第80話 パジャマパーティー
深夜。
――ミュリー。星も眠る夜に報告書類か?
ダフネはボス部屋で書類を書いているミュリーへ話しかける。
――ええ。夜が明けたら出発でしょ?今のうちにやっておかないと
――ミーティングルームは常に明るいから旅に響くぞ?
――そうね。でも、なぜか2階は暗くなるわね?
「明るかったら眠れないよ」
――ちょっと、話しておきたいことがあるんだ。いいか?
――そのために来たんでしょ?
ミュリーが書類をマジックバックへしまい。ダフネの方に向き直る。
「ガールズトークね!今、準備するよ!加速そーち!にやり」
たまはせっせと準備する。お菓子とジュース、パジャマを着てミュリーが書類を置いていたテーブルに布団を敷いて腹ばいになる。
――っ?!
テーブルの上にミカン箱サイズの宝箱が現れる。
――たまに空気読めないよな
ダフネが宝箱を開く。
「じゃじゃーん!コンソメポテチと微炭酸レモンスカッシュだよ!・・・眠れなくならないようにカフェインないのにしたの!って空気読めなくないよ!!」
――回復アイテムね。初めて見るタイプかしら
――あたいは一回、これに似たの出したことあるぞ。食うと止まらなくなる奴だ。おーい、レッリー、サイリリ、お前らの分も回復アイテムがでた取りに来い
――はっ!
――空気読めないで思い出したわ。ダフネ。これを向こうの壁におもい切り投げてみて
――ん?いいけどよ。この魔石消滅するぞ?
――いいから
ふんっ!とボス部屋から廊下の壁に魔石が投げられると壁はすべての威力を吸収して反射し、ダフネへと魔石が戻ってくる。
パシッ
――なんだいこりゃ?!
「カベンポリンだよ!それより、ガールズトークしようよ!」
――なんだかわからないけど、一か所だけ変化しているって教えてくれたの
――おっさんか
ダフネは魔石を返しイスに座る。
――それで話って?
ミュリーはレモンスカッシュに口をつけ、ちょっとびっくりしながらもすました顔でたずねる。
ダフネはポリポリポリと2、3枚食べ、声を潜めて話はじめる。
――どうやらあたいは、狂獣状態から戻るのに魔人と契約したらしい・・・
――っ
――ステータスに・・・たまの眷属って入ってやがる
ヴほっ
「ヴほっ・・・ゴホゴホッ・・・わたし知らないよ?!」
――それで対価は・・・
――わからねぇ。だから、あたいがもしドラゴンクラッシャーを裏切るようなことがあったら、容赦せずにやってくれ
「わたし、そんなヒドイことさせないよ?!」
『なるほど。さすがたま様です』
「コア!今は女の子だけのパジャマパーティーだから入ってこないで!」
『・・・・』
ミュリーは目頭をおさえて考え結論を出す。
――わかったわ。その時はまかせなさい
――助かる。んぐっ?!なんだいこりゃ?
ダフネは口をつけたレモンスカッシュの微炭酸に驚くと、してやったりとミュリーは舌を出す。
――これはダフネも初めてみたいね。私もだけど
――ところで、おっさんとくっつく気はないのか?
――んぐっ?!どうして急に?
今度はミュリーが驚く。
「恋バナ!恋バナ!」
――おっさん一途だからな、ちょっと応援したくなった
ポリポリ
ポリポリ
――ダメよ。長命種と短命種だもの。不幸にしかならないわ
――そっか
「そっかー」
ポリポリ
ポリポリ
・・・・
ポテチがなくなるまで無言の時間が過ぎる。
――そろそろ寝ましょ
朝早く、ミュリー、第5部隊、アララ、柴丸は旅立っていった。
――カイリリ。ちょっと向こうの壁に、おもいっ切りこれを投げてみろ
すました顔のダフネがカイリリに魔石を渡すのだった。




