第54話 吸血族
城での謁見から3日たち、ダフネたちは、ミラグロサ姫をドラゴンクラッシャーダンジョンへお忍びで連れ出すため城にやってきた。
――きゃん!
柴丸を肩にのせたダフネは、同じようにホールへと向かう眼帯のおっさんを見かけたので話しかける。
――剣星のおっさん。こないだの夜は大変だったな
――大したことではない
――きゃん!
柴丸は眼帯のおっさんに飛びつきたくて飛びつきたくてソワソワしているが、ダフネにリードで抑え込まれている。
――ハンブルク王国として、ジバクーンはどうするんだ?
――どうもしない。ベーリン帝国から流れてきてイアレフ国へ流れていった
壁際でこちらをうかがっていた丸眼鏡のメイドが意を決して、うっすらと茶色がかった眼鏡をクィと上げてから近づいてくる。
――あ!あの・・・突然話しかけてすみません
ダフネに向かって話しかける。
――客に対してメイドが話すなど
――まぁまぁ、おっさん。で、メイドが何だい?
――これをゴブリンに・・・
――きゃん!
――きゃっ?!
丸眼鏡のメイドがピンポン玉サイズの青い球を取り出すと、柴丸がダフネの肩から牙をむきだして飛びつこうとする。すぐさまダフネがリードを引っ張って柴丸を止めるが驚いたメイドは青い球を手放してしまう。
落下する青い球を眼帯のおっさんがひらりと手のひらで受け止める。
――ぬ?!
青い球は光に変わり、眼帯に覆われている右目へと飛び込む。
――おっさん?!
「キター!目が!右目が疼くよ!」
――大丈夫だ。なんともない
「なんともないんかい?!」
――そうか。で、今のは何だい?
再度、ダフネはメイドに確認する。
――わかりません・・・私、夢枕獏のスキルがあって、夢の中で、家の裏にある壺の中の青い石を城にいるゴブリンに?というような夢があったので・・・
――最初にそれを話すべきだったんじゃないかしらぁ?
ヘキシアがくだらないものを見る目で告げる。
――す、すみません!
「あの青い球は何だったのかな?」
『解呪石、呪いや封印を解除する石です』
「あー!呪いスキスキの柴丸はそれを嫌ったのね!でも、なんでそんなの柴丸に渡そうとしたのかな?」
『・・・』
――まて。右目が見える。邪魔王ダンダラを倒したときに呪われて見えなくなった右目が見える
おっさんがわなわなと震える手で眼帯を持ち上げて見回す。
――解呪系のアイテムかしらぁ?なら、悪いものじゃないのよねぇ。むしろ高価?
――そうだな邪魔王の呪いを解いたんだ。だが、そんなに高価なアイテムを使ってしまったのに何も返さないでは剣星の名が廃る。何でも望みを言ってくれ
「おっさんが眼帯を外そうか外すまいか迷ってるよ」
――もともと壺の中にあったアイテムですので、あっ・・・
――どうした?遠慮せずに
「あ!眼帯をそのままにした!」
――・・・では、私、吸血族なので血が欲しいのです。去年までは知り合いに頼んでいたのですが亡くなってしまって・・・・
――吸血?聞いたことないな。試しにやってみてくれ
たまは妄想を膨らませ、ピースの手で目を覆いキャッキャッする。
――え?!いいんですか?で、では・・・スポイトニードル!!
スカートがめくれ上がり尻から伸びた大きな杭が、眼帯のおっさんの胸にぶっ刺さる。
「吸血鬼じゃなくて、蚊のほうだったよ?!」
『蚊は口器で血を吸います』
――ふむ。ダメージはほぼない。倦怠(微)か、この程度ならいつでもかまわん。必要になったら声をかけてくれ
――本当ですか!ありがとうございます!
柴丸は眼帯のおっさんに興味がなくなり、ダフネの肩で丸くなるのだった。
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○○「やばいよ。やばいよ。やばいよ・・・・僕の設置した解呪石で剣星の呪いが解けた?!○○が集まってやっと封印したのに、僕が台無しにしちゃったよ!!」




