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第93話 河の渡り方

 ――この河幅なら渡れるんじゃないかしらぁ?


 ――そうね。ここにしましょ


 ――第5部隊!木を切ってくるです!


 ヘキシアとミュリーが話し合い、すぐにマーリャ隊長が耳をピーンとさせて命令を発する。


 「わかったわ!橋を造るのね!」


 『違います。木を・・・』


 「まって!言っちゃやーよ!楽しみが減っちゃうから!」


 ――アララ。本当にいくのぉ?ライ河を渡ったら簡単に戻れないわよぉ?


 ――ええ、行きます。何かが起こっていて、探る機会があるのですから


 ――簡単に見つかったら、冒険者なんて存在しないわよぉ


 ――わかっていますわ。でも0を1にするのが冒険者でしたわよね?


 ――誰から聞いたのよぉ?ダフネの言葉なんて


 「わかったわ!船だよ!船を造るんだよ!」


 ――ミュリーさん。準備できました


 ――では、行きましょう!


 ――おー!!


 牛獣人のジューヌがドタドタと走って木が投げられる。


 ――ふん!


 ドッポーン!!


 次に木を担いで走ってきた熊獣人のエプリンが、河に投げられた木へ飛び乗り、そこから更に木を投げる。


 ――ぐわぁ!


 ドッポーン!!


 そして、次の木を渡されたジューヌが更に先の木へと飛び乗っていく。


 「アスレチック的な何かだったよ?!」


 ジューヌを狙って、河から寝袋に唇と牙をつけたような魚やおとぎ話に出てきてほしくない方の人魚が牙と爪をむき出し襲い掛かる。


 ――任せて!シクサッションセブンスピアー!!


 鹿獣人のメイが槍の連撃で次々と魔物を排除する。


 投げられた木へ投げられた木へと次々にピョンピョン飛び乗り、河の半ばまで差し掛かった。


 こぽん・・・


 ザッパアァァッァン!!!


 エプリンを包み込むほど大きな口を開いたアンコウが飛び出す。


 ――アイシクルスパイク!!


 水面から伸びた7メートルの槍衾やりぶすまにより、軌跡が変わり水面へと落下していく。


 ――ウェイブウィップ!!


 バクン!!


 顔面に伸びてきた鞭にかみつく。


 「フィッシュ!オン!!」


 たまが激アツだよーとこぶしを握る。


 ――キャッ?!


 鞭が引っ張られて、アララが空中に放り出される。


 兎獣人のマーリャ隊長が脚力で水面を叩きつけるように走る。


 ――剣舞けんぶ!!


 ザン!ザザザザッザン!


 踊るような双剣の連撃により、アララのつかんでいる鞭を消滅させ、落下中のアララを受け止めると水面を蹴り木の上へと舞い戻る。


 ――すぐに武器を捨てるです!引きずり込まれたら助からないです!


 ――た、助かりましたわ。ありがと!


 たまは、どうやって渡そうかと、こっそり用意した釣り竿をマスター空間の隅にそっと隠すのであった。

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