第52話 ビァーガーデン
結局、日程と経路を決めるのに暗くなるまで時間を要した。
――飛べる奴に頼んで、ちょちょちょいで済ませりゃいいのに、ま、一つお願いもできたし、プラスマイナスゼロかな
――ダフネ。ミラグロサ姫にかかわる話を一切口にしてはダメよ。あなたたちもいいわねぇ?
――はい!!!
――それほどなのか?
――ダフネ。同じことを言わせないでねぇ
ヘキシアの魔力が荒ぶる。
――わーった。もう、考えるのもやめるぞ!ぉ?なんか向こうに明るい場所がないか?
――最近できたのよぉ~。ビァーガーデンっていうのぉ~
――なんだ。そりゃ?
――あら~。ドラゴンクラッシャーダンジョンが原因なんだけど知らないの?見ればわかるんじゃない?
――ああ!行ってみようぜ!お前らもいいな?
――はい!!!
――きゃん!
――ダフネのあねご。ちょっといいですか?
トゥリーがおずおずと話しかける。
――なんだい?
――ゴブリン抑えてて気が付いたんですが首輪なんですけど、ここに輪っかがついててですね。紐通して奴隷の首輪みたいにしたらどうですかね?
――ん?
――あら~。私はイメージ悪いからいやねぇ
――御前で走り回られるよりはいいな!よし!人のいるところでは紐つけとけ!幸いあたいが紐を持ってるからな!
――走り回られたときは、どうなるかと思ったわよ~。そうね。つけときなさい
ダフネの取り出した紐が柴丸の首輪に結ばれる。
「あ!まだ、リードの練習してないから難しいかも!」
柴丸は紐がついても、なんのその。俺についてこいと先頭を歩く。
ワイワイ、ガヤガヤ。
――うっせーし、なんか、におうな
長机がいくつも並んでおり、人々は木のジョッキをぶつけ合って何かを飲み、陽気に笑っている。
――ここにしましょ。店員さーん。おねがぁ~ぃ
――ただいまー
木のジョッキが並び、ジョッキ1つに魔石8個を払っていく。
――この匂い毒か?
――本当に知らないのぉ~?ドノフが錬金で見つけた毒よ~
――あー!それか、話は聞いてる。あたいとこいつらが護衛する前の話だそりゃ
――そうなのね。なら、作法を教えてあげるわぁ。ジョッキをぶつけ合って、ごくごく飲むのよ!
ヘキシア、ダフネ、ハーフエルフたちがジョッキを持ち、コン!とぶつけ合って飲み始める。
――ぷはぁ~?!
――どぉ?
――いいな!これ!
――はい!!!
――きゃん!きゃん!
柴丸も雰囲気にのまれ楽しそうに吠える。
「加速そーち!にやり」
コアに映し出されている映像がほぼほぼ止まった。
『なにをするんですか?』
「みてて!」
とんてんかん!とんてんかん!
柴丸のアクセサリーがピカリと光り、長机の席1つづつに小型の宝箱が現れる。
突然目の前に宝箱が現れたことによって、あれだけ、ワイワイ、ガヤガヤしていた音が消える。
ヘキシア、ダフネ、ハーフエルフたちがさとる。これダンジョンの宝箱だ。知られてはまずいと・・・
瞬時にパッとカイリリが宝箱を開くと、同時に全ての宝箱が開き消滅する。
「じゃじゃーん!クール付きのビアジョッキだよ!・・・入れれば即冷えるの!」
――ドドラゴンクラッシャーのジョッキを貸すです!ビァーをこっちに移して飲むです!ぷはぁ~~
カイリリが気転を働かして行動するが誰もついてこない。
――なんだい?あたいらのジョッキに不満があるのかい?!
ダフネが立ち上がり、ビアジョッキに木のジョッキのビァーを移してジョッキを掲げると、次々にビアジョッキを掲げて立ち上がる。
――妖精に!
カイリリが思いつきの発言をして、ビアジョッキを大きく掲げる。
――妖精に!!!
カチャカチャ、カチャーン!!
ぷはぁ~!!!
――うぉー?!ブリザードじゃ?!
ワイワイ、ガヤガヤと騒音が戻る。ダフネがドカリとイスに座る。
「あれ?!洗わず同じジョッキで飲んでるよ?!わんこそばか!!」
『クリーンがあるので問題ありません』
「生理的にやー!」
――あたいら、今日だけで何度生死の境を彷徨ったんだか
――ええ。本当にぃ~。カイリリよくやったわぁ
――ふぇぇ・・・・
カイリリは緊張によって撃沈したのだった。
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あなたの家の・・・・・壺の中に・・・・・があります。城にいる・・・・・に・・・・・を渡しなさい。
○○「こんな感じでいいかな?」




