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第99話 戻される砂漠

 4日後。


 『再接続しました。わたくしにかかれば、これくらいなんともありません』


 4日かかってドヤァされてもと思ったが、きっと難しいことをしたのだと頭を切り替える。


 「柴丸ぅ!生きてる?お腹空いてない!!」


 テントの中は死屍累々で、唇が渇ききり目が虚ろである。


 ――きゃん!


 柴丸以外。


 『カースドラゴンです。魔物に食事は不要です』


 ――また宝箱が見える・・・


 ――きゃん!


 ダルメシアン獣人のジラに宝箱を開けんかいと、てしてしと攻撃する。


 ――昨日も何回もあらわれた


 渇きで唇がカサカサの熊獣人のエプリンがだらりと力なく答える。


 ――申し訳ないことをしましたね。私が・・・


 渇きで唇がカサカサのアララが謝罪を口にするが、ミュリーが止める。


 ――謝罪は不要よ。冒険者だもの。大なり小なり覚悟をしてるわ


 ――そうよぉ。魔王倒しただけ、野垂れ死にするほかの冒険者とは一線を画すわよぉ。空からも出れないわよねぇ?


 ――戻されるでしょうね


 ――戻される砂漠から抜けれなかったです。責任は隊長の私にあるです


 兎獣人のマーリャ隊長が耳をだらりとたらしたまま答える。


 ――次の回復ポーションを飲みたい・・・


 視線がおぼろげな双子の猫獣人のセプテーがつぶやく。


 ――ダメよ節約するの!戻される砂漠。現況・・が必ずあらわれるわ・・・その時までは・・・あぁ白い氷を口にしたい・・・


 ミュリーは声の弱々しさの中にも明確な意思を伝える。若干の願望を交えて。


 ――今のミュリーさんなら妖精のささやきに合格だ。あぁあねごの持っていた回復アイテムを口に・・・


 ダックスフント獣人のオーテリアが同意する。


 「いや?!目の前の宝箱あけよーよ?!」


 ――きゃん!


 いつまで待たせるんだと、ジューヌにてしてしと猛攻撃をする。


 ――最後まで元気だな。1回だけだ


 そう言って微笑み、牛獣人のジューヌが体を引きずるように近づき、宝箱を開く。


 「じゃじゃーん!柴丸印の巨大ソーメンよ!・・・上にのってるのは消化によさそうなささみを胡麻味噌和えにしたの!おつゆにつけて召し上がれだよ!」


 ――きゃん!


 これは俺のだとフードボウルへまっしぐら。


 ――っ


 即座にジューヌが巨大なソーメンの山に顔面を突っ込んでハグハグと貪る。


 ――匂いまで幻にあらわれた・・・


 双子の猫獣人のオクテーが鼻をひくひくさせてつぶやく。


 ――幻じゃない!


 ペシャン!ペシャン!とソーメンを丸めて次々とメンバーへ投げつける。


 ひんやりと顔をつたっていくソーメン。その雫が口へと流れこむ。


 ――・・・・


 ――おーっ?!!!


 ソーメンの山に群がりハグハグと貪る。


 「おつゆ使って?!おつゆ!味しないよ!」


 3分の1ほど減った時、めんつゆに気付く者があらわれた。


 ――何かしら?


 アララは、めんつゆの入ったお椀を手にとり、こくりと飲み渋い顔をすると、お椀の横のフォークを手に取りソーメンの山に取りかかる。めんつゆを無視して。


 「間違えたソーメンの食べ方を伝えてしまったよ?!」


 たまはがっくりと膝を折るが、挽回するための手をあれこれと考えるのであった。

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