第95話 キュィィィィン!キュィィィィン!
――皆さん!見てくださる!
――っ?!
笑顔満面のヴィクトリア姫が2階から飛び降りてきた。一同が驚いているのはシルバー地のランジェリー姿だからではない。
「とっても似合ってるよ!一目見たときから、その金髪にはダブルドリルヘアーが似合うと思ってたの!」
皆の前でクルクルと回り、お披露目をするドリル姫。もとい、ヴィクトリア姫。
そう、たまは、ヴィクトリア姫を一目見たときから金髪ドリルヘアーにしたくてたまらなかったのだ。
――どうされたのですか?!このダンジョンは安全じゃなかったのか!ヴィクトリア姫へ支援を!
――ホーリーレイ!!カースディサーム!!ハイヒール!!
「呪いみたいな扱いしないで!ドリルヘアーポーションは1日過ぎれば戻るんだよ!」
――皆さんも弾んでくださります?この髪にしたのはコレですわ!
ヴィクトリア姫が携帯用のマジックバックから取り出したポーションを部下の一人が鑑定する。
――ドリルヘアーポーション!髪型が1日変わる!呪いではありません!
ほ
護衛たちは胸をなでおろす。
――ふふふーん♪
クルクル、クルクルとご満悦である。
「でも、いい加減に服を着て!痴女だから!」
――エルオンス。あなたも飲んでみる?
――はっ!
この展開はなんだとたまは考える。
髪をゆわいている紐を外し、きゅぽんとコルクを抜き一気に飲む。
シュルシュルと髪の毛はまごうことなきドリルヘアーにセットされる。
ヴほっ
「ヴほっ・・・ドリルヘアーのイケメンなんて見たくなかったよ!」
『たま様が造ったのですよね?』
「たまコンプライアンス違反だよ!用法を守って正しく使わないとやーなんだよ!」
――ダフネ。ここに画家スキル持ちはいる?
――はい。確か画家(小)ですがいます
――呼んでちょうだい
リンリリ隊長がシャリーに目配せをして呼びに行かせ、しばらくするとオドオドした純朴そうな少女を連れて戻ってくる。
少女はギンガムチェックの壁に胸をときめかせながら、初めて入るダンジョンに胸をドキドキさせている。
そして少女は目を見張りヴィクトリア姫に飛びついた。
――斬新な髪形ですね!
――近い
エルオンスが長い腕で少女を下がらせる。
――いいわエルオンス。でも、あなたに私を描けて?
ドリルヘアーを手の上にのせてドヤ顔で語る。
――描かせてください!必ず・・・何年かかっても必ず!
「それ人生無駄にしちゃってるよ!」
『たま様。こいつらは警戒してください。たまコロ虫を描いたり、ダンジョンを探って攻略本を作成しています』
「大袈裟だよー」
『確か名前はセバスチャン・マリーです』
「セバスチャン?!執事にしかつけちゃいけない名前だよ!」
『そのようなコンプライアンスはありません』




