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第74話 援軍③

 ――ふー、ふー


 ミュリーとアララは息を切らし切らしドラゴンクラッシャーシティーを目指し走っている。


 その後ろから一団がやってくる。


 ――お急ぎですかお嬢さん?


 ――きゃん!きゃん!


 柴丸は皮鎧を着た茶髪の渋いおっさんになんじゃお前と吠える。


 ――見ればわかるでしょ?


 ミュリーはおっさんをねめつけるが、おっさんが連れているシマウマ獣人のゼブラ率いる第7部隊、ベーリン帝国から引き上げてきた第2部隊の面々を見て、このメンバーならと心強く思う。


 BOOOOOOOOOOM!!!


 ドラゴンクラッシャーシティーから凄まじい爆発音が響く。


 ――無駄話してる暇はなさそうだな


 ――支援します。順次先行してください!


 そして場面はたまの前に戻る。


 「ダフネが飛んでっちゃったよ?!」


 蟲が氷りつき、死霊のほとんどを駆逐したが、特級魔物にとって、もともとそれらは露払い程度の存在なのだ。


 デッドフェニックスに跨ったベルゼブブは、胸部にある4本の手それぞれに持つ杖から風の上級魔法をバンバンとぶっ放し、デッドフェニックスは腐敗のブレスをお見舞いする。


 地上はひっちゃかめっちゃかの地獄絵図である。


 かすっただけでも瀕死の特級魔物の攻撃が降り注ぎ途切れないのだ。


 半数くらいはダンジョン内に逃げ込んでいるが外では逃げ惑っている。いや、ダンジョン内に退避している面々を悟られないための逃げ惑いなのかもしれない。


 ――影踏み!!


 デッドフェニックスの動きがピタリととまり、キラキラと輝く透明の槍がデッドフェニックスを貫く。


 GGGGGGGGGYAH!!!


 「アイスニードル?氷魔法?」


 『いえ。アレは種族攻撃のクリスタルニードルです』


 コアに映った人々を見て、たまは雄叫びをあげる。


 「ガラス人だよ?!」


 『結晶族クリスタルです』


 ――もっかい止めるぞ!影踏み!!


 おっさんがデッドフェニックスの影を踏むと数秒だけデッドフェニックスは停止する。その隙で遠距離からの飽和攻撃が炸裂する。


 デッドフェニックスは影を踏まれるのが鬱陶しいと、低空飛行での攻撃に移る。


 おっさんを狙った滑空攻撃で腐敗のブレスを吐きながら突進する。


 ――スプリントスラッシュ!!


 おっさんがひらりと避けた先でシマウマ獣人のゼブラとヤマーによる走り込みからの全体重をのせた斬撃が脇腹に炸裂する。


 GGGGGGGGGYAH!!!


 死の咆哮をあげ死霊を次々と噴き出し空中に退避するが、待ってましたとダンジョンから飛び出した面々によって死霊は刈り取られる。


 『戦略がなっていません。後衛系の魔物を接近させるなんて愚かです』


 しゅっ!しゅっ!とたまはシャドウボクシングで援護する。


 空中で姿勢を取り戻したデッドフェニックスに禍々しい黒い炎が広がり真っ黒に燃え盛る。


 ――なんかでっかいのがくるぞ?!


 おっさんたちはダンジョンへ向かい、第2部隊は止まった標的に最後のクリスタルニードルを繰り出す。


 ――気を付けてぇ!暗黒の炎は触れたら消せないわぁ!


 ――MEEEEEEEEEEEOW!!


 崖の上から燃えるように真っ赤な髪の獣が飛び出して、燃え盛るデッドフェニックスにしがみつくと握りしめた斧をガンガン!ガンガン!これでもかと斬りつける。


 ベルゼブブは真っ赤な髪の獣に風魔法を放つがギリギリでかわされ、代わりにデッドフェニックスの羽を斬り飛ばして落下する。


 ブブブブブッとベルゼブブは自力の飛行に切り替えるが、落下した真っ黒に燃え盛るデッドフェニックスは、真っ赤な髪の獣にガンガン!ガンガン!これでもかと斬りつけられている。


 「あれって・・・ダフネなの?」


 真っ赤な髪の獣は、体中に赤い模様を浮かび上がらせ、その上に真っ赤なブラジャーとショーツを付けているのだった。

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