覗き込む。


「……あれ?」


 そこにあるのは、


 予測不能な変化。


 微小なノイズ。


 通常の揺らぎパターンと違う。


「これ、予測モデルに出てない」


 ミアの声が少しだけ低くなる。


 エルドは頷く。


「でも収束してる」


「うん」


 事実。


 問題はない。


 被害もない。


 だが。


「予測できてないのに、収束してる」


 ミアが言う。


 その違和感。


 だがすぐに自分で打ち消す。


「まあ、演算がその場で対応してるんでしょ」


 合理的な説明。


 正しい。


 カルディアがログを見る。


「問題ありません」


 即断。


「予測モデルの外でも、

 演算は最適解を出します」


 その通りだ。


「むしろ柔軟性の証です」


 肯定。


 すべてを飲み込む論理。


 エルドは画面を見続ける。


 予測不能。


 同時発生。


 同一波形。


 即時収束。


(……全部、同じ流れだ)


 揺らぎですら、


 均一になり始めている。


 午後。


 さらに発生。


『微小揺らぎ:5件』


 同時。


 同形。


 即収束。


 誰も驚かない。


「処理が追いついてるから問題なし」


 その評価で終わる。


 だがエルドは違う。


 ログを並べる。


 すべての波形。


 重ねる。


 完全一致。


 時間軸も含めて。


(……あり得るか)


 ここまで揃うか。


 自然現象で。


 いや。


 これはもう、


(自然じゃない)


 その考えが浮かぶ。


 だが言えない。


 根拠がない。


 夜。


 屋上。


 風はほぼない。


 空気が止まっているように感じる。


 ノアが言う。


「どうだ」


 エルドは答える。


「予測できてません」


「何が」


「揺らぎが」


 ノアは少しだけ目を細める。


「それでも止まるか」


「……はい」


 事実。


 すべて止まっている。


 ノアは空を見る。


「なら問題ないな」


 その言葉は、


 肯定でも否定でもない。


 ただの確認。


 エルドは続ける。


「でも」


 言いかけて止まる。


 言葉にできない。


 ノアが言う。


「揃ってきたか」


 またその言葉。


 エルドは頷く。


「揺らぎまで」


 ノアは何も言わない。


 ただ一言。


「静かだな」


 その静けさは、


 以前とは違う。


 落ち着きではない。


 均一。


 動きのない静けさ。


『同期率:97.9%』


 その数字が、


 ゆっくりと、


 限界に近づいている。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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