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第71話 特級魔物

 ――鶴翼の陣形!!


 リンリリ隊長が指示を飛ばし、ダフネを左右から挟み攻撃をしかける。


 ――甘いぞ!おらぁ!!


 トゥリーを、サイリリを、次々とぶっ飛ばす。


 ――うらぁっ!!シクサッションセブンスピアー!!


 ピョリー副隊長が左右からの挟撃に合わせ上方向からの槍の連撃を繰り出す。


 ――わるくはねぇ!リフレクションスラッシュ!!


 攻撃が反射されピョリーが大空へと吹っ飛んでいく。


 ――中止!中止!あねご!やり過ぎです!


 リンリリ隊長が落下してきたピョリーを受け止め、素早く回復ポーションを口に突っ込む。


 ――わりぃわりぃ!第5部隊が出来損ないとはいえ魔人を倒したっての聞いて、妖精のささやきが弾んじまってな!


 ――いやいや。弾んじゃダメだって


 魔人が現れて喜ぶなんてとカイリリが正論を唱える。


 「アララ王妃が町を出たね。今日は、アララ王妃のランジェリー造りになりそうだよ」


 たまはフンスと力こぶをつくる。


 『もう王妃ではありませんよ』


 「そっかー、この世界ではトップにしか使えない称号なんだね。もう、ただのアララかー。じゃーレティシア姫はレティシア女王?」


 『どちらでも問題ありません。むしろ、アララ姫でも問題ありません』


 「アララには悪いけど、全力で拒否するよ!」


 ――よーし!もう一度いくぞ!かかってこい!


 ――はい!!


 「まずは地の生地選びだよ。レティシア姫はシルバー地、ミラグロサ姫はゴールド地だったから、関連させたいよね?」


 ワーワー!ドッカンドッカン!とぶつかり合うダフネたちを見ながら、新たなデザインが浮かぶのをボーっと待つ。


 ――カイリリ!逃げるな!


 ――戦略的撤退であります!


 ――待てや、コラァ!


 一人だけ殴られないように動いていたカイリリを見つけ、ダフネが斧を片手に追い掛け回す。


 「鳥さんたちかな。コア。空のアレ何かなー?」


 『ダンジョン外のことは視えません』


 「あ。ちょっと待ってね」


 とんてんかん!とんてんかん!


 柴丸の首輪につけたアクセサリーと同じ物を造り、コロコロっとダンジョンの外へ転がす。


 『予備ダンジョンコアと同期しました』


 予備ダンジョンコアからぴゅーっと回復ポーションを吐き出し、勢いでコロコロと向きを変えたり移動したりする。


 「新しい虫を造ってしまったよ?!これはまさにダンコロ虫!」


 『予備ダンジョンコアです。捕捉しましたデッドフェニックスです』


 「ふーん・・・って?!危ない奴だったよ!!もう!ダフネが変なこと言うから!コア!これがフラグだよ!」


 『ダフネには勇者のスキルも悪運による補正もありません』


 「えーでも来てるよ?」


 『戦略的にダンジョンへの攻撃をしかけたと推測します』


 「原因わたしだったよ?!コア!建物に隠れて冒険者たちが使っていた指笛の音って出せる?!」


 ダンコロ虫はぴゅーぴゅーと回復ポーションを吐きながら建物に隠れ、音響罠を配置する。


 ピュィィィ!


 カイリリが捕まったのを見て、大笑いをしていた冒険者たちに緊張が走り、町にやってきた人々はその音を聞いて建物の中へと走りこむ。


 ――誰が緊急事態したんだ?


 ドラゴンクラッシャーが全員そこにいるのを見渡しリンリリつぶやく。今、コアを護衛しているのはロイヤルメイドたちだ。


 緊張し警戒したことによって、気配なく存在感を最小にしてやってくる存在に気づいた。


 ――空だ!デッドフェニックス!!


 ダフネが叫ぶ。


 ゾクリ


 認識した途端、首に鎌を当てられたような悪寒が走る。


 ――ダンジョン前!ファランクスの陣形!!


 ――それだけじゃねーぞ!デッドフェニックスの背に同等の特級魔物だ!!

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