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第92話 ライ河の河原

 ヘキシア、ミュリー、第5部隊、アララ、柴丸は巨大な河に沿って2日南へ南へと歩いていた。


 明らかに港町より遠い地点でも回復アイテムが出たので、足取りは軽い。


 たまは先ほどまで海だと思っていた。今まで対岸が見えなかったのだ。上流に進むにつれて対岸が見え河だと認識した。


 「おっきな河だねー」


 『この地域でもっとも大きな河。ライです』


 ――きゃん!


 柴丸は河に大きな魔物の魚影があらわれるたびに吠えている。


 ――空から魔物よぉ


 ――ウェイブウィップ!!


 ヘビに羽をつけたような魔物らをバチン!バチン!バチン!と次々はたき飛ばす。


 ――アララ。おみごとよぉ


 ヘキシアがアララの鞭さばきに称賛を送る。


 ――ありがと!鞭星に近づいてるって実感しているわ!


 「河といえばこれ!今日の献立は決まりだよ!」


 シャッシャッ、トントントン、じゅぅぅぅ、ぐつぐつと料理をし、大きめの弁当箱につめて風船で空に離す。


 ――やぁーっ!


 ダフネが空へ飛んで行く風船に跳びつき触れた瞬間、スーッと溶けるように消えていく。


 ――あねご。無駄ですよ


 ――わかってる。けどなーやけにイイ匂いがしてたんだ


 「にへへ」


 『レア確定ガチャが届きました。おかわりだそうです』


 おかわり1回くらいならやぶさかではない。ふたたび、大きめの弁当箱につめて風船で空に離す。


 ――やぁーっ!


 ゆったりとそれでいて力強く流れる河の河堤かわづつみを歩くミュリーたちにも宝箱があらわれる。


 ――いっぱい出たけど、なんで河原にぃ?


 ヘキシアが疑問に思うが、河堤かわづつみを降りて河原に近づく。


 ――開ける


 牛獣人のジューヌは宝箱を開く・・・


 ――まぁまぁ?!


 ――っ?!


 ――燃えているわ!罠?!


 「じゃじゃーん!河原といえばバーベキューよ!・・・いっぱいつくったから腹が破裂するまで食べてね!飲み物はコーラとビールを用意したよ!それとそれと火は全部レアまで通してあるから安心して食べてね!」


 ――きゃん!


 フードボウルへ走りガツガツと食べ始める。


 ――んー♪


 ジューヌは肉串を口にはこぶと幸せの悲鳴が漏れる。少しだけたまは不謹慎なことを考えたがそれは河に流すことにする。


 次々と串に手を出すメンバーだが、ミュリー、ヘキシア、アララは手を出せずにいる。


 ――な、なんなの・・・このファイヤーは?魔導具?


 ――見たことのない魔法だわぁ


 ――何を攻撃してるのかしら?


 じゅぅぅぅ・・・肉汁と絡まったバーベキューソースが火に落ち、暴力的な匂いが広がる。


 ――・・・


 ――これ。ミュリーさんも弾むと思うわ


 鹿獣人のメイが輪切りにされたトウモロコシの刺さる串をミュリーに手渡す。


 ゴクリと生唾を飲み、一口かじる。そして考えるのをやめた。だって、今更でしょ?


 それを見たヘキシアもアララも串に手を伸ばし、バーベキューが消滅するまで手を伸ばし続ける。


 ――ふー。オーバーライフで眠いです!


 兎獣人のマーリャ隊長が腹をさすって、すがすがしいほど身勝手なことを宣言する。


 すでに柴丸は、すぴすぴと寝ている。


 ――そうねぇ。ちょっと休憩する必要があるわぁ


 ――ええ、休憩しましょ


 そして河原に、ピンクと白のギンガムチェックのテントがたつのであった。

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