表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
299/317

299 釣り出し作戦

 宰相領の領都攻撃は、固い守りに手詰まり状態だ。


 なので一旦攻略を諦め、視点を変えて敵戦力の釣り出しを試みる事にする。


 具体的には、一旦包囲を解いて川を渡り。全軍で東に向かう。


 この動きを敵がどう見るかだけど、撤退なら帝都がある北へ向かうはずだし、宰相領を荒らしに行くなら西が順当だ。


 わざわざ川を越えて東へ向かうからにはなにか理由があると考えるはずで、ありえそうな理由は、遊牧民が攻めてきたとかだ。


 キサの故郷である北の遊牧民は穏健だけど、東にはハイタルという遊牧民の大きな国があって、そこはちょくちょく帝国に攻め込んでくるらしい。


 実際今も、キサ父を通じて大王に手紙を送って、東部で帝国軍を牽制してもらっている。


 どのくらいの規模になっているかは知らないけど、宰相の中に、


『帝国の混乱に乗じて隣国が攻めてきたので、反乱軍はその対応に向かった。

 挟み撃ちにして撃破するチャンス!』


 という考えが浮かぶ可能性は十分あると思う。


 そうなったら宰相軍の主力を野戦に誘い出せるので、少なくとも領都に篭っているよりは戦いやすくなるはずだ。



 そんな作戦をシーラ達に相談し。伝令を送ってアフマン将軍にも相談する。


 一方で王都周辺で船を集めてもらい、川を渡る準備も進める。




 ――現状手詰まりで他にいい作戦もないしと、全員の賛同を得られた所で、まずは蜂起軍から川を渡ってもらい。東岸を少し東に進んだ後、北に進路を変えて進んでもらう。


 これは蜂起軍が背後を襲われたら大きな損害が出るのと、将来的に伏兵の役割を果たしてもらうためだ。


 そして蜂起軍の輸送が終わったら、領都から見える場所で復興軍も川を渡り始める。


 騎兵による攻撃を警戒しながらの作業だったが、備えを厳重にしたおかげか強襲を受ける事はなく。

 敵はむしろ、船を使って東門からの攻撃がくる事を警戒したようで、そちらの守りを厚くしていた。



 おかげで復興軍は無事川を渡り。領都に背を向けて東への進軍を開始する。


 ――さて、これを見て宰相軍はどう反応するか。


 正直一番困るのが無反応なのだが、さすがにそういう訳にもいかないだろう。


 この状況でなにも動かないとか、神の目を持つレベルの有能か、救いようのない無能でないとありえない。


 普通は包囲が解かれたのを見て、帝都の奪還に向かうか。東に向かった俺達の行動から遊牧民の大規模な侵攻があったと判断して、挟み撃ちを狙って追いかけてくるかだ。


 帝都には最低限の守りを置いてあるから、すぐに攻め落とせないと俺達が戻ってきて逆に背後を襲われる可能性がある。


 戦略的にはまずは俺達を壊滅させてから、ゆっくり帝都を攻めるのが常道なので。宰相陣営に基本に忠実な、秀才タイプの軍師がいる事を期待したい。



 そんな事を考えながら、部隊の指揮をリーズとカーミラに任せ。


『宰相軍が追ってきたらなるべく逃げて。騎兵が迫ってきたら、まともに受けずに左右に逃げて』とお願いし、シーラには『部隊最後尾のさらに斜め後ろにいて、騎兵隊が攻撃してきたら側背そくはいを突いて』とお願いしておく。


 宰相軍がこちらを追ってくるなら、東部で遊牧民と戦っている所を背後から襲うのが最高の形なので、途中で襲ってくる可能性は高くないはずだけど、念のためだ。


 そして偵察の騎馬兵も残し。もし宰相軍が帝都に向かうようなら、復興軍は反転してその背後を襲う段取りもつけておく。



 そんな準備を整え、俺はキサの馬に乗せてもらって先行し。ひたすら東へと急ぐ。


 可能性がどれだけあるかは分からないけど、遊牧民に味方してもらえたらとても心強いので、その交渉へ向かうのだ。


 今年は北部の草原で干ばつだと聞いているので、食糧援助と引き換えになんとかならないだろうか?


 遊牧民出身のキサに訊いてみたけど、『申し訳ありません、分かりません……』と言われてしまった。


 たしかまだ18歳だし、15歳の時から俺達と行動を共にしているから、遊牧民の政治絡みの話に詳しくないのはしょうがない。



 こうなったら出たとこ勝負で行こうと決意を固め。


 ついでに帝国東部の様子を見ながら、俺は一路東へと向かうのだった……。




帝国暦170年 3月12日


現時点での帝国に対する影響度……66.989%


資産

・1億3461万ダルナ(-32万)


・元宝石がいっぱい付いていた犬のぬいぐるみ(今はおでこに一つだけ)

・エルフの傷薬×10


配下

シーラ(部下・帝国復興軍精鋭部隊長・C級冒険者 月給50万)

メルツ(部下・ジェルファ王国軍務大臣・E級冒険者 月15万を上級傷薬代として返済中)

メーア(部下・ジェルファ王国軍務副大臣・E級冒険者 月15万を上級傷薬代として返済中)

エリス(協力者・ジェルファ王国国王・将来の息子の嫁候補 月30万を宿借り上げ代として支払い)

ティアナ(エリスの協力者 月給なし)

クレア(部下・ジェルファ王国宰相)

オークとゴブリンの巣穴から救出された女の人達24人(雇用中・北の拠点生産担当と中州の拠点運営担当 月給12万)

元孤児の兵士達103人(部下・帝国復興軍部隊長97人 北の拠点の船舶担当5人 医療班1人)

セファル(部下・アルパの街の物資管理担当・C級冒険者 月給30万)(弟も同職 月給10万)

ガラス職人(協力者 月給15万・衣食住保証)

船大工二人(協力者 月給15万・衣食住保証)

怪我を負った孤児の子達43人(北の拠点で雇用 月給7.2万)

キサ(部下・専属護衛・遊牧民 月給48万)

セラードとその妹リーズ(部下・元帝国西方新領州都防衛隊長 元子爵家子息 帝国復興軍後方部隊長と前線部隊長)

ミリザ(協力者・ジェルファ王国内務大臣・王都を仕切る裏稼業三代目)

カーミラ(部下 蜂起軍選抜部隊長 元男爵家長女)

※ハイタル大王に手紙を送った話は257話をご参照ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ