第55話 ノイケルン大臣
謁見のホール。
大岩に腰を下ろした巨人のナサレー大王、その横の玉座に座った王妃、レティシア姫、ミラグロサ姫、眼帯のおっさん、ヘキシア、ダフネ、第4部隊のハーフエルフたち
柴丸である。
――おそいですわっ!
――ミラグロサ姫。そ、その恰好は・・・
ヘキシアが絶句する。
――ハンブルク王国の宝。巌窟アーマーですわっ!
大きな肩パットでも入っているのかと思わせるような肩が特徴のミスリル鎧を装備している。
――お前たち予備の装備を。ミラグロサ姫、こちらの装備にお召し変えください
――嫌ですわっ!
――お忍びで国宝の鎧なんて装備してたらお忍びじゃないわぁ。こちらの言うことに従う約束ですよね
――仕方ないわっ!お揃いも悪くないものっ!
その場で装備を外し、頭の先から足の先までハーフエルフたちとお揃いの装備になる。
「キャッ!枯れてはいるけど、一応殿方もいるよ?!」
パッパッパー!
軽いラッパの音が鳴り、ホールの入り口にある巨大な石扉が開いていく。
――ミラグロサ姫。第4部隊の中で同じように片膝になってください。
ダフネが素早く指示を出す。
――っ♪
ミラグロサ姫は嬉々としてハーフエルフたちに紛れ込む。
――ナサレー大王、王妃、このハンブルク王国大臣のわしに内緒とはいただけませんな
緑色のローブを装備したかっぷくのよい中年男性がえっちらおっちら、皮鎧を装備した冒険者5人を引き連れて入ってくる。
――これはこれはノイケルン大臣。内緒とは?
王妃がシレッととぼける。
――はぁ。わかっているのですよ。ミラグロサ姫を忍びで都の外に出そうとしているのは
――ノイケルンっ!私の邪魔をするのっ!
――チッ
ミラグロサ姫が立ち上がって抗議し、ダフネが短絡的なミラグロサ姫の行動に舌打ちをする。
――これはミラグロサ姫。いえいえ、滅相もありません。わしは少しでも力になれればと、ホレこの通り護衛にB級冒険者たちを用意しました
――そうなの?
ヘキシアとダフネはこっそり視線を合わせ嫌な顔をする。
――お前たち挨拶をしないか
――はっ!!
――スタッチェルハーケンクランのアインス。以下4名よしなにお願いします!
「うわっ?なんか目がこわいよ!」
――アララ~?
困ったミラグロサ姫が王妃に助けを求める。
――ふー。そうですね。ただし、ドラゴンクラッシャーの指示に従うならスタッチェルハーケンの護衛を認めます
――いやいや、王妃よ。スタッチェルハーケンは全員B級。それに引き換えドラゴンクラッシャーの大半はC級冒険者ではありませんか
――不服なら不要です
ぴしゃりと言い放つ王妃に、ノイケルン大臣は作り笑いを浮かべ数瞬ほど思考する。
――もちろん。不服などありません
「コア見て!あれが悪い大人の笑顔よ!!」
『たま様。ダンジョン外はすべて悪。敵です』
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○○「落ち着け、落ち着くんだよ・・・まず拠点を移動しないと・・・あれとこれと・・・それ・・・それに・・・」




